機構学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 機構学
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 住野,林,絵ときでわかる機構学(第2版),オーム社,2018年
担当教員 池田 富士雄

到達目標

(科目コード:11270, 英語名:Mechanism)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①機械の自由度を計算できる。15% (d1)、
②リンク機構の運動に関する計算ができる。15% (d1)、
③運動する物体の瞬間中心を求めることができる。20% (c1),(d1)、
④カム機構の運動を計算できる。15% (d1)、
⑤機械の運動(位置、速度、加速度)を計算できる。15% (c1),(d1)、
⑥歯車機構について説明できる。20% (d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
①機械の自由度全ての対偶の種類を説明でき、複雑な連鎖の自由度を計算できる。対偶の種類を分類でき、連鎖の自由度を計算できる。連鎖の自由度を計算できる。連鎖の自由度を計算できない。
②リンク機構4節リンク機構などの機構を分類でき、それぞれの運動に関する計算ができる。4節リンク機構などの機構を分類でき、いくつかの運動に関する計算はできる。リンク機構の運動に関する計算ができる。リンク機構の運動に関する計算ができない。
③瞬間中心瞬間中心の求め方を説明でき、複雑な機構の瞬間中心の位置を全て求めることができる。瞬間中心の求め方を説明でき、基本的な機構の瞬間中心の位置を求めることができる。基本的な機構の瞬間中心の位置を求めることができる。基本的な機構の瞬間中心の位置を求めることができない。
④カム機構カムの種類を細かく分類でき、仕様を満たす適切なカム曲線を設計できる。カムの種類を大よそ分類でき、仕様を満たすカム線図を設計できる。カム線図を設計できる。カム線図を設計できない。
⑤変位、速度、加速度線図機構の変位線図から、速度線図、加速度線図を正確に描くことができる。機構の変位線図から、速度線図、加速度線図を描くことができる。機構の変位線図から、速度線図を描くことができる。機構の変位線図から、速度線図を描くことができない。
⑥歯車機構歯車の用語を説明でき、各種歯車を分類でき、複雑な歯車列の各種計算ができる。各種歯車を分類でき、基本的な歯車列の各種計算ができる。基本的な歯車列の計算ができる。基本的な歯車列の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機構学とは、機械にとって最も理想的な動きをさせる機構(メカニズム)を考え・選び出す学問である。機構を構成する部品のしくみを学ぶとともに、それらの部品をどのようにつなげ、かつ動かしていけば最も効果的かについて学ぶ。授業では、具体的に身の回りの機械や装置を例にとり、できるだけ図に示しながら学習を進めていくこととする。
○関連する科目:設計製図(前年度履修)、総合製作(3年次履修)、機械要素(後期履修)
授業の進め方・方法:
適宜、授業内容に沿った小テストを行い、理解の定着のため課題レポートを課す。
注意点:
2学年までの数学、物理を十分に学習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械と機構 身の回りの機械と機構を説明できる。
2週 対偶と連鎖の自由度 対偶の種類を説明でき、連鎖の自由度を計算できる。
3週 リンク機構 4節リンク機構を説明でき、回転する条件を計算できる。
4週 機構の運動と瞬間中心 瞬間中心の考え方による機構の運動を説明できる。
5週 瞬間中心の応用 リンク機構の瞬間中心の位置を求めることができる。
6週 瞬間中心の軌跡 瞬間中心の軌跡を求めることができる。
7週 機構の速度 リンク機構の速度を求めることができる。
8週 中間試験 試験時間:50分
2ndQ
9週 カムの種類と設計 カムの種類を説明できカム曲線を設計できる。
10週 変位線図、速度線図、加速度線図 変位線図から速度線図、加速度線図を求めることができる。
11週 摩擦伝動、摩擦車 摩擦車の速度比を求めることができる。
12週 歯車の基礎と種類 歯車を分類でき、用語、記号を説明できる。
13週 歯車装置 中心軸固定の歯車列の各種計算ができる。
14週 歯車装置の応用例 中心軸移動の歯車列の各種計算ができ、非円形歯車について説明できる。
15週 巻掛け伝動機構 巻掛け伝動を分類でき、各種計算ができる。
16週 期末試験
17週:試験解説・発展授業
試験時間:50分
試験内容と結果を振り返り、理解不足の内容を補う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前4,前7
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前4,前7
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前10
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前10
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前7,前10
力の合成と分解をすることができる。3前9,前12,前15
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4前12
歯車列の速度伝達比を計算できる。4前13,前14
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4前3,前5
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4前7
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4前9
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4前10
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前5,前12
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前4,前15
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前7,前10
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前10
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前11,前12

評価割合

試験(中間)試験(期末)小テスト課題態度合計
総合評価割合304010155100
基礎的能力000000
専門的能力304010155100
分野横断的能力000000