制御工学ⅠB

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 制御工学ⅠB
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 川谷亮治,「Maxima」と「Scilab」で学ぶ 古典制御 [改訂版],工学社,2014
担当教員 酒井 一樹

到達目標

(科目コード:31647、英語名:Control Engineering IB)
この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。
この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、関連する目標の順で次に示す。
①システムの過渡応答を習得する。40% (c1)、(c2)、(d1)、(d2)
②システムの周波数応答を習得する。40% (c1)、(c2)、(d1)、(d2)
③システムの安定性解析を習得する。20% (d1)、(d2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑なシステムの過渡応答を求められる。基本的なシステムの過渡応答を求められる。基本的なシステムの過渡応答の特徴について答えられる。左記のレベルに達していない
評価項目2複雑なシステムの周波数応答を求められる。基本的なシステムの周波数応答を求められる。基本的なシステムの周波数応答の特徴について答えられる。左記のレベルに達していない
評価項目3複雑なシステムの安定・不安定を班別することができる。基本的なシステムの安定・不安定を判別できる。システムの安定・不安定の違いを答えることができる。左記のレベルに達していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自動制御技術の発展、普及はめざましいものがあり、産業分野はもちろんのこと社会のいたるところに自動化されたシステム、自動制御の装置、自動制御の思想が取り入れられている。本講義では、自動制御の基礎である古典制御に対して、制御対象(動的システム)の特性解析などに必要な過渡応答、周波数応答の基礎と応用、制御系の安定性解析について学ぶ。
○関連する科目:工業数学II(前期履修)、制御工学IA(前期履修)、線形制御(次年度履修)、制御工学II(次年度履修)、システム情報工学(次々年度履修)
授業の進め方・方法:
講義は配布資料を中心に進める形をとる。講義中に演習の時間を設け、学生同士で相談しながら演習に取り組む。指名された学生は前に出て解説を行う。学修単位科目であるため、事後学習としてコンピュータを活用した制御系の解析・設計の課題を毎週実施する。
注意点:
制御理論は数学的な要素が強く抽象的であるが、次年度以降の講義(線形制御等)の基礎となるので、十分な予習・復習が必要である。特に、過渡応答ではラプラス変換、逆ラプラス変換の知識が、周波数応答ではベクトルの知識と対数に関する知識が、安定性解析では行列式の知識が必要なので、十分復習しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 本授業で使うソフトウェアの操作方法を習得する
[課題]ソフトウェア操作方法に関する課題
2週 1次システムの過渡応答 1次システムの過渡応答の特徴を答えられるようになる
[課題]1次システムの過渡応答に関する課題
3週 2次,n次システムの過渡応答 2次システムの過渡応答の特徴を答えられるようになる
[課題]2次システムの過渡応答に関する課題
4週 システムの安定性 安定なシステムが満たす必要条件および必要十分条件を答えられるようになる
[課題]システムの安定性に関する課題
5週 ラウス・フルビッツの安定判別法 ラウス・フルビッツの安定判別法を用いて安定判別が行えるようになる
[課題]ラウス・フルビッツの安定判別法に関する課題
6週 システムの周波数応答 周波数応答の定義およびゲインと位相の定義が説明できるようになる
[課題]周波数応答に関する課題
7週 1次システムの周波数応答 1次システムの周波数応答の特徴を答えられるようになる
[課題]1次システムの周波数応答に関する課題
8週 2次システムの周波数応答 2次システムの周波数応答を求められるようになる
[課題]2次システムの周波数応答に関する課題
4thQ
9週 ボード線図とベクトル軌跡 ボード線図やベクトル軌跡を使って周波数応答を表現できるようになる
[課題]ボード線図の合成に関する課題
10週 ナイキストの安定判別法 ナイキストの安定判別法を用いてフィードバック系の安定判別が行えるようになる
[課題]ナイキストの安定判別法に関する課題
11週 安定余裕 ゲイン余裕,位相余裕が求められるようになる
[課題]安定余裕に関する課題
12週 磁気浮上系の安定化 不安定なシステムを安定化する制御器の設計ができるようになる
[課題]磁気浮上系の安定化に関する課題
13週 定常特性 定常偏差をなくすための制御器の設計ができるようになる
[課題]定常偏差に関する課題
14週 過渡応答の改善 伝達関数の極の位置と過渡応答の関係を説明できるようになる
[課題]伝達関数の極と過渡応答の関係に関する課題
15週 後期のまとめ
16週 期末試験
17週:試験解説と発展授業
試験時間:80分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御伝達関数を説明できる。4後2,後3,後12
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4後2,後3,後9,後12
制御系の過渡特性について説明できる。4後2,後3,後12
制御系の定常特性について説明できる。4後13
制御系の周波数特性について説明できる。4後6,後7,後8,後9,後12
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4後4,後5,後10,後11,後12
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4後2,後3,後12
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4後2,後3,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4後2,後3,後12
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4後13
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後6,後7,後8,後9,後11,後12
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4後4,後5,後10,後11,後12

評価割合

試験課題授業内演習合計
総合評価割合702010100
基礎的能力051015
専門的能力7015085