電気数学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気数学
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 田代嘉宏 新編 高専の数学1問題集/小郷 寛・石亀 篤司・小亀 英、基礎からの交流理論/小関 修・光本 真一、基礎電気回路ノートⅡ、電気書院
担当教員 内田 雄大

到達目標

(科目コード:21550,英語名:Electric Mathematics)(授業計画の週は回と読替えること)
この科目は長岡高専の学習・教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①電気基本法則について理解する。25% (c1)(d1)
②正弦波交流の取り扱い、回路素子の性質と働き、基本的直列/並列/直並列回路の解析を修得する。25% (c1)(d1)
③回路における複素数、極座標、三角関数等の表示法を理解する。25% (c1)(d1)
④単相電力、エネルギーについて、その考え方や求め方を理解する。25%(c1) (d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気基本法則を詳細に説明できる。電気基本法則を説明できる。電気基本法則を概ね説明できる。左記に達していない。
評価項目2正弦波交流の取り扱い、回路素子の性質と働き、基本的直列/並列/直並列回路の解析を詳細に説明できる。正弦波交流の取り扱い、回路素子の性質と働き、基本的直列/並列/直並列回路の解析を説明できる。正弦波交流の取り扱い、回路素子の性質と働き、基本的直列/並列/直並列回路の解析を概ね説明できる。左記に達していない。
評価項目3回路における複素数、極座標、三角関数等の表示法を詳細に説明できる。回路における複素数、極座標、三角関数等の表示法を説明できる。回路における複素数、極座標、三角関数等の表示法を概ね説明できる。左記に達していない。
評価項目4複素数の演算および複素インピーダンスを詳細に説明できる。複素数の演算および複素インピーダンスを説明できる。複素数の演算および複素インピーダンスを概ね説明できる。左記に達していない。
評価項目5単相電力、エネルギーについて、その考え方や求め方を詳細に説明できる。 単相電力、エネルギーについて、その考え方や求め方を説明できる。単相電力、エネルギーについて、その考え方や求め方を概ね説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基礎電気回路に関連した演習を行う。電気電子工学の基礎となる数学や電気回路に関する問題の解説と、各自の演習を行う。
○関連する科目:電気電子工学基礎(前年度履修)、基礎電気回路(本年度履修)、電気回路Ⅰ(次年度履修)
授業の進め方・方法:
本科目は毎週課題の提出を行う科目である。授業では教科書の問、章末問題を解く。あるいは、配布したプリントの問題を解く。問題は直流回路、基本交流回路(R、L、C の直列、並列、直並列)、交流回路の複素数、極座標・三角関数・指数関数表示法とフェーザ図、単相電力等の交流回路の基礎に関する問題である。
授業時間において解説や演習を行い、次週までに教科書の指定した範囲を回答し提出する。
注意点:
問題を解くためのノートを用意すること。教科書と関数電卓を持参すること。本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウィルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。
課題提出が期限内にできなかった場合は減点対象とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 直流回路(1) 直流回路のオームの法則およびキルヒホッフの法則を理解する。
2週 直流回路(2) 直流回路のオームの法則およびキルヒホッフの法則を理解する。
3週 正弦波交流の基礎(1) 正弦波交流電圧の発生を理解する。
4週 正弦波交流の基礎(2) 正弦波交流の定義、用語を理解する。
5週 正弦波交流の基礎(3) 正弦波交流の位相差を理解する。
6週 正弦波交流の基礎(4) 正弦波とベクトルとの関係を理解する。
7週 正弦波交流の基礎(5) 正弦波交流の大きさと波形を理解する。
8週 発展授業 発展授業
2ndQ
9週 総合演習 正弦波交流の概要を習得する。
10週 インピーダンス(1) 回路要素の性質と基本関係式について理解する。
11週 インピーダンス(2) RLCの働きについて理解する。
12週 インピーダンス(3) RL直列/並列接続を理解する。
13週 インピーダンス(4) RC直列/並列接続を理解する。
14週 インピーダンス(5) RLC直列/並列接続を理解する。
15週 インピーダンス(6) RLC直並列接続を理解する。
16週 発展授業
発展授業
後期
3rdQ
1週 複素数 複素数について理解する。
2週 正弦波と複素数 正弦波と複素数について理解する。
3週 交流回路の基礎(1) 複素インピーダンスを理解する。
4週 交流回路の基礎(2) 直列接続・並列接続を理解する。
5週 交流回路の基礎(3) RLC直列/並列接続を理解する。
6週 交流回路の基礎(4) RLC直並列接続を理解する。
7週 交流回路の基礎(5) 位相推移器、ブリッジ回路を理解する。
8週 発展授業 発展授業
4thQ
9週 総合演習 交流回路の基礎を習得する。
10週 交流回路の基礎(6) 周波数特性を理解する。
11週 交流回路の基礎(7) RLC直列共振回路を理解する。
12週 交流回路の基礎(8) RLC並列共振回路を理解する。
13週 交流の電力 交流の電力を理解する。
14週 複素電力 複素電力を理解する。
15週 総合演習 交流回路の基礎および交流電力を習得する。
16週 発展授業 発展授業

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前2
分数式の加減乗除の計算ができる。3前1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前2
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前1
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3前2
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3前3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3前5,前7
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3前5,前8
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3前8
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3前9
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前10
角を弧度法で表現することができる。3後1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後2
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3後3,後4
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後12
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
基礎的能力6060
専門的能力4040
分野横断的能力00