電気電子システム工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気電子システム工学実験Ⅲ
科目番号 0139 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材
担当教員 樺澤 辰也,長部 恵一,矢野 昌平,田村 文裕

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①回路や電子素子の電圧や電流など電気諸量を、測定器で測定する方法を習得する。:30%<(c1)(c2)(d1)(d2)(d3)(d4)(e1)(e2)(g1)(g2)>
②電気・電子回路の諸定理・現象を、実験を通して理解する。:30%<(c1)(c2)(d1)(d2)(d3)(d4)(e1)(e2)(g1)(g2)>
③実験から得られたデータについて工学的に考察し、報告書やプレゼンテーション等によって説明できる。:40%<(b2)(c1)(c2)(d1)(d2)(d3)(d4)(e1)(e2)(g1)(g2)>

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1回路や電子素子の電圧や電流など電気諸量を,測定器で測定する方法を習得できている。回路や電子素子の電圧や電流など電気諸量を,測定器で測定する方法を概ね習得できている。左記に達していない。
評価項目2電気・電子回路の諸定理・現象を、実験を通して理解している。電気・電子回路の諸定理・現象を、実験を通して概ね理解している。左記に達していない。
評価項目3実験から得られたデータについて工学的に考察し、報告書やプレゼンテーション等によって説明できる。実験から得られたデータについて工学的に考察し、報告書やプレゼンテーション等によって概ね説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 b2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 c1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 c2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 d1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 d2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 d3 説明 閉じる
学習・教育到達目標 d4 説明 閉じる
学習・教育到達目標 e1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 e2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 g1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 g2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
講義を主体とする理論の学習と実験による理論の実証とを有機的に結合させて学習の理解を深め一層の定着を図る。受講に際しては、事前に各テーマの目的を理解し、実験を通して正しい観察力や直感力を身につけてもらう。実験終了後は、直ちに測定データのグラフ化を行い、グラフから読み取れる実験結果に自分なりの検討・考察をまとめる必要がある。
授業の進め方・方法:
各テーマ終了後提出する実験レポートの提出期限の遵守、結果のまとめと考察、課題に対する解答内容により評価する(100%)。最終成績はテーマごとの評価を平均し、科内会議で決定する。なお実験実習であることから全てのテーマに対して出席は必須とし、遅刻・無断欠席した場合には、レポートの評価点を大幅に減点することとする。60 点以上を合格とする。
注意点:
各テーマには、基礎的なことから高度な内容のものまでが含まれている。実験内容で良くわからないことがあれば、どんどん質問することである。この授業が技術者としての基礎的能力や自主性の向上に役立つことを願っている。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 前期で行う実験の概要や注意点、レポート作成方法について理解する。
2週 レポート作成技術① TEXによる報告書の作成を理解する。
TEXの基本的な使い方を理解する。
3週 レポート作成技術② TEXによる報告書の作成を理解する。
数式の書き方を理解する。
4週 レポート作成技術③ TEXによる報告書の作成を理解する。
図、表、画像ファイル、参考文献の挿入方法を理解する。
5週 誘導電動機の速度制御①(直流分巻電動機の速度制御) 分巻電動機の各種速度制御法(界磁、電圧、抵抗制御)を習得する。
6週 誘導電動機の速度制御②(かご形誘導電動機の速度制御(一次周波数制御)) かご形3相誘導電動機の速度を現在広く用いられている可変周波数電源(インバータ)により制御し、その制御方法の習得と定トルク運転時の速度-トルク特性を調べ考察する。
7週 光通信の実験①(光ファイバを用いた通信) 本実験では、光ファイバを用いた通信を行うことにより、光ファイバ通信についての基礎的な事項を理解する。
8週 光通信の実験②(LDやLEDの発光特性や偏波特性) また、LD(レーザダイオード)およびLED(発光ダイオード)の発光特性や偏波特性について学び、LDやLEDの発光特性や偏波特性について理解する。
2ndQ
9週 電力系統に関する実験①(電力円線図) 電力系統の運転特性は電力円線図により明らかにされる。ここでは140〔kv〕、 150〔km〕2回線送電系統の運転特性を計算により求め模擬送電線路で実測を行い、送電について理解する。電力円線図について理解する。
10週 電力系統に関する実験②(運転特性) 模擬送電線の操作概要を理解する。模擬線路を用いて、円線図、運転特性について実験を行い理論値と比較する。
11週 分布定数線路と超高周波デバイスの特性評価①(分布定数回路の理論) 分布定数回路、スミスチャートについて理解する。
12週 分布定数線路と超高周波デバイスの特性評価②(バンドパスフィルタ(BPF)の特性評価) ネットワークアナライザを用いて、伝送線路に接続された負荷の特性および超高周波(ギガヘルツ)デバイスの特性(バンドパスフィルタ(BPF)の特性評価、通過特性、反射特性)を測定する。
13週 PN接合の温度特性①(pn接合の電圧・電流特性) 半導体素子の動作原理を理解するうえで、pn接合の原理を学ぶことは大変重要なことである。本実験ではpn接合の電圧-電流特性と接合容量の温度変化を実験で調べる.特に接合付近のキャリア分布に注目し、材料物性的な面から現象の理解を深める.順方向 電圧-電流特性の測定(室温)、逆方向 電圧-電流特性の測定(室温)、逆バイアス時の接合容量の測定(室温)の測定を行う。
14週 PN接合の温度特性②(発光ダイオードの電-圧電流特性の測定) 発光ダイオードの電-圧電流特性の測定を行う。具体的には、順方向 電圧-電流特性の測定(室温)、順方向 電圧-電流特性の測定(液体窒素温度下)を行う。
15週 発展授業 これまでに行った実験が実社会においてどのように活用されてるのか理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前7,前8,前13,前14
安全を確保して、実験を行うことができる。3前7,前8,前13,前14
実験報告書を決められた形式で作成できる。3前7,前8,前13,前14
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前7,前8,前13,前14
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力2020
専門的能力8080
分野横断的能力00