応用数学ⅡA

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用数学ⅡA
科目番号 0117 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 高遠節夫・斎藤斉ほか 4 名著、新訂 線形代数、大日本図書
担当教員 林 豊彦,蔦 将哉

到達目標

(科目コード:21091, 英語名:Applied Mathematics ⅡA) (授業計画の週は回と読替えること)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。①ベクトル、行列に関する基本的な計算が出来る。連立1次方程式の解、行列式の値を求められる。25%(d1)、②線形変換とその表現行列の意味を理解し、線形変換による像を求められる。25%(d1)、③線形変換における固有値・固有ベクトルの意味を理解し、それらを求められる。25%(d1)、④行列が対角化可能かどうか判定出来、可能なときは対角化が出来る。25%(d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル、行列に関する基本的な計算が出来る.連立1次方程式の解、行列式の値を厳密に求められるベクトル、行列に関する基本的な計算が出来る.連立1次方程式の解、行列式の値を求められる。ベクトル、行列に関する基本的な計算が出来る.連立1次方程式の解、行列式の値を概ね求められる。左記に達していない。
評価項目2線形変換とその表現行列の意味を理解し、線形変換による像を厳密に求められるベクトル、行列に関する基本的な計算が出来る.連立1次方程式の解、行列式の値を概ね求められる。ベクトル、行列に関する基本的な計算が出来る.連立1次方程式の解、行列式の値を求められる。左記に達していない。
評価項目3線形変換における固有値・固有ベクトルの意味を理解し、それらを厳密に求められる。線形変換における固有値・固有ベクトルの意味を理解し、それらを概ね求められる。線形変換における固有値・固有ベクトルの意味を理解し、それらを求められる。左記に達していない。
評価項目4行列が対角化可能かどうか判定出来、可能なときは対角化が出来る. 2次形式の標準形を厳密に求められる。行列が対角化可能かどうか判定出来、可能なときは対角化が出来る. 2次形式の標準形を概ね求められる。行列が対角化可能かどうか判定出来、可能なときは対角化が出来る. 2次形式の標準形を求められる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義では、理工学や経済学などへ応用されている数学的方法の土台である「線形代数」の基礎について学ぶ。本科2年において学んだベクトル、行列、行列式の知識を用いながら、線形変換とその表現行列、固有値・固有ベクトルなどの考え方を学び、基本的な計算技術の修得を目指す。さらに、その応用として、行列の対角化、2次形式の標準形について学ぶ。
○関連する科目:応用数学IB(前年度履修),応用数学ⅡB(後期履修)
授業の進め方・方法:
毎回、講義資料を配布する。授業の進度に応じて、理解を深めるための演習を授業中ないしレポート形式で実施する。
中間試験と期末試験による評価となるため、計算法を身につけるために、問題演習にしっかり取り組むこと。
注意点:
本科2年において学習したベクトル、行列、行列式の知識が基礎となるので、十分に復習しておくこと。毎回きちんと予習・復習を行い、授業内容の十分な理解とその定着に努めること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
第1章ベクトル
1. 平面のベクトル
平面ベクトルについて理解する。
2週 2. 空間のベクトル 空間ベクトルについて理解する。
3週 第2章 行列
1. 行列
行列と逆行列について理解する。
4週 2. 連立方程式と行列 連立1次方程式と行列について理解する。
5週 第3章 行列式
1. 行列式の定義と性質
行列式の定義と性質について理解する。
6週 2. 行列式の応用 行列式の応用(展開、逆行列、連立1次方程式、図形的意味)について理解する。
7週 第4章 行列の応用
1. 線形変換1:線形変換の定義とその基本的性質
線形変換の定義とその基本的性質について理解する。
8週 前期・中間試験 試験時間:80分
試験範囲:第1章〜第3章
2ndQ
9週 1. 線形変換2:合成変換と逆変換、回転を表す線形変換、直交行列と直交変換 合成変換と逆変換、回転を表す線形変換、直交行列と直交変換について理解する。
10週 2. 固有値とその応用1:固有値と固有ベクトル 固有値と固有ベクトルについて理解する。
11週 2. 固有値とその応用2:固有値と固有ベクトルの計算 固有値と固有ベクトルの計算について理解する。
12週 2. 固有値とその応用3:行列の対角化 行列の対角化について理解する。
13週 2. 固有値とその応用4:対角化可能な条件 対角化可能な条件について理解する。
14週 2. 固有値とその応用5:対称行列の直交化による対角化 対称行列の直交化による対角化について理解する。
15週 2. 固有値とその応用6:対角化の応用(2次形式の標準形、正方行列のベキ乗) 対角化の応用(2次形式の標準形、正方行列のベキ乗)について理解する。
16週 前期末試験
17週:発展授業
試験時間:80分
試験範囲:第4章

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

前期中間試験前期末試験合計
総合評価割合5050100
基礎的能力5050100
専門的能力000