熱力学A

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 熱力学A
科目番号 0079 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 日本機械学会編,JSMEテキストシリーズ 熱力学,丸善
担当教員 河田 剛毅

到達目標

(科目コード:11171,英語名:Thermodynamics A)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる.
この科目の到達目標と,各到達目標と長岡高専の学習・教育目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①熱力学第1法則について理解する。45%(d1)、②熱機関のサイクルを学ぶための基礎知識となる理想気体の性質・状態変化について理解する。45%(d1)、③熱力学における基本概念について理解する。10%(d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱・温度・閉じた系・開いた系などの概念を説明することができる熱・温度・閉じた系・開いた系などの概念を説明することができる熱・温度・閉じた系・開いた系などの概念を概ね説明することができる左記に達していない
評価項目2熱力学第1法則の意味を説明し、関連する各種計算を正しく行うことができる熱力学第1法則の意味を説明し、関連する各種計算を行うことができる熱力学第1法則の意味を概ね説明し、関連する各種計算を行うことができる左記に達していない
評価項目3理想気体の性質・状態変化についての関係式を説明し、各種計算を正しく行うことができる理想気体の性質・状態変化についての関係式を説明し、各種計算を行うことができる理想気体の性質・状態変化についての関係式を概ね説明し、各種計算を行うことができる左記に達していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
主として、熱から動力を取り出す上で必要となる理論・法則を扱う工業熱力学に関する講義を行う。
関連する科目:熱力学B(後期履修)
授業の進め方・方法:
教科書に沿った配布資料をプロジェクターで投影しながら講義を進める。最後に学習内容の確認のための小テストを行う。
注意点:
力、仕事、力のつりあいなど初等力学の知識をベースとし、また式の誘導中に微分、偏微分が現れるので、これらについてきちんと復習しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要説明、熱力学の意義
基本概念(1):系、エネルギー
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを、具体例を挙げて説明できる。
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。
2週 基本概念(2):温度、熱平衡、熱量、比熱、状態量 物体の熱容量と比熱について理解する。
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。
3週 基本概念(3):単位
熱と仕事、閉じた系の熱力学第1法則(1)
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを理解する。
気体の内部エネルギーについて理解している。
熱力学第一法則について理解している。

4週 閉じた系の熱力学第1法則(2)、熱力学的平衡と準静的過程 時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを理解する。
5週 準静的過程における閉じた系の熱力学第1法則 熱力学第一法則について理解している。
熱力学の第一法則を説明できる。
閉じた系および開いた系が外界にする仕事量をp-V線図で説明できる。
6週 開いた系の熱力学第1法則(1):流動仕事とエンタルピー 閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。
7週 開いた系の熱力学第1法則(2):定常流動系のエネルギー保存則 閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。
閉じた系および開いた系が外界にする仕事量をp-V線図で説明できる。
8週 中間試験 試験時間:50分
2ndQ
9週 試験の返却・解説、理想気体の性質(1):状態方程式 理想気体の圧力、体積、温度の関係を状態方程式を用いて説明できる。
10週 理想気体の性質(2):理想気体の内部エネルギー、比熱 定容比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。
11週 理想気体の準静的過程(1):等温・等圧・等積過程 等圧変化、等容変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。
12週 理想気体の準静的過程(2):断熱過程 等圧変化、等容変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。
13週 理想気体の準静的過程(3):4つの準静的過程のまとめ 等圧変化、等容変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。
14週 理想気体の準静的過程(4):ポリトロープ過程 等圧変化、等容変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。
15週 これまでの学習内容の総復習 これまでの学習内容が理解できているか確認する
16週 期末試験
17週:試験解説と発展授業
試験時間:50分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前3,前4,前5,前6,前7
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前1
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3前4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学仕事の意味を理解し、計算できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前1,前3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4前2
熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4前2,前3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4前1,前2,前6
熱力学の第一法則を説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4前3,前4,前5,前6,前7
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4前5,前7
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4前9,前11,前12,前13
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4前10,前13
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4前10,前11,前12,前13
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4前11,前12,前13

評価割合

中間試験期末試験小試験態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合354520000100
基礎的能力0000000
専門的能力354520000100
分野横断的能力0000000