電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 0041 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 篠田 庄司、和泉 勲 著、「わかりやすい電子回路」、コロナ社、2016年
担当教員 平井 誠

到達目標

(科目コード:21580, 英語名:Electronic CircuitsⅠ)授業計画の週は回と読替えること
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。①トランジスタの動作原理と等価回路について理解する。 25% (d1)、②バイアス回路について動作原理を理解する。 25% (d1)、③基本的電子回路の等価回路による解析を行い、動作原理を理解する。 25% (d1)、④簡単な応用回路の動作を理解する。 25% (d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1バイポーラトランジスタ、接合型電界効果トランジスタ、MOSFETのそれぞれの動作原理をバンドギャップを用いて説明し、等価回路から電流と電圧の関係を明らかにできる。バイポーラトランジスタ、接合型電界効果トランジスタ、MOFETにおいて等価回路を用いて電圧と電流の関係を説明できる。バイポーラトランジスタ、接合型電界効果トランジスタ、MOFETにおいて等価回路を用いて電圧と電流の関係を概ね説明できる。トランジスタの電圧と電流の関係を理解できない。
評価項目2各種接地方式のバイアス回路において、回路内の各点でのバイアスを求め、回路を動作させるために必要な動作点の条件を提示できる。各種接地方式のバイアス回路において動作点を求めることができる。各種接地方式のバイアス回路において動作点を概ね求めることができる。各種接地方式のバイアス回路で動作点を求めることができない。
評価項目3hパラメータを用いた等価回路を作図し、それを用いて回路全体の電圧増幅率、電流増幅率、入力インピーダンス、出力インピーダンスを求めることができる。hパラメータを用いて等価回路を作図できる。hパラメータを用いて等価回路を概ね作図できる。hパラメータを用いた等価回路を作図できない。
評価項目4負帰還増幅回路の動作原理を理解し、説明することができる。負帰還増幅回路の動作原理を理解することができる。負帰還増幅回路の動作原理を概ね理解することができる。負帰還増幅回路の動作原理が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報化社会といわれる今日の発展をもたらしたのは、エレクトロニクス分野の進歩である。電子回路は、エレクトロニクス分野における応用の基本である。この講義では、アナログ回路の基礎を扱う。特に内容の理解に重点を置く。トランジスタ増幅器の習得を基本とするが、応用として負帰還増幅回路についても解説する。
〇関連する科目:電子回路IIA、IIB(次年度履修)
授業の進め方・方法:
電子回路の基本素子であるダイオードやトランジスタを構成する材料である半導体の物性の説明から始め、最も基本的な要素であるpn接合の原理、それを応用したダイオード、トランジスタの動作原理を説明する。さらにそれら単体を表す等価回路について説明、半導体素子単体の等価回路を用いた増幅回路などの回路全体の電圧、電流の増幅率を求める方法を学ぶ。さらに、それを応用した負帰還回路の動作原理を学び、入力と出力信号の関係を求める方法を学ぶ。教科書に沿って説明し、随時演習問題を解き、学んだ知識の定着を図る。
注意点:
「電子回路I」を学習するうえで、電気回路とその解析方法が基礎的知識として必要となるため、「基礎電気回路」および「電気回路I」の内容をきちんと理解していることが必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の進め方。電子回路概論 授業の進め方、電子回路の用途を理解し、説明できる。
2週 半導体材料 半導体の性質を説明できる。
3週 PN接合 PN接合の性質を説明できる。
4週 ダイオードと整流回路 ダイオードの特徴を説明できる。
5週 トランジスタ バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。
6週 トランジスタ回路の動作点1 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
7週 トランジスタ回路の動作点2 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
8週 前期中間試験 試験時間:50分
2ndQ
9週 増幅回路の基礎 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
10週 増幅回路の動作 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
11週 演習 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
12週 接合型FET 1 FETの特徴と等価回路を説明できる。
13週 接合型FET 2 FETの特徴と等価回路を説明できる。
14週 MOSFET 1 FETの特徴と等価回路を説明できる。
15週 MOSFET 2 FETの特徴と等価回路を説明できる。
16週 前期末試験
17週:試験解説と発展授業
試験時間:50分
後期
3rdQ
1週 hパラメータを用いた回路解析 1 トランジスタの動作原理、バイアス回路、等価回路を理解し、電圧増幅度の計算ができる。
2週 hパラメータを用いた回路解析 2 トランジスタの動作原理、バイアス回路、等価回路を理解し、電圧増幅度の計算ができる。
3週 増幅回路の特性変化 利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
4週 増幅回路の周波数特性1 利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
5週 増幅回路の周波数特性2 利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
6週 増幅回路の周波数特性 3 利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
7週 演習 利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
8週 後期中間試験 試験時間:50分
4thQ
9週 各種増幅回路1 各種増幅回路の動作原理を説明できる。
10週 各種増幅回路2 各種増幅回路の動作原理を説明できる。
11週 演習 各種増幅回路の動作原理を説明できる。
12週 各種増幅回路3 各種増幅回路の動作原理を説明できる。
13週 演習 各種増幅回路の動作原理を説明できる。
14週 各種増幅回路4 各種増幅回路の動作原理を説明できる。
15週 演習 各種増幅回路の動作原理を説明できる。
16週 後期末試験
17週:試験解説と発展授業
試験時間:50分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前4,前8,前15,前16
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前12,前13,前14,前15,前16
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4後3,後4,後5,後6,後7
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4前6,前7,前8,前9,前10,前11,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

前期中間試験前期末試験後期中間試験後期末試験合計
総合評価割合25252525100
基礎的能力555520
専門的能力2020202080
分野横断的能力00000