制御工学A

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 制御工学A
科目番号 0103 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 佐藤,平元,平田,はじめての制御工学,講談社,2010年
担当教員 池田 富士雄

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。10% (d1)、
②基本的な関数のラプラス・逆ラプラス変換を求めることができる。20% (c1)、
③伝達関数を説明できる。20% (c1),(d1)、
④ブロック線図を用いてシステムを表現できる。20% (c1),(c2),(d1)、
⑤二次系までのシステムの過渡応答を計算できる。30% (c2),(d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①フィードバック制御の概念フィードバック制御のシステムについて、各構成要素を列挙でき、要素同士の関連を説明できる。フィードバック制御のシステムについて、各構成要素を列挙できる。フィードバック制御のシステムについて、各構成要素を列挙できない。
②ラプラス変換・逆ラプラス変換基本的な関数のラプラス・逆ラプラス変換を定義式より計算することができる。基本的な関数のラプラス・逆ラプラス変換を求めることができる。基本的な関数のラプラス・逆ラプラス変換を求めることができない。
③伝達関数伝達関数の概念を説明でき、与えられた微分方程式から伝達関数を求めることができる。与えられた微分方程式から伝達関数を求めることができる。与えられた微分方程式から伝達関数を求めることができない。
④ブロック線図 数学モデルをブロック線図で表現でき、等価変換により簡単化できる。 ブロック線図を等価変換により簡単化できる。 ブロック線図の等価変換ができない。
⑤システムの過渡応答 二次遅れ系までのシステムの過渡応答が計算でき、時間応答図を描くことができる。 二次遅れ系までのシステムの過渡応答が計算できる。 二次遅れ系までのシステムの過渡応答が計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ロボットや身の回りの機械を自動的に動かすためには、必ず制御工学の知識が必要となる。制御工学はモノを操ることを対象としているため、機械分野だけでなく全ての工学分野に関わっており、さらには医療や経済分野など様々な分野でも応用されている。本授業では制御工学の基礎理論である古典制御理論を中心に、現実問題に即したモデルのフィードバック制御の基礎を身につけることを目的とする。
○関連する科目:制御工学B(後期履修)
授業の進め方・方法:
適宜、授業内容に沿った小テストを行い、理解の定着のため課題レポートを課す。
注意点:
基礎知識として必要不可欠なのは、数学に関しては基本的な微分・積分、指数・対数、複素数、三角関数、物理は剛体の力学、電気はオームの法則である。制御は現実のシステムをモデル化し、数式化して表すので、特に数学の知識が重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 自動制御とは システムの数学モデル、フィードフォワード制御、フィードバック制御について説明できる。
2週 システムの数学モデル1(機械系の運動方程式) 機械系のシステムの数学モデル(運動方程式)を立式できる。
3週 システムの数学モデル2(電気系の運動方程式) 電気系のシステムの数学モデルを立式できる。
4週 システムの数学モデル3(機械-電気系の運動方程式) 機械-電気系のシステムの数学モデルを立式できる。
5週 伝達関数とラプラス変換1 基本的な関数のラプラス変換を定義式から計算できる。
6週 伝達関数とラプラス変換2 ラプラス変換を用いて数学モデルから伝達関数を導くことができる。
7週 伝達関数とブロック線図 伝達関数をブロック線図で表現し、等価変換により簡単化できる。
8週 中間試験 試験時間:80分
2ndQ
9週 動的システムの応答特性 システムの過渡応答について説明できる。
10週 極と安定性 システムの極と安定性の関係を説明できる。
11週 1次遅れ系の過渡応答1 1次遅れ系のインパルス応答を計算できる。
12週 1次遅れ系の過渡応答2 1次遅れ系の単位ステップ応答を計算できる。
13週 2次遅れ系の過渡応答1 2次遅れ系のインパルス応答を計算できる。
14週 2次遅れ系の過渡応答2 2次遅れ系の単位ステップ応答を計算できる。
15週 期末試験 試験時間:80分
16週 試験解説と発展授業 試験内容と結果を振り返り、理解不足の内容を補う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4

評価割合

試験(中間)試験(期末)小テスト課題態度合計
総合評価割合303515155100
基礎的能力000000
専門的能力303515155100
分野横断的能力000000