情報処理Ⅱ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 情報処理Ⅱ
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 2年次の「情報処理I」で使用した教科書を使用する。適宜プリントを配布する。
担当教員 竹部 啓輔

到達目標

(科目コード:31630,英語名:Information Processing II)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、以下順に示す。
① 構造体、ファイル処理の基本事項を理解する。40% (c1), (d1)、② C言語を実践的に利用する手法を習得する。30% (c1), (c2), (d1), (d2), (e2)、③ UNIX上でのプログラム開発手順を習得する。10% (d1), (d2)、④ CGIを用いた動的なWebページ作成ができる。20% (b2), (e2), (g1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1構造体、ファイル処理の基本事項を理解し、実際のプログラミングで活用できる。構造体、ファイル処理の基本事項を理解している。構造体、ファイル処理の基本事項を概ね理解している。構造体、ファイル処理の基本事項を理解していない。
評価項目2C言語を実践的に利用する方法を習得し、実際のプログラミングで活用できる。C言語を実践的に利用する方法を習得している。C言語を実践的に利用する方法を概ね習得している。C言語を実践的に利用する方法を習得していない。
評価項目3UNIX上でのプログラム開発手順を習得し、実践できる。UNIX上でのプログラム開発手順を習得する。UNIX上でのプログラム開発手順を概ね習得する。UNIX上でのプログラム開発手順を習得していない。
評価項目4より実践的な、CGIを用いた動的なWebページを作成できる。CGIを用いた動的なWebページ作成ができる。CGIを用いた動的なWebページが概ね作成できる。CGIを用いた動的なWebページが作成できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (b2) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (c1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (c2) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (d1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (d2) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (e2) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (g1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
2年次の情報処理Ⅰで扱わなかったC言語における構造体の扱いやファイル処理等について学ぶとともに、1年次の基礎情報処理、2年次の情報処理Ⅰで学んだ事項を基に、実践的なプログラミングについて学ぶ。
具体的には、1年次に学習したHTMLによる静的なWebページに、C言語によるCGIプログラムを付加し、動的なWebページの作成を行う。
○関連する科目: 基礎情報処理、情報処理Ⅰ、数値解析、アルゴリズムとデータ構造、離散数学、プログラミング演習Ⅰ、データ通信工学、プログラミング演習Ⅱ
授業の進め方・方法:
端末室において、教材を提示しながら座学と演習を行う。
注意点:
実践的な題材を基に、1年次の基礎情報処理、2年次の情報処理Ⅰで学んだ事柄の総復習を行うので、事前に基礎情報処理と情報処理Ⅰの学習内容を復習しておくことを勧める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス説明
UNIXコマンド、viエディタ
UNIXの基本的なコマンド操作ができる
viエディタの使い方がわかる
2週 HTML、スタイルシート、プログラム開発手順、CGIの基礎 HTMLの基本事項が分かる
UNIXでのプログラム開発手順を理解する
サンプルの簡単なCGIプログラムの動作を確認する
3週 課題演習 簡単なCGIプログラムを参考に、課題プログラムが作れる
4週 ソースファイル分割、動的CGI(日時の取得) ソースファイルを分割して開発する方法を理解する
簡単な動的なCGIプログラムの動作について理解する
サンプルプログラムを参考に、課題プログラムが作れる
5週 動的CGI(アクセスカウンタ)
ファイル操作
簡単なアクセスカウンタのプログラムの内容を理解する
ファイル操作関数の扱い方の基本を理解する
6週 課題演習 ファイル操作関数を用いた課題プログラムが作れる
7週 中間試験
8週 試験解説
HTMLフォーム
HTMLフォームの構成方法について理解する
2ndQ
9週 文字列操作 基本的な文字列操作関数の使い方を理解する
10週 双方向通信(1) POST POSTメソッドでのCGIプログラムへのデータ受け渡しの仕組みについて理解する
11週 課題演習 POSTメソッドを用いたサンプルプログラムをもとに課題プログラムが作れる
12週 双方向通信(2) GET GETメソッドでのCGIプログラムへのデータ受け渡しの仕組みについて理解する
GETとPOSTの違いが分かる
13週 課題演習 GETメソッドを用いたサンプルプログラムをもとに課題プログラムが作れる
14週 課題演習 GETとPOSTのどちらにも対応することのできるCGIプログラムが作れる
15週 課題演習 GETとPOSTのどちらにも対応することのできるCGIプログラムが作れる
16週 期末試験
17週:試験解説、発展授業
試験時間:50分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前7,前15
人文・社会科学国語国語実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3前7,前15
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前15
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前15
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前15
工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前15
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3前15
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3前15
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3前15
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。3
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。3
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3前12
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3前12
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3前12
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3前12
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。4前15
定数と変数を説明できる。4前7,前15
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。4前7,前15
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。4前7,前15
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。4前7,前15
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。4前7,前15
条件判断プログラムを作成できる。4前7,前9,前15
繰り返し処理プログラムを作成できる。4前7,前9,前15
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。4前7,前15
情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4前7,前15
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4前7,前15
変数の概念を説明できる。4前2
データ型の概念を説明できる。4前2
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。4前2
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。4前2
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4前2,前7,前15
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4前2,前7,前15
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。4前2
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。2前15
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。2前15
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3前13,前14,前15
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。3前13,前14,前15
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。3前13,前14,前15
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。3前13,前14,前15
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3前15
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3前15
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。2前15
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。2前15
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。2前15
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。2前15
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。2前15
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。2前15
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前15
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前15
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4前15
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4前15
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4前15
コンピュータシステム集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。3
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。3
情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。2前15
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。2前15
インターネットの概念を説明できる。2前15
主要なサーバの構築方法を説明できる。3
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。3前15
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。3
無線通信の仕組みと規格について説明できる。3
有線通信の仕組みと規格について説明できる。3
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。3
基本的なルーティング技術について説明できる。3
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。3前15
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。3前15
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。3前15
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4前15
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4前15
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4
データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。2
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。2
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。4前15
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4前15
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。4前15
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。4
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3

評価割合

試験課題取組状況合計
総合評価割合702010100
基礎的能力4010050
専門的能力3010040
分野横断的能力001010