到達目標
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、関連する目標の順で次に示す。
①数体系や2進数の加減算およびブール代数の基礎を理解する。20% (d1)
②論理関数の表現方法と簡単化方法を理解する。20% (d1)
③基本論理回路素子を理解する。20% (d1)
④シーケンサの利用方法を習得する。 20% (d1)
⑤組合せ回路の設計法を理解する。 20% (d1)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 数体系や2進数の加減算およびブール代数の基本演算ができる. | 数体系や2進数の加減算およびブール代数の基礎を説明できる. | 数体系や2進数の加減算およびブール代数の基礎を説明できない. |
評価項目2 | 真理値表から論理関数を構成し,それを簡単化することができる. | 論理関数の表現方法と簡単化方法を説明できる. | 論理関数の表現方法と簡単化方法を説明できない. |
評価項目3 | 基本論理回路素子を使って論理回路を構成できる. | 基本論理回路素子を説明できる. | 基本論理回路素子を説明できない. |
評価項目4 | シーケンサを使った設計ができる. | シーケンサの基本的な利用方法が分かる. | シーケンサの基本的な利用方法が分からない. |
評価項目5 | 組合せ回路の設計ができる. | 組合せ回路の設計法が説明できる. | 組合せ回路の設計法が説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
論理回路はコンピュータのハードウェア設計の基礎理論である.本授業の目的は,論理回路を構成する組合せ回路と順序回路の設計法を学ぶことである.
授業の進め方・方法:
前期はブール代数を主にして論理回路の基礎と簡単化の方法について,後期はシーケンサと組合せ回路について学ぶ.
注意点:
1年次に修得した基礎情報処理をベースにし,学習する内容を理解して教科書の演習問題を解けるようになることを心がけてほしい.そのためにも,表面的な丸暗記をするのではなく,基本的な原理や考え方を身につける意識を持ってもらいたい.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ディジタル工学の概要,数値の表現(1) |
ディジタルとアナログの違いを説明できる。 ディジタル工学の特徴を説明できる。 10進数から類推して2進数を定義できる。
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2週 |
数値の表現(2) |
n進数→10進数の変換ができる。 整数部について10進数→n進数の変換ができる。 小数部について10進数→n進数の変換ができる。
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3週 |
基数変換と補数加算 |
2進数と8,16進数を相互に変換できる。 2の補数を用いて2進数で負の数を表現できる。 補数加算によって2進数での減算が行える。
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4週 |
集合論と命題論理 |
集合論の基本演算を行うことができ、ベン図で表現できる。 命題論理の基本演算を行うことができ、真理値表で表現できる。
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5週 |
ブール代数の基本法則 |
集合論と命題論理に共通の演算規則であるブール代数の公理を理解する。ブール代数の基本法則を真理値表を用いて証明でき、ベン図で表現できる。
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6週 |
基本論理演算と論理記号 |
基本論理演算の論理記号を正しく書くことができ、論理式を論理回路で表現できる。
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
試験解説と発展授業 |
中間試験で正解できなかった問題について、解き直して正解できるようになる。
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2ndQ |
9週 |
論理関数と論理回路 |
論理関数について、論理式による表現と論理回路による表現と真理値表による表現の3通りがあることを理解し、論理式から真理値表と論理回路を作ることができる。
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10週 |
加法標準形と乗法標準形 |
論理関数の真理値表が与えられたときに、その加法標準形と乗法標準形を作ることができる。 加法形や乗法形の論理式が与えられたときに、その標準形を作ることができる。
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11週 |
排他的論理和とその標準形 |
排他的論理和の基本演算を理解する。 論理関数の真理値表が与えられたときに、その排他的論理和標準形を作ることができる。
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12週 |
カルノー図による簡単化 |
論理関数の簡単化の概念を理解する。 論理関数の真理値表が与えられたときに、カルノー図を用いて簡単化された論理式を得ることができる。
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13週 |
冗長項を用いたカルノー図 |
冗長項を含む論理回路について、カルノー図を用いて簡単化された論理式を得ることができる。
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14週 |
クワイン・マクラスキー法による簡単化 |
クワイン・マクラスキー法(Q-M法)を用いて簡単化された論理式を得ることができる。 カルノー図と比べてQ-M法の利点を説明できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験解説と発展授業 |
期末試験で正解できなかった問題について、解き直して正解できるようになる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
シーケンサの利用方法1 |
シーケンサの利用方法を身につける
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2週 |
シーケンサの利用方法2 |
シーケンサの利用方法を身につける
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3週 |
シーケンサの利用方法3 |
シーケンサの利用方法を身につける
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4週 |
ラダー図,コーディング |
ラダー図とコーディングの対応を理解する
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5週 |
簡単なシーケンサ回路1 |
簡単なシーケンサ回路の設計とコーディングができるようになる
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6週 |
簡単なシーケンサ回路2 |
簡単なシーケンサ回路の設計とコーディングができるようになる
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
試験解説と発展授業 |
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4thQ |
9週 |
組合せ論理回路 |
組合わせ論理回路について理解する
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10週 |
組合せ回路の設計 |
組合わせ論理回路の設計ができるようになる
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11週 |
加算器,減算器,比較器 |
加算器,減算器,比較器について理解する
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12週 |
エンコーダ,デコーダ |
エンコーダ,デコーダについて理解する
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13週 |
課題演習1 |
課題演習を通じて理解を深める
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14週 |
課題演習2 |
課題演習を通じて理解を深める
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験解説と発展授業 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。 | 3 | 前3 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 4 | 前1 |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 4 | 前2,前3 |
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | 前2 |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | 前2 |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 4 | 前5 |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 4 | 前9,前10,前11 |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 4 | 前12,前13,前14 |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 4 | 前12,前13,前14 |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 4 | 後9,後10 |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 4 | 後9,後10 |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 4 | 後10 |
情報数学・情報理論 | 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。 | 2 | 前4 |
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。 | 2 | 前4 |
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。 | 2 | 前5 |
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。 | 2 | |
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 35 | 15 | 50 |
専門的能力 | 35 | 15 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |