システム制御工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 システム制御工学
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 足立 修一,制御工学の基礎,東京電機大学出版局,2016年
担当教員 管野 政明,和久井 直樹

到達目標

(科目コード:21521,英語名: Systems and Control Engineering)(授業計画の週は回と読替えること)
この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①ラプラス変換による回路方程式の解法を通して,線形システムのインパルス応答関数と伝達関数を理解する. 35% (c2)
②線形システムの伝達関数の基本要素,周波数伝達関数,ベクトル軌跡,ボード線図を理解する. 35% (c2)
③フィードバック制御系の定常特性,過度特性,および安定判別を理解する. 30% (c2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラプラス変換による回路方程式の解法を通して,線形システムのインパルス応答関数と伝達関数を詳細に理解できる.ラプラス変換による回路方程式の解法を通して,線形システムのインパルス応答関数と伝達関数を理解できる.ラプラス変換による回路方程式の解法を通して,線形システムのインパルス応答関数と伝達関数を概ね理解できる.左記に達していない.
評価項目2線形システムの伝達関数の基本要素,周波数伝達関数,ベクトル軌跡,ボード線図を詳細に理解できる.線形システムの伝達関数の基本要素,周波数伝達関数,ベクトル軌跡,ボード線図を理解できる.線形システムの伝達関数の基本要素,周波数伝達関数,ベクトル軌跡,ボード線図を概ね理解できる.左記に達していない.
評価項目3フィードバック制御系の定常特性,過度特性,および安定判別を詳細に理解できる.フィードバック制御系の定常特性,過度特性,および安定判別を理解できる.フィードバック制御系の定常特性,過度特性,および安定判別を概ね理解できる.左記に達していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
多くの工業機器・工業システムにはフィードバック制御の機能が様々の形で取り入れられており、制御工学は工学分野の重要な技術となっている。この制御工学の基本概念を十分に理解し、その基礎を固めることを目的とする。システム制御工学では、時間関数のラプラス変換によって表現される伝達関数あるいは周波数伝達関数を用い、制御系の解析を行う古典制御理論について学習する。
○関連する科目:数学(1~3年次履修)、電気回路(3~4年次で履修)
授業の進め方・方法:
教科書の該当箇所をよく読んだ上で授業に臨むこと。理解を深めるために、毎回授業中に演習問題を解答し提出する。この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として「週ごとの到達目標」欄に示すレポート課題などを実施する。
注意点:
制御工学はその性格上数学という道具が必須であるので、ラプラス変換、複素数、ベクトル軌跡、行列演算に関する基礎的な知識を有していることが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 導入 : フィードバック制御とは
教科書該当箇所 : 第1章
フィードバック制御の目的と基本的な考え方が説明できる。
(課題)フィードバック制御の必要性を説明せよ。
2週 複素数・ラプラス変換
教科書該当箇所 : §2.1, §2.2.1
ラプラス変換が理解できる。
(課題)ラプラス変換を説明せよ。
3週 ラプラス変換による回路方程式の解法
教科書該当箇所 : §2.2.1
ラプラス変換による回路方程式の解法が理解できる。
(課題)ラプラス変換による回路方程式の解法を説明せよ。
4週 線形システムとインパルス応答・伝達関数
教科書該当箇所 : 第3章,§4.1
線形システムの性質とインパルス応答、伝達関数が理解できる。
(課題)線形システムの性質とインパルス応答、伝達関数を説明せよ。
5週 線形システムの基本要素
教科書該当箇所 : §4.2
線形システムの基本要素が理解できる。
(課題)線形システムの基本要素の性質を説明せよ。
6週 ブロック線図
教科書該当箇所 : §4.3
システムのブロック線図と基本的な変形を理解できる。
(課題)ブロック線図と基本的な変形を説明せよ。
7週 周波数応答の原理・周波数伝達関数
教科書該当箇所 : §5.1
周波数応答の原理が理解できる。
(課題)周波数応答の原理を説明せよ。
8週 ボード線図・ナイキスト線図・基本要素の周波数伝達関数(1)
教科書該当箇所 : §5.2,§5.3.1,§5.3.2
ボード線図・ナイキスト線図が理解できる。
(課題)ボード線図・ナイキスト線図を説明せよ。
4thQ
9週 基本要素の周波数伝達関数(2)
教科書該当箇所 : §5.3.3~§5.3.7
基本要素の周波数伝達関数が理解できる。
(課題)基本要素の周波数伝達関数を説明せよ。
10週 ボード線図の読み方・フィードバック制御とフィードフォワード制御
教科書該当箇所 : §5.4,第8章
フィードバック制御とフィードフォワード制御が理解できる。
(課題)フィードバック制御とフィードフォワード制御の違いを説明せよ。
11週 システムの安定性
教科書該当箇所 : §9.1~§9.3
システムの安定性の意味が理解できる。
(課題)システムの安定性を説明せよ。
12週 ラウスの安定判別法・フルビッツの安定判別法
教科書該当箇所 : §10.1
ラウスの安定判別法ないしはフルビッツの安定判別法により安定を判定できる。
(課題)ラウスの安定判別法ないしはフルビッツの安定判別法により安定性を判別せよ。
13週 ナイキストの安定判別法によるフィードバック制御系の安定性の判別・安定余裕
教科書該当箇所 : §10.2,§10.4,§10.5
フィードバック制御系の安定余裕が理解できる。
(課題)フィードバック制御系の安定余裕を説明せよ。
14週 内部安定性・過渡応答
教科書該当箇所 : §10.3,§11.1〜§11.3
フィードバック制御系の内部安定性と過度特性が理解できる。
(課題)フィードバック制御系の安定余裕と過度特性を説明せよ。
15週 フィードバック制御系の定常特性
教科書該当箇所 : §12.1~§12.3
フィードバック制御系の定常特性が理解できる。
(課題)フィードバック制御系の定常特性を説明せよ。
16週 期末試験
17週:試験解説・発展授業
試験時間:80分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4後4,後5
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4後6,後7
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4後14
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4後15
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後8,後9,後10
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4後12,後13,後14

評価割合

試験演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000