メカトロニクスA

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 メカトロニクスA
科目番号 0055 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 塩田 泰仁,はじめてのメカトロニクス,森北出版株式会社,2011
担当教員 外川 一仁,酒井 一樹

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる.この科目の到達目標と,成績評価上の重み付け,各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を次に示す.
①メカトロニクスの定義や特徴を理解する.30%(e1)
②LEDの点灯回路を理解し,電流制限抵抗の計算を身につける.30%(d1)
③エンコーダ,ひずみゲージの原理を理解する.20%(d1),
④DCサーボモータの正転・逆転制御回路の基礎を身につける.20%(d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1メカトロニクスの定義や基本的な構成要素について実例を交えながら詳細に説明できる。メカトロニクスの定義や基本的な構成要素について説明できる。メカトロニクスの定義や基本的な構成要素についての概要を説明できる。左記に達していない。
評価項目2LEDの点灯回路を理解し,適切な電流制限抵抗をE24系列の中から選ぶことができる。LEDの点灯回路を理解し,適切な電流制限抵抗を計算することができる。LEDの点灯回路を理解し,電流制限抵抗の必要性を説明できる。左記に達していない。
評価項目3オペアンプの基本特性を理解し、オペアンプを用いた増幅回路や比較回路、加算回路などの動作を説明できる。オペアンプの基本特性を理解し、増幅回路の増幅率を計算できる。オペアンプの基本特性を理解し,増幅回路の概念を説明できる。左記に達していない。
評価項目4代表的なセンサやアクチュエータについての用途や、実際に利用する際の回路構成が説明できる。代表的なセンサやアクチュエータの用途を説明できる。代表的なセンサやアクチュエータの動作を説明できる。左記に達していない。
評価項目5DCサーボモータの動作原理を理解し、正転・逆転制御回路の動作を説明できる。DCサーボモータの動作原理を理解し、工作用モータとの違いを説明できる。DCサーボモータと工作用モータとの違いを説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (d1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (e1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械は大きな力で重いものを動かすことが得意だが,複雑な動きが苦手である.一方,電子回路の分野ではセンサやコンピュータを使って複雑な動きの計測や計算が可能だが,重いものを動かすことはできない.機械と電子の技術を融合することで,重いものを細かく複雑に動かすことが可能になる.メカトロニクスは,「機械(メカ)を電子・情報(センサ,制御,コンピュータ)技術で柔軟化・高度化する技術である.実学的な科目であり,勉強する範囲は広い.
○関連する科目:機械創造学(前年度履修),情報処理I(前年度履修),メカトロニクスB(後期履修)
授業の進め方・方法:
新出の内容に関しては講義形式で行うが、前年度までの電気回路・電子回路の知識で説明できる回路については、授業内で個人ワークまたはグループワークを行い受講者に動作を説明させる場面も多く設ける。実際のセンサやアクチュエータを手に取って動作を確認し、講義内容と結びつける機会も設ける。
注意点:
前年度までの実験で扱った電気回路や電子回路の内容と実生活を結びつける科目であるため、自分で回路の計算ができると非常に興味深い科目である反面、回路の計算ができないと退屈な暗記科目となってしまう。適宜復習が必要。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 メカトロニクスの概略と役割 メカトロニクスの定義や基本的な構成要素について説明できる。
2週 電子部品とLED点灯回路 抵抗やコンデンサなどの電子部品の役割を説明でき、LED点灯回路の電流制限抵抗を計算できる。
3週 整流回路と電源回路 半波整流と全波整流の動作を説明できる。電源回路におけるトランスと三端子レギュレータの役割を説明できる。
4週 トランジスタの増幅動作とスイッチング動作 トランジスタの基本性質を理解し、増幅動作とスイッチング動作の挙動を説明できる。
5週 オペアンプの基本特性と増幅回路 オペアンプの基本特性を理解し、反転増幅回路・非反転増幅回路の増幅率を計算できる。
6週 分圧と比較回路 抵抗分圧の動作を説明できる。オペアンプを用いた比較回路の動作を説明でき、それを応用した温度上昇検知回路の動作を説明できる。
7週 ここまでの振り返り ここまでの内容の振り返りを行う。
8週 中間試験
2ndQ
9週 加算回路とD/A変換回路 オペアンプを用いた加算回路の動作を説明でき、それを応用したD/A変換回路の動作を説明できる。またアナログ制御とディジタル制御の違いを説明できる。
10週 センサの原理と使い方(1) オンオフ信号センサやエンコーダについて、出力を読み取ることができる。
11週 センサの原理と使い方(2) サーミスタやひずみゲージなどの測定値をホイートストンブリッジを用いて測定する原理を説明できる。
12週 アクチュエータの原理と使い方(1) DCサーボモータの動作原理を理解し、サーボ特性を説明できる。正転・逆転制御回路の動作を説明できる。
13週 アクチュエータの原理と使い方(2) ステッピングモータとACサーボモータの特性を説明できる。空気圧式アクチュエータの動作原理を説明できる。
14週 制御系の構成と組込みシステム オープンループ、セミクローズドループ、クローズドループの違いが説明できる。組込みシステムとは何かを説明できる。
15週 ここまでの振り返り ここまでの内容の振り返りを行う。
16週 期末試験
17週:試験解説・発展授業
期末試験の内容をもとに今学期の振り返りを行う。産業現場でのメカトロニクスの応用例を紹介する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前7
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4前10
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前3
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3前3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3前4
FETの特徴と等価回路を説明できる。3前4
演算増幅器の特性を説明できる。4前5,前6,前9
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4前5,前6,前9
電力直流機の原理と構造を説明できる。3前12
誘導機の原理と構造を説明できる。3前13
同期機の原理と構造を説明できる。3前13
計測電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3前11
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3前11

評価割合

中間試験期末試験レポートその他合計
総合評価割合35451010100
基礎的能力151501040
専門的能力203010060
分野横断的能力00000