この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
科目の到達目標 評価の重み 学習・教育到達目標との関連
①電流、電圧の意味、抵抗を使った直並列回路の考え方を理解する。 25% (d1)、
②抵抗の材質と抵抗率、ジュール熱、電力と電力量の関係を理解する。 17% (d1)、
③正弦波交流の性質を理解する。 8% (d1)、
④実験手順書に従って、実験装置を正確に組み立てる技術を習得する。 10% (d2)、
⑤電子工具の使い方を習得し、適切にハンダ付けする技術を習得する。 10% (d3)、
⑥電圧計、電流計、オシロスコープ等の計測器の使い方を習得する。 10% (d2)、
⑦実験結果をまとめ、報告書を作成する能力を身につける。 20% (d4)。
概要:
電子制御工学で学ぶ内容は抽象的な事項が多く、本質的な意味や相互の関連性に関して理解し難いものが多い。これを具体的に認識して理解するには、実験によってその現象を確かめ、理論と比較し、考察する能力が必要となる。このため、前期・前半及び、後期・前半では座学によって基礎的な現象に関する理論を学習するとともに、基礎学力の向上をねらった演習問題を行う。前期・後半及び、後期・後半では実験のための基礎技術を習得しながら実験によってその現象を確認する。理論と実験結果を比較・考察する能力を身につけると共に、実験方法や報告書の作成能力を養う。
○関連する科目:電子制御工学実験Ⅱ(次年度履修)
授業の進め方・方法:
前期、後期とも、中間試験までは講義であり、後半は実験である。講義では、主に、テキストに沿って学習し、適宜、補足説明を加えていく。また、演習問題を解くことで、基礎的内容を習得していく。実験では、小グループに分かれて基礎実験を行い、レポートを提出させている。
注意点:
知識と能力をフルに活用し、座学・演習に取り組むこと。また、自主的かつ能率的に実験を行うこと。実験では、テーマごとに報告書を各自で作成することとなる。提出期限を守らなかった場合は大きく減点されるので、十分注意すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電子と電流 演習問題 |
電子と電流について理解する。演習問題が解けるようになる。
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2週 |
電位、電圧、起電力 演習問題 |
電位、電圧、起電力について理解する。演習問題が解けるようになる。
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3週 |
オームの法則、並列回路 演習問題 |
オームの法則、並列回路について理解する。演習問題が解けるようになる。
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4週 |
直列回路、直並列回路 演習問題 |
直列回路、直並列回路について理解する。演習問題が解けるようになる。
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5週 |
応用回路(1) 演習問題 |
直並列回路の応用回路について理解する。演習問題が解けるようになる。
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6週 |
応用回路(2) 演習問題 |
直並列回路の応用回路について理解する。演習問題が解けるようになる。
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
試験解説と発展授業 |
試験の確認、解説、さらなる発展事項について理解する。
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2ndQ |
9週 |
電気部品の接続(1) |
電気部品の接続について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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10週 |
電気部品の接続(2) |
電気部品の接続について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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11週 |
デジタルマルチメータ(1) |
デジタルマルチメータについて理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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12週 |
デジタルマルチメータ(2) |
デジタルマルチメータについて理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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13週 |
電気抵抗の測定と接続 |
電気抵抗の測定と接続について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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14週 |
オームの法則の実験 |
オームの法則について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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15週 |
まとめ |
全体のまとめを行う。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
抵抗の性質 演習問題 |
抵抗の性質について理解する。演習問題が解けるようになる。
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2週 |
抵抗器とカラーコード 演習問題 |
抵抗器とカラーコードについて理解する。演習問題が解けるようになる。
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3週 |
ジュールの法則 演習問題 |
ジュールの法則について理解する。演習問題が解けるようになる。
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4週 |
電力と電力量 演習問題 |
電力と電力量について理解する。演習問題が解けるようになる。
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5週 |
正弦波交流の性質(1) 演習問題 |
正弦波交流の性質について理解する。演習問題が解けるようになる。
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6週 |
正弦波交流の性質(2) 演習問題 |
正弦波交流の性質について理解する。演習問題が解けるようになる。
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
試験解説と発展授業 |
試験の確認、解説、さらなる発展事項について理解する。
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4thQ |
9週 |
ホイートストンブリッジ |
ホイートストンブリッジについて理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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10週 |
オシロスコープによる波形の観測と電圧値の測定 |
オシロスコープによる波形の観測と電圧値の測定について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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11週 |
LEDの点灯実験と光の三原色 |
LEDの点灯実験と光の三原色
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12週 |
電圧計の測定範囲の拡大(倍率器) |
電圧計の測定範囲の拡大(倍率器)について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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13週 |
導体の抵抗率 |
導体の抵抗率について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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14週 |
電圧降下法 |
電圧降下法について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
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15週 |
まとめ |
全体のまとめを行う。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 専門的能力の実質化 | PBL教育 | PBL教育 | 工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。 | 3 | |
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。 | 3 | |
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。 | 3 | |
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。 | 3 | |
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。 | 3 | |
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。 | 3 | |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 熱 | 物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 2 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 2 | |
電気 | オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。 | 3 | |
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | |
分野別の専門工学 | 機械系分野 | 製図 | 部品のスケッチ図を書くことができる。 | 3 | |
計測制御 | 計測の定義と種類を説明できる。 | 3 | |
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。 | 3 | |
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 3 | |
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 3 | |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 3 | |
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。 | 3 | |
電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。 | 3 | |
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。 | 3 | |
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。 | 3 | |
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。 | 3 | |
直流回路論における諸定理について実験を通して理解する。 | 3 | |
交流回路論における諸現象について実験を通して理解する。 | 3 | |
過渡現象について実験を通して理解する。 | 2 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。 | 3 | |
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。 | 3 | |
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。 | 3 | |
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。 | 3 | |
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。 | 3 | |
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。 | 3 | |
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。 | 3 | |
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。 | 3 | |
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。 | 3 | |
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。
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集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。 | 3 | |
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。 | 3 | |
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。 | 3 | |
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。 | 3 | |
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。 | 3 | |
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。 | 3 | |