物理学ⅡA

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理学ⅡA
科目番号 0123 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 石井 良博,電気磁気学,コロナ社,2000年
担当教員 大石 耕一郎

到達目標

(科目コード:11091,英語名:Physics IIA)
この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる.この科目の到達目標と,各到達目標と長岡高専の学習・教育目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連で次に示す。
① クーロンの法則並びに電界と電位差(電圧)の関係を理解する。20% (c1)
② ガウスの定理により、電界,電位差と電荷分布の関係を理解し、その求め方を習得する。70% (c1)
③ 静電容量と比誘電率について理解する。10% (c1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的な到達レベルに加え、電界及び電位,電位差の定義を説明することができる。最低限の到達レベルに加え、クーロンの法則を用いて静電力のベクトル計算をすることができる。点電荷による電界と電位を求めることができる。点電荷による電界や電位を求めることができない。
評価項目2標準的な到達レベルに加え、電界と電位差の関係式の微分形及びガウスの定理の微分形を用いて電界,電位差と電荷分布の関係を求めることができる。最低限の到達レベルに加え、電界と電位差の関係式から、電位または電位差を求めることができる。対称性の高い電荷分布に対してガウスの定理の積分形を適用し、電界を求めることができる。ガウスの定理及び電界と電位差の関係式の計算に必要な微分・積分を習得していない。
評価項目3標準的な到達レベルに加え、平行導線間の静電容量や、単なる直・並列ではないコンデンサの組み合わせの合成静電容量を求めることができる。最低限の到達レベルに加え、平行平板電極,同心導体球電極及び同軸円筒電極間の静電容量を求めることができる。静電容量の定義及び比誘電率の定義を示すことができる。また、電極間に誘電体が挿入されたときに静電容量がどうなるかを説明することができる。静電容量の定義及び比誘電率の定義を示すことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
静電界を中心とした電気磁気学について学習する。物理学Iで学習していない電気磁気学をカバーすることにより、初等物理学全般の習得を目的とする。
関連する科目:物理学ⅡB(後期履修)
授業の進め方・方法:
授業計画に沿って、基本的に講義形式で実施する。レポート(宿題)は、8通程度出題する。また、適宜、演習等を行う。レポートや演習について、授業中に学生に説明させることがある。
注意点:
微分・積分,偏微分とベクトル(内積・外積)及びベクトル解析(スカラー場・ベクトル場,線積分・面積分)の数学を必要とする。試験では静電界を解析的に解くことになるので、定義式の明示はもとより、状況及び条件の記述を重視する。電気回路で扱った用語や素子に関する物理現象を学習するので、それらをイメージしながら学習を進めて欲しい。
レポート提出の締切超過は減点、未提出は0点とする。また、他者のコピーとみなしたレポートは、オリジナル,コピーを問わず、共に減点する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 点電荷とクーロンの法則 点電荷とクーロンの法則及び重ねの理について理解する。
2週 電界,電気力線 電界の定義と電気力線の概念を理解する。
3週 電界と電位1 電位及び電位差の定義を理解する。
4週 電界と電位2 電界と電位差の関係式(積分形)を理解する。
5週 等電位面と電気力線 等電位面の概念と、電気力線との関係を理解し、図示することができる。
6週 ガウスの定理1 ガウスの定理(積分形)を理解する。対称性の高い電荷分布に適用し、解析的に解く方法を習得する。
7週 ガウスの定理2 対称性の高い電荷分布にガウスの定理の積分形を適用し、解析的に解く方法を習得する。さらに、電界と電位差の関係式の積分形から電位分布を求める方法を習得する。
8週 ガウスの定理3 ガウスの定理のの積分形及び電界と電位の関係式の積分形から、電荷分布と電界,電位(差)の関係を理解する。
2ndQ
9週 静電誘導,静電しゃへい 導体の性質を理解する。
10週 電界と電位3(微分形) 電界と電位差の関係式の微分形を理解する。
11週 ガウスの定理4(微分形) ガウスの定理の微分形を理解する。微分形で、電位分布と電界及び電荷分布の関係を理解する。
12週 ポアソン及びラプラスの式 ポアソン及びラプラスの式を導出する。静電界を微分形で解く方法を習得する。
13週 静電容量 平行平板電極,同心導体球電極及び同軸円筒電極間の静電容量を求めることができる。
14週 誘電体:比誘電率 電極間に誘電体が挿入されたときに静電容量がどうなるかを説明することができる。
15週 まとめと発展授業
16週 期末試験
17週:試験解説
試験時間:80分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。4前7,前8
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4前7,前8
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4前1
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。4前11,前12
合成関数の導関数を求めることができる。4前11,前12
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。4前11,前12
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。4前7,前8
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4前3,前6,前7,前8
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4前7,前8
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。4前10,前11,前12
自然科学物理電気電場・電位について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前10,前14
クーロンの法則が説明できる。4前1,前14
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4前1,前14
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前1,前14
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前2,前3,前4,前5,前10,前14
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前6,前7,前8,前11,前12
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前13,前14

評価割合

試験レポートその他合計
総合評価割合75250100
基礎的能力0000
専門的能力75250100
分野横断的能力0000