電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 0103 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気学会編、基礎からの交流理論、オーム社、2002
担当教員 長部 恵一

到達目標

この科目は長岡高専の学習・教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
① 相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。及び理想変成器を説明できる。 25% (d1)
② 網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。 25% (d1)
③ 重ねの理を説明し、交流回路の計算に用いることができる。 5% (c2)
④ 重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。 20% (c2)
⑤ 三相交流回路について理解できる。 25% (e1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。及び理想変成器を説明できる。相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算が概ねできる。及び理想変成器を概ね説明できる。左記に達していない。
評価項目2網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算が概ねできる。左記に達していない。
評価項目3重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。重ねの理を説明し、直流回路の計算に概ね用いることができる。左記に達していない。
評価項目4重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることが概ねできる。左記に達していない。
評価項目5三相交流回路について理解できる。三相交流回路について概ね理解できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 c2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 d1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 e1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
2 年次の基礎電気回路に引き続いて、交流回路の基礎である相互インダクタンスと変成器、グラフ理論の基礎、回路の諸定理、多相交流について学修する。
○関連する科目:基礎電気回路(前年度履修),電気電子理論演習(前年度履修), 電気磁気学A(次年度履修), 電気回路ⅡA(次年度履修), 電子回路A(次年度履修)
授業の進め方・方法:
誰にでもわかりやすい電気回路の講義を行う。講義を複数回行った後、演習問題を配布する。演習は講義中に行う場合とレポートとして課す場合があり、レポートは成績の10%の重みを持つ。
注意点:
数学の基礎知識(三角関数、微積分等)及び電気電子理論Ⅰの内容理解が必要である。授業内でこれら数学、回路基礎について補充はするが、自ら主体的に復習等を行うことが望ましい。また、教科書内の演習問題は例題を含めすべて自分で解いてみることが大事である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 相互インダクタンスと変成器、基礎式 相互インダクタンスの原理を理解する。
2週 変成器のエネルギーと結合係数 変成器のエネルギー移動と結合係数を理解する。
3週 交流回路での変成器 交流回路における変成器の記号と極性について理解する。
4週 T 型等価回路 変成器のT型等価回路について理解する。
5週 結合回路 変成器の結合回路について理解する。
6週 理想変成器 理想変成器について理解する。
7週 前期中間試験 試験時間:50分
8週 答案返却と試験解説 試験内容の解説により理解を深める。
2ndQ
9週 有向グラフと回路方程式 有向グラフと回路方程式を理解する。
10週 閉路方程式 閉路方程式を理解する。
11週 クラメールの公式 クラメールの公式を理解する。
12週 節点方程式 節点方程式を理解する。
13週 電力保存則 電力保存則を理解する。
14週 回路の諸定理、重ねの理 回路の諸定理、重ねの理を理解する。
15週 前期期末試験 試験時間:50分
16週 試験解説と発展授業 試験内容の解説により理解を深める。
後期
3rdQ
1週 可逆定理、補償定理 可逆定理、補償定理を理解する。
2週 テブナンの定理とノートンの定理 テブナンの定理とノートンの定理を理解する。
3週 定抵抗回路、逆回路、双対回路 定抵抗回路、逆回路、双対回路を理解する。
4週 最大電力伝達定理 最大電力伝達定理を理解する。
5週 三角結線と星形結線の等価変換、円線図 三角結線と星形結線の等価変換、円線図を理解する。
6週 円線図 円線図を理解する。
7週 後期中間試験 試験時間:50分
8週 多相交流、三相交流の基礎 多相交流、三相交流の基礎を理解する。
4thQ
9週 三相交流の表示法、回路の結線法 三相交流の表示法、回路の結線法を理解する。
10週 星形結線と電圧、電流の関係 星形結線と電圧、電流の関係 を理解する。
11週 三角結線と電圧、電流の関係 三角結線と電圧、電流の関係を理解する。
12週 平衡三相回路 平衡三相回路を理解する。
13週 V 結線 V 結線を理解する。
14週 回転磁界 回転磁界を理解する。
15週 後期期末試験 試験時間:50分
16週 試験解説と発展授業 試験内容の解説により理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4前1,前2,前3
理想変成器を説明できる。4前6
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4

評価割合

前期中間試験前期末試験後期中間試験学年末試験レポート合計
総合評価割合2020203010100
基礎的能力000000
専門的能力2020203010100
分野横断的能力000000