到達目標
(科目コード:10130, 英語名:Differential and Integral Calculus II)
この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育到達目標との関連の順で次に示す。
① 定積分・不定積分の定義を理解し、その計算に習熟する。40%(c1)、
② 面積、体積、曲線の長さの定積分を使った求め方を理解し、求められるようにする。30%(c1)、
③ 広義積分、変化率などの積分に関連する事項について理解を深める。10%(c1)、
④ 関数の展開について理解を深める。20%(c1)。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 定積分・不定積分の定義を詳細に理解し、計算ができる。 | 定積分・不定積分の定義を理解し、計算ができる。 | 定積分・不定積分の定義を概ね理解し、計算が概ねできる。 | 左記に達していない。 |
評価項目2 | 面積、体積、曲線の長さの定積分を使った求め方を詳細に理解し、求められる。 | 面積、体積、曲線の長さの定積分を使った求め方を理解し、求められる。 | 面積、体積、曲線の長さの定積分を使った求め方を概ね理解し、概ね求められる。 | 左記に達していない。 |
評価項目3 | 広義積分、変化率などの積分に関連する事項について詳細に理解し、計算ができる。 | 広義積分、変化率などの積分に関連する事項について理解し、計算ができる。 | 広義積分、変化率などの積分に関連する事項について概ね理解する。 | 左記に達していない。 |
評価項目4 | 関数の展開について詳細に理解し、計算ができる。 | 関数の展開について理解し、計算ができる。 | 関数の展開について概ね理解できる。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
曲線で囲まれた図形の面積や速度の変わる動点の進む道のりなどはどのようにして計算したらよいか、そのような問題に答えてくれるのが本授業で学ぶ定積分である。定積分の実際の計算には微分法の逆算である不定積分が使われる。訓練を通して計算技術を伸ばすことによって、上記の問題のみならず、工学全般への積分法の応用力を養いたい。また、導関数を利用して、関数を多項式により近似する方法についても学ぶ。
○関連する科目:基礎数学C・微分積分Ⅰ(本科2年で履修)、代数幾何(本科2年で履修)、応用数学ⅠAB(本科4年で履修)、統計学(本科4年で履修)
授業の進め方・方法:
適宜、レポートまたは長期休業課題を課する。授業に取り組む態度(質問回数等)や、 1月に行われる国立高等専門学校学習到達度試験CBT「数学」の得点も評価に加味する場合がある。
注意点:
微分の逆算の不定積分が大切な役割を持ってくるので、微分法の復習を充分にしておくこと。計算法を身につけるために、問題演習にしっかり取り組むこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
不定積分の定義・性質 |
不定積分の定義・公式・性質について理解する。
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2週 |
いろいろな不定積分の公式 |
いろいろな不定積分の公式を導き、覚える。
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3週 |
不定積分の置換積分法 |
不定積分の置換積分法について理解し、それを利用して不定積分を求められるようになる。
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4週 |
不定積分の部分積分法 |
不定積分の部分積分法について理解し、それを利用して不定積分を求められるようになる。
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5週 |
分数関数・無理関数の積分 |
分数関数・無理関数の積分の計算方法について理解し、計算できるようになる。
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6週 |
三角関数の積分 |
三角関数の積分の計算方法について理解し、計算できるようになる。
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7週 |
前期中間試験 |
試験時間:50分
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8週 |
定積分の定義 |
試験の確認、及び定積分の定義(区分求積法)について理解する。
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2ndQ |
9週 |
性質、微分積分法の基本定理 |
定積分の性質、及び微分積分法の基本定理について理解する。
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10週 |
定積分の計算 |
不定積分を利用した定積分の基本的な計算方法について理解し、計算できるようになる。
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11週 |
定積分の置換積分法、部分積分法 |
定積分の置換積分法、部分積分法について理解し、それを利用して定積分を計算できるようになる。
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12週 |
定積分の置換積分法、部分積分法の応用 |
定積分の置換積分法、部分積分法の応用について理解し、計算できるようになる。
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13週 |
図形の面積 |
基本的な曲線で囲まれた図形の面積の求め方を理解し、求められるようになる。
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14週 |
曲線の長さ |
曲線の長さの求め方を理解し、求められるようになる。
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15週 |
定積分の発展的内容 |
定積分の発展的内容に関連する内容を理解する。
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16週 |
前期期末試験
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試験時間:50分
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後期 |
3rdQ |
1週 |
立体の体積 |
立体の体積の求め方を理解し、求められるようになる。
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2週 |
回転体の体積 |
回転体の体積の求め方を理解し、求められるようになる。
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3週 |
媒介変数表示による図形 |
媒介変数表示による図形について、面積や曲線の長さ、回転体の体積の求め方を理解する。
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4週 |
極座標による図形(1) |
極座標の概念、直交座標との関係について理解する。
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5週 |
極座標による図形(2) |
極座標による図形について、面積や曲線の長さの求め方を理解する。
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6週 |
演習 |
いろいろな図形について、面積、曲線の長さ、立体の体積などの計算力を高める。
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7週 |
後期中間試験 |
試験時間:50分
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8週 |
試験の返却と解説、広義積分 |
試験の確認、及び広義積分の概念を理解し、計算できるようになる。
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4thQ |
9週 |
変化率と積分 |
座標・速度・加速度の関係や変化率について、積分を利用した考え方を理解する。
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10週 |
関数の多項式による近似 |
関数を多項式によって近似する方法について理解する.
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11週 |
数列の極限、級数 |
数列の極限、級数の定義を理解し、極限の計算ができるようになる。
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12週 |
べき級数とマクローリン展開 |
べき級数とマクローリン展開について理解する。
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13週 |
オイラーの公式 |
オイラーの公式について理解し、複素数の扱いに慣れる。
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14週 |
演習 |
広義積分、変化率と積分、関数の展開について、計算力を高める。
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15週 |
関数の展開の発展的内容 |
関数の展開について関連する内容を理解する。
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16週 |
期末試験 17週:試験解説・発展授業 |
試験時間:50分
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。 | 3 | 後11 |
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。 | 3 | 後11 |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | 前1,前2 |
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。 | 3 | 前3,前4 |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | 前8,前15,前16 |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 3 | 前5,前6,前12,前14,前15,前16 |
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。 | 3 | 前1,前13,前15,前16,後3,後5,後6 |
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。 | 3 | 前14,前15,前16,後3,後5,後6 |
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後6 |
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。 | 3 | 後10 |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 3 | 後12 |
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。 | 3 | 後13 |
評価割合
| 前期中間試験 | 前期期末試験 | 後期中間試験 | 学年末試験 | 春休み課題 | 春休み課題試験 | 夏休み課題 | 夏休み課題試験 | 通常課題 | 合計 |
総合評価割合 | 19 | 19 | 19 | 19 | 4 | 4 | 4 | 4 | 8 | 100 |
基礎的能力 | 19 | 19 | 19 | 19 | 4 | 4 | 4 | 4 | 8 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |