到達目標
(科目コード:31131、英語名:Mechatronics A)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を次に示す。
①メカトロニクスの定義や特徴を理解する。30%(e1)
②LEDの点灯回路を理解し、電流制限抵抗の計算を身につける。20%(d1)
③オペアンプの基本特性を理解し、オペアンプを用いた回路の動作を説明できる。30%(d1)
④代表的なセンサやアクチュエータの用途や特徴を説明できる。20%(d1)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | メカトロニクスの定義や基本的な構成要素について実例を交えながら詳細に説明できる。 | メカトロニクスの定義や基本的な構成要素について説明できる。 | メカトロニクスの定義や基本的な構成要素についての概要を説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目2 | LEDの点灯回路を理解し、適切な電流制限抵抗をE24系列の中から選ぶことができる。 | LEDの点灯回路を理解し、適切な電流制限抵抗を計算することができる。 | LEDの点灯回路を理解し、電流制限抵抗の必要性を説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目3 | オペアンプの基本特性を理解し、オペアンプを用いた増幅回路や比較回路、加算回路などの動作を説明できる。 | オペアンプの基本特性を理解し、増幅回路の増幅率を計算できる。 | オペアンプの基本特性を理解し、増幅回路の概念を説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目4 | 代表的なセンサやアクチュエータについての用途や、実際に利用する際の回路構成が説明できる。 | 代表的なセンサやアクチュエータの用途を説明できる。 | 代表的なセンサやアクチュエータの動作を説明できる。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機械は大きな力で重いものを動かすことが得意だが、複雑な動きが苦手である。一方、電子回路の分野ではセンサやコンピュータを使って複雑な動きの計測や計算が可能だが、重いものを動かすことはできない。機械と電子の技術を融合することで、重いものを細かく複雑に動かすことが可能になる。メカトロニクスは、「機械(メカ)を電子・情報(センサ、制御、コンピュータ)技術で柔軟化・高度化する技術である。実学的な科目であり、勉強する範囲は広い。
○関連する科目:機械創造学(前年度履修)、情報処理I(前年度履修)、メカトロニクスB(後期履修)
授業の進め方・方法:
新出の内容に関しては講義形式で行うが、前年度までの電気回路・電子回路の知識で説明できる回路については、授業内で個人ワークまたはグループワークを行い受講者に動作を説明させる場面も多く設ける。実際のセンサやアクチュエータを手に取って動作を確認し、講義内容と結びつける機会も設ける。
注意点:
前年度までの実験で扱った電気回路や電子回路の内容と実生活を結びつける科目であるため、自分で回路の計算ができると非常に興味深い科目である反面、回路の計算ができないと退屈な暗記科目となってしまう。適宜復習が必要。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
メカトロニクスの概略と役割 |
メカトロニクスの定義や基本的な構成要素について説明できる。
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2週 |
電子部品とLED点灯回路 |
抵抗やコンデンサなどの電子部品の役割を説明でき、LED点灯回路の電流制限抵抗を計算できる。
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3週 |
整流回路と電源回路 |
半波整流と全波整流の動作を説明できる。電源回路におけるトランスと三端子レギュレータの役割を説明できる。
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4週 |
トランジスタの増幅動作とスイッチング動作 |
トランジスタの基本性質を理解し、増幅動作とスイッチング動作の挙動を説明できる。
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5週 |
オペアンプの基本特性と増幅回路 |
オペアンプの基本特性を理解し、反転増幅回路・非反転増幅回路の増幅率を計算できる。
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6週 |
分圧と比較回路 |
抵抗分圧の動作を説明できる。オペアンプを用いた比較回路の動作を説明でき、それを応用した温度上昇検知回路の動作を説明できる。
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7週 |
アナログ制御とディジタル制御 |
アナログ制御とディジタル制御の違いを説明できる。
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8週 |
中間試験 |
試験時間:50分
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2ndQ |
9週 |
加算回路とD/A変換回路 |
オペアンプを用いた加算回路の動作を説明でき、それを応用したD/A変換回路の動作を説明できる。
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10週 |
センサの原理と使い方(1) |
オンオフ信号センサやエンコーダについて、出力を読み取ることができる。
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11週 |
センサの原理と使い方(2) |
サーミスタやひずみゲージなどの測定値をホイートストンブリッジを用いて測定する原理を説明できる。
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12週 |
アクチュエータの原理と使い方(1) |
DCモータの動作原理を理解し、サーボ特性を説明できる。正転・逆転制御回路の動作を説明できる。
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13週 |
アクチュエータの原理と使い方(2) |
ACモータの原理であるアラゴの円板を説明できる。ステッピングモータとACモータの特性を説明できる。
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14週 |
アクチュエータの原理と使い方(3) |
空気圧式アクチュエータの動作原理を説明できる。アクチュエータの補助装置の役割を説明できる。
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15週 |
制御系の構成と組込みシステム |
オープンループ、セミクローズドループ、クローズドループの違いが説明できる。組込みシステムとは何かを説明できる。
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16週 |
期末試験 17週:試験返却・発展授業 |
試験時間:50分
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 3 | 前3 |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 3 | 前4 |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 3 | 前4 |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前9 |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前9 |
電力 | 直流機の原理と構造を説明できる。 | 3 | 前12 |
誘導機の原理と構造を説明できる。 | 3 | 前13 |
同期機の原理と構造を説明できる。 | 3 | 前13 |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 40 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 10 | 10 | 30 |
専門的能力 | 30 | 30 | 10 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |