電気電子応用工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気電子応用工学
科目番号 0101 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 不使用
担当教員 菊池 崇志,鈴木 達也,高橋 一匡,村上 健太,太田 朋子,竹澤 宏樹,蔦 将哉

到達目標

(科目コード:21392,英語名:Applied Electrical Engineering)授業計画の週は回と読替えること
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
① 原子力発電の概要を理解する。30% (d1)
② 核燃料によるエネルギー取り出し方法を理解する。20% (d1)
③ 放射線の発生,利用,遮蔽方法を理解する。20% (d1)
④ 核融合の概要を理解する。30% (d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベル未到達レベルの目安
評価項目1原子力発電の概要を詳細に理解できる。原子力発電の概要を理解できる。原子力発電の概要を概ね理解できる。左記に達していない。
評価項目2核燃料によるエネルギー取り出し方法を詳細に理解できる。核燃料によるエネルギー取り出し方法を理解できる。核燃料によるエネルギー取り出し方法を概ね理解できる。左記に達していない。
評価項目3放射線の発生、利用、遮蔽方法を詳細に理解できる。放射線の発生、利用、遮蔽方法を理解できる。放射線の発生、利用、遮蔽方法を概ね理解できる。左記に達していない。
評価項目4核融合の概要を詳細に理解できる。核融合の概要を理解できる。核融合の概要を概ね理解できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気電子応用工学では、原子核の反応、分裂と融合、放射線の発生と利用およびこの発電への応用方法について学習する。核分裂は、化学反応に比べて単位重量あたり5-6桁上のエネルギーを発生し、温室効果ガスを発生しない発電方法として世界の電力供給の多くを担っているエネルギー源である。また、核融合は、核分裂と同様な高いエネルギー密度を有する上、海から得られる水素を燃料として使える可能性がある未来の夢のエネルギー源となりうる。一方、放射線、放射性同位元素崩壊熱、核分裂の臨界など、社会や環境に悪影響を与える可能性も有する諸刃の剣である。これを正しく理解し、活用することによって、他では得られないような電力、医療、材料分野への応用手法を理解し身につけることを目的とする。
○関連する科目:電磁気学A、B(前年度履修)、エネルギー工学(前期履修)、レーザ応用工学(専攻科科目)
授業の進め方・方法:
この授業は学修単位科目のため、事前・事後学習として「週ごとの到達目標」欄に示す課題などを実施する。
注意点:
電気電子応用工学は、電磁気学、発電機器、熱力学の基礎の上に構成される。これまで学んだことを復習しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 原子核と核融合 核融合について理解できる。
(課題)核融合とは何か? 核融合反応を起こす方法を示せ.原子核の衝突に必要な静電ポテンシャルはいくらか?
2週 プラズマ プラズマについて理解できる。
(課題)相変化を答えよ。プラズマとは何か?自然界のプラズマ,人工のプラズマを挙げよ。
3週 プラズマの生成 プラズマの発生について理解できる。
(課題)放電の種類を答えよ。プラズマ生成のための電源回路を答えよ。
4週 核融合発電 核融合発電について理解できる。
(課題)核融合発電の良いところを説明せよ。
5週 核融合発電の関連技術〜レーザー編〜 レーザーとその応用について理解できる。
(課題)レーザーの特性について説明せよ。
6週 核融合発電の関連技術〜ビームと加速器編〜 ビームの発生方法、応用について理解できる。
(課題)ビームの加速方法について説明せよ。
7週 原子核の構造と原子核エネルギー 原子核の構造と原子力のエネルギーの由来について理解できる。
(課題)質量欠損とエネルギーの関係を説明せよ。
8週 核分裂の仕組みと原子炉 核分裂と原子炉の仕組みについて理解できる。
(課題)原子核の結合エネルギーと熱核分裂性核種について説明せよ。
4thQ
9週 核燃料の製造 核燃料の製造について理解できる。
(課題)原子力では、元素レベルではなく、同位体レベルで考えることが重要である。その理由を、例を挙げて説明しなさい。
10週 放射性廃棄物とその処理方法 放射性廃棄物とその処理方法について理解できる。
(課題)高レベル放射性廃棄物とはなにか。
11週 原子炉の安全設計 軽水炉の状態毎の安全設計の概要について理解できる。
(課題)軽水炉の設計基準事故とは何か説明せよ。
12週 放射線の生体への影響と遮蔽 放射線の生体への影響と遮蔽について理解できる。
(課題)放射線の生体への影響と遮蔽について説明せよ。
13週 地震と環境放射能 地震・地すべりと環境放射能の係わりを理解できる。
(課題)環境放射能と地震・地すべりの係わりを述べよ
14週 原子炉の物理 中性子の減速と核分裂の連鎖反応について理解できる。
(課題)原子炉の臨界と、原子炉を臨界とするための設計上の工夫について説明せよ。
15週 多様な原子力システム 発電用原子炉の代表例である軽水炉や新型原子炉など、多様な原子力システムの特徴について理解できる。
(課題)国内で運用されている軽水炉(沸騰水型、加圧水型)の構成の共通点・相違点について説明せよ。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4

評価割合

レポート小テスト・演習合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000