この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①基本指示計器の動作原理と測定可能範囲を理解する。25%(c2)、②電流・電圧測定における問題点を理解し、その対策法を修得する。25%(c2)、③電力、電力量測定の基本原理とその誤差対策を理解する。25%(c2)、④抵抗・インピーダンス測定における問題点を理解し、その対策法を修得する。25%(c2)。
概要:
現代の電気電子工学のすばらしい発展の基をなしているものは電気電子計測であって、しかも電気電子工学のいずれの分野でも計測に関係しないところはほとんどない。従って、電気電子計測は電気電子工学を学ぶ学生にとって最も重要な基礎科目の一つである。本授業では、現在製造されている多数の計測器や測定方法等の羅列ではなく、主として計測器の共通的原理や電気電子計測の基礎的事項を理解することを目的とする。
○関連する科目:数学,電気電子工学基礎(1年),基礎電気回路(2年),電気数学(2年)
授業の進め方・方法:
適宜授業内容に沿った小テストを行い、理解程度を把握するとともに、学力の向上に努める。
注意点:
指示計器の基本は、人間の5感で感じられない電気的な量で機械的なメータを振らせることにある。従って、一般物理の知識(特に力と物体の運動、電気と電流の作用)が必要不可欠である。また、2年の「基礎電気回路」の内容をもう一度復習してから受講することが望ましい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
測定値と誤差 |
誤差と補正を理解し、誤差百分率の概念をうる。
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2週 |
測定値の処理、誤差の伝搬 |
誤差の伝搬則を理解し、有効数字の概念をうる。
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3週 |
電気計器、電子計器 |
計測手段の各種分類方法を理解する。
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4週 |
可動コイル形計器1 |
稼働コイル型景気を動作原理を理解する。周期関数の平均値を定義式から算出する。
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5週 |
可動コイル形計器2 |
分流器・倍率器を用いいた測定範囲の拡大を理解する。
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6週 |
可動鉄片形計器 |
可動鉄片形計器の動作原理を理解し、定義式より実効値の算出手法を学ぶ。
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7週 |
前期中間試験 |
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8週 |
電流力計形計器・整流形計器 |
電流力計形計器・整流形計器の動作原理を理解する。
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2ndQ |
9週 |
熱電形計器・静電型計器 |
熱電形計器・静電型計器の動作原理を理解する。
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10週 |
誘導形計器 |
誘導形計器の動作原理を理解する。
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11週 |
電流・電圧測定 |
指示計器を用いた電流・電圧測定についてのまとめを行う。
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12週 |
高電圧の測定 |
容量型変圧器、PT(計器用変圧器)を用いた高電圧の測定手法を理解する。
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13週 |
大電流の測定 |
CT(計器用変流器)等を用いた大電流測定手法を理解する。
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14週 |
特殊な測定法 |
ピーク値測定等の特殊測定手法及び、電子式計器の基礎を理解する。
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15週 |
試験解説と発展授業 |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
直流電力・単相交流電力の測定 |
直流電力・単相交流電力の測定手法を理解する。
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2週 |
三相交流電力・無効電力の測定 |
三相交流電力・無効電力の測定手法を理解する。
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3週 |
力率の測定 |
力率の測定手法を理解する。
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4週 |
電力量計 |
移動磁界による駆動トルクの発生原理を理解する。
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5週 |
電力量計 |
移動磁界を用いた電力量計の動作原理を理解する。
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6週 |
後期中間試験 |
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7週 |
中位抵抗の測定 |
電圧降下法、テスター等による中位抵抗の測定手法を理解する。
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8週 |
低抵抗の測定 |
4端子測定、ダブルブリッジ法等の底抵抗測定手法を理解する。
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4thQ |
9週 |
高抵抗の測定 |
高抵抗測定の原理を理解する。
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10週 |
特殊抵抗の測定 |
接地抵抗、電解液、半導体ウェハー等の低効率(導電率)測定す湯法を理解する。
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11週 |
インピーダンス測定1 |
ブリッジ、Qメータを用いたインピーダンス測定手法を理解する。
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12週 |
磁束・磁界の測定 |
磁針、ホール素子を用いた磁束・磁界の測定手法を理解する。
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13週 |
磁化特性と鉄損 |
エプスタイン法による鉄損の測定手法を理解する。
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14週 |
波形の観測と記録 |
オシロスコープの動作原理と観測手法を理解する。
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15週 |
試験解説と発展授業 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 3 | 前1 |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 3 | 前4 |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | 前5 |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | 前5 |
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。 | 3 | 前5 |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 3 | 後8 |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 後1,後5 |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 3 | 前6,前8,前9,前10 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 前4,前5,前6,前8,前9,前10 |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 3 | 前6 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | 後11 |
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 3 | 後1 |
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 3 | 後1 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 3 | 後1 |
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。 | 3 | 後1 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | 後2 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | 後2 |
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。 | 3 | 後2 |
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。 | 3 | 後2 |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 2 | 後11 |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 2 | 後11 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 後1 |
電磁気 | 静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 3 | 後11 |
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。 | 3 | 後11 |
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。 | 3 | 後12 |
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。 | 3 | 後12 |
磁気エネルギーを説明できる。 | 1 | 後12 |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 2 | 後2 |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 1 | 後2 |
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。 | 1 | 前12,前13 |
計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 3 | 前3 |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 3 | 前1,前2 |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 3 | 前2 |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 3 | 前2 |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 3 | 前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11 |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 3 | 前5 |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 3 | 前14 |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 3 | 後8 |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 3 | 後11 |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 3 | 後5 |
電力量の測定原理を説明できる。 | 3 | 後4,後5 |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 3 | 後14 |
オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。 | 3 | 後14 |