科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学
科目番号 0018 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 改訂版化学基礎・改訂版化学(啓林館)/スクエア化学図録(第一学習社), ニューグローバル化学基礎+化学(東京書籍)
担当教員 小川 秀,羽下 秀治

到達目標

(科目コード:00190,英語名:Chemistry)
この科目は長岡高専の教育目標の(A)と主体的に関わる100%(a2)。
この科目の到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連の順で次に示す。
①原子の構造や性質を周期律と関連させて理解する。②化学物質・化学反応を適切な化学式を用いて表記することができる。③物質量の概念を理解し、化学反応の量的関係を捉えることができる。④酸・塩基の性質と中和における量的な取り扱いを理解す。⑤酸化還元反応の基本とそれを応用した電池や電気分解反応を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各原子を構成する陽子・電子・中性子数を周期律と関連させて詳細に理解している。各原子を構成する陽子・電子・中性子数を周期律について理解している。各原子を構成する陽子・電子・中性子数を周期律について概ね理解している。左記に達していない。
評価項目2化学式や化学反応式の詳細を理解し、正しく表せる。化学式や化学反応式を適切に表せる。化学式や化学反応式を概ね適切に表せる。左記に達していない。
評価項目3物質量用いた化学物質の量的関係を詳細に理解している。物質量用いた化学物質の量的関係を理解している。物質量用いた化学物質の量的関係を概ね理解している。左記に達していない。
評価項目4酸・塩基の概念と中和について詳細に理解している。酸・塩基の概念と中和について理解している酸・塩基の概念と中和について概ね理解している。左記に達していない。
評価項目5酸化・還元の概念と酸化還元反応について具体例を含めて詳細に理解できている。酸化・還元の概念と酸化還元反応について具体例を含めて理解できている。酸化・還元の概念と酸化還元反応について具体例を含めて概ね理解できている。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
空気や水をはじめ多くの物質に囲まれて私たちの生活は成り立っている.本学習を通じて身近な物質の性質や中和や酸化還元といった反応を学ぶとともに,現代社会における化学の活用例ついても理解を深める.
 〇関連する科目:化学(次年度履修)
授業の進め方・方法:
黒板を用いた授業形態と合わせ、適宜小テストで基本的事項に関する理解度の確認を行う。必要に応じて演示事実験を行うとともに、中和滴定と電気分解に関してはグループ実験を通して幅広い理解の定着をはかる。
注意点:
化学を学ぶ上での基礎となる化学式・記号・用語を正確に書くように心がけること。中学校の学習内容に加え内容が大きく深まるため、理解を深めるためには問題集や資料集を活用しながら日々予習・復習を行うことが特に重要である。また生じた疑問については期を逃さずに担当教員に質問して欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学基礎 pp.4-17, 導入・物質の分離と精製
代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて理解する。洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて理解する。
2週 pp.18-33, 物質と元素
純物質と混合物の区別ができる。混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。単体と化合物の意味と具体例が説明できる。同素体がどのようなものか説明できる。
3週 pp.34-45, 物質の三態と熱運動・原子
水の状態変化が理解できる。物質の三態とその状態変化を説明できる。物質が原子からできていることが説明できる。
4週 pp.46-47, 原子の電子配置
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。同位体について説明できる。放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。価電子について説明できる。原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。
5週 pp.48-59, イオン・周期表
原子のイオン化について説明できる。代表的なイオンを化学式で表すことができる。元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。イオン式とイオンの名称を説明できる。イオン結合について説明できる。
6週 pp.60-67, イオン結晶
イオン結合性物質の性質が説明できる。イオン性結晶がどのようなものか理解できる。
7週 pp.68-77, 共有結合
共有結合がどのようなものか説明できる。
8週 前期中間試験 (試験時間50分)
2ndQ
9週 試験返却、pp.78-87, 分子からなる物質
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。
10週 pp.88-97, 金属・結晶の分類
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。金属の性質が説明できる。
11週 pp.108-111, 原子量・分子量・式量
原子の相対質量が理解できる。天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを理解できる。分子量・式量がどのような意味をもつか理解できる。
12週 pp.112-119, 物質量1
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。
13週 pp.112-119, 物質量2・pp.120-123, 溶液の濃度
気体の体積と物質量の関係を理解している。電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。
14週 pp.120-123, 溶液のモル濃度
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる
15週 まとめ
(教科書および問題集を使用)
問題演習を通して9~14週の内容を確認する。
16週 前期末試験
17週:試験返却・解説と発展授業
(試験時間50分)
後期
3rdQ
1週 pp.124-135, 化学反応式と量的関係1
反応物、生成物、係数を理解して化学反応式を組み立てることができる。
2週 pp.124-135, 化学反応式と量的関係2
具体的な化学反応における化学量論的な計算をすることができる。
3週 pp.136-141, 酸と塩基
酸・塩基の定義と代表的な酸・塩基の種類を理解しており、それらの価数について説明できる。
4週 pp.142-145, 水素イオン濃度とpH
電離度から酸・塩基の強弱が説明できる。水素イオン濃度とpHの関係を理解しており、水溶液のoHを算出することができる。
5週 pp.146-149, 中和反応と塩・中和の量的関係
中和反応がどのような反応であるか説明できる。また、中和滴定の計算ができる。
6週 pp.150-159, 中和滴定・中和滴定実験
中和滴定のための実験器具および実験操作を理解し、中和滴定を通して未知濃度の酸水溶液の濃度を測定することができる。
7週 後期1~7週のまとめ 化学基礎p.118, 175,176, 180の問題演習を通して後期1~6週の内容を確認する。
8週 後期中間試験 (試験時間50分)
4thQ
9週 試験返却・pp.160-165, 酸化と還元・酸化数
酸化と還元の定義について、酸化数の増減も含め複数の観点から理解している。
10週 pp.166-175, 酸化剤・還元剤と酸化還元反応の量的関係
酸化剤と還元剤の特徴を理解し、酸化還元反応を化学反応式を用いて考えることができる。
11週 pp.176-181, 金属のイオン化傾向と反応性
イオン化傾向について説明できる。金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。
12週 pp.182-193,化学pp.80-84, 酸化還元反応の応用・電池
ダニエル電池についてその反応が説明できる。鉛蓄電池についてその反応が説明できる。代表的な一次電池、二次電池について理解している。
13週 化学pp.108-111, 電気分解
酸化還元反応に基づいて電気分解反応を説明できる。
14週 化学pp.112-115, 電気分解の法則
ファラデーの法則による計算ができる。電気分解の利用として、たとえば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。
15週 後期まとめ
(教科書および問題集を使用)
問題演習を通して後期前半の内容を含め9~14週の学習内容を振返る
16週 学年末試験
17週:試験返却・解説と発展授業
試験時間50分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前3
水の状態変化が説明できる。3前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前4
同位体について説明できる。3前4
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前4
価電子の働きについて説明できる。3前4
原子のイオン化について説明できる。3前5
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前5
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前4
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前5
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前5
イオン結合について説明できる。3前5,前6
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前6
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前6
共有結合について説明できる。3前7,前8
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前9
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前10
金属の性質を説明できる。3前10
原子の相対質量が説明できる。3前10,前11
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前11
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前12
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前11,前13
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前12
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後1
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後1,後2
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前13
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前13
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前13,前14
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3後3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3後3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後4
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後4
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3後4,後5
中和滴定の計算ができる。3後4,後5,後6
酸化還元反応について説明できる。3後9
イオン化傾向について説明できる。3後11
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後11
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後12
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後12
一次電池の種類を説明できる。3後12
二次電池の種類を説明できる。3後12
電気分解反応を説明できる。3後13
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3後14
ファラデーの法則による計算ができる。3後14

評価割合

試験(中間)試験(期末)実験レポートその他の試験ポートフォリオその他合計
総合評価割合4040101000100
基礎的能力40405100095
専門的能力0000000
分野横断的能力0050005