電気電子材料Ⅱ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子材料Ⅱ
科目番号 7 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 森北出版「電気・電子材料」 基礎電気・電子工学シリーズ 5 著者:日野 太郎、森川 鋭一、串田 正人
担当教員 平井 誠

到達目標

(科目コード:21631,英語名:Electrical Materials II)
この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と,各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を,到達目標,評価の重み,学習・教育目標との関連の順で次に示す。①誘電体・絶縁材料とその性質を理解する。55%(c2),②磁性材料とその性質を理解する。45%(c2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1誘電体・絶縁体とその性質を詳細に理解する。誘電体・絶縁体とその性質を理解する。誘電体・絶縁体とその性質を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目2磁性材料とその性質を詳細に理解する。磁性材料とその性質を理解する。磁性材料とその性質を概ね理解する。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現在、電気電子材料はエレクトロニクス産業や情報通信分野において大きな役割を担っており、今後もより一層その重要度が増すものと考えられる。本講義では電気電子材料に関する基礎的な現象を定性的に記述することより、原子オーダーで定量的に取り扱うことに重きを置く。そして、学生が演習などを通して自学自習することで物性値を把握し、電気電子材料の諸特性を本質から理解できるようにする。本授業では、超伝導体、絶縁・誘電体、磁性体材料の基礎物性を中心に学習する。
授業の進め方・方法:
新規材料の開発やシステムの創成のために必要となる基本的な物質 (超伝導体、絶縁・誘電体、磁性体) の諸特性に関して、ミクロな観点から講義を行なう。各章の終わりでは演習やレポートを学生に課し、自学自習を行うことで理解度の向上に繋げる。さらに、目に見えない現象を把握するために動画などを利用し、直感的に電気電子材料の本質が学習できるようにする。 この授業は学修単位科目のため、事前・事後学習として「週ごとの到達目標」欄に示す課題などを実施する。
注意点:
普段の講義は板書と配布したプリントをベースに行い、重要な箇所についてはレポートを提出してもらう。また各章の終わりでは演習を実施して理解の手助けとする。講義中は関連事項に関する発問を多くするので、応答ができるように予習と復習をしっかりとしておくこと。また、ノートを上手にまとめるように各自が工夫すること。電気電子材料を学ぶ上では、基礎的な概念をきちんと理解するのが特に重要であり、安易な暗記は禁物である。日々の復習と予習が内容理解の早道である。不明な点は質問し、理解を深めてほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 超伝導材料の性質(1)超伝導現象および BCS 理論 基本的な超伝導現象および BCS 理論について理解する。
課題:超伝導体内部でのクーパー対の挙動について説明する。
2週 超伝導材料の性質(2)超伝導現象の応用 第 1 種と第 2 種超伝導体の特徴および応用例を理解する。
課題:超伝導体の臨界磁界に関する演習
3週 誘電体の性質(1)誘電材料の基礎特性 分極とコンデンサの原理について理解する。
課題:コンデンサ内での分極による電荷の偏りについて図示
4週 誘電体の性質(2)誘電分極の機構と内部電界 分極と電気双極子について理解する。
課題:電気双極子モーメントとそれが作る電場について説明する。
5週 誘電体の性質(3)強誘電体メモリ FeRAM の動作について理解する。
課題:FeRAM の書き込みおよび読み出し動作について図示
6週 誘電体の性質(4)交流電界下における誘電体の諸特性 複素誘電率について理解する。
課題:誘電率の周波数依存性について説明する。
7週 誘電体の性質(5)交流電界下における誘電体の諸特性 誘電正接 tanδ および品質係数 Q について理解する。
課題:誘電損失について説明する。
8週 中間試験 試験時間:80分
2ndQ
9週 磁性材料の性質(1)原子内の電子配置 エネルギー準位と原子内の電子配置について理解する。
課題:電子配置と磁気モーメントについて説明する。
10週 磁性材料の性質(2)磁気発生の仕組み 磁性体材料の基礎特性について理解する。
課題:原子磁気モーメントについて説明する。
11週 磁性材料の性質(3)強磁性体と反強磁性体 強磁性と反強磁性の出現原理を理解する。
課題:各種磁性の出現原理を説明する。
12週 磁性材料の性質(4)常磁性体と反磁性体 常磁性と反磁性の出現原理を理解する。
課題:各種磁性の出現原理を説明する。
13週 磁性材料の性質(5)磁化率と透磁率 永久磁石の種類と BH 積を理解する。
課題:永久磁石の種類と BH 積を説明する。
14週 磁性材料の性質(6)強磁性体の磁化 強磁性材料の磁区と磁壁を理解する。
課題:強磁性体の磁化曲線と磁区について説明する。
15週 磁性材料の性質(7)磁性体粒子の大きさと磁気特性 超常磁性について理解する。
課題:磁性体粒子の大きさと磁区構造について説明する。
16週 期末試験
17週:試験解説と発展授業
試験時間:80分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間試験期末試験レポート合計
総合評価割合404020100
基礎的能力10101535
専門的能力3030565
分野横断的能力0000