離散数学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 離散数学
科目番号 0087 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 高橋 章

到達目標

(科目コード:31500、英語名:Discrete Mathematics)(授業計画の週は回と読替えること)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、関連する目標の順で次に示す。
1.演習によって基本事項を確認・習得する手法を身につける。10%(c1,g2)
2.集合論・グラフ理論などの情報工学分野の基本事項を理解する。90%(d1,e2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1演習を行うことで自己の理解度を的確に把握することができる。演習を行うことで自己の理解度を把握することができる。演習を行うことで自己の理解度をある程度把握することができる。左記に達していない。
評価項目2集合論やグラフ理論に関する様々な問題を解くことができる。集合論やグラフ理論に関する代表的な問題を解くことができる。集合論やグラフ理論に関する代表的な問題のいくつかを解くことができる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータで様々な問題を扱うには、ディジタル(離散)情報を効率的に扱うための数学的知識が必要である。この授業では集合論やグラフ理論などを中心に離散化された情報の取り扱いについて概説する。
〇関連する科目:基礎情報処理(1年次履修)、情報処理I(2年次履修)、ディジタル工学基礎(2年次履修)、計算機システム(前年度履修)、情報処理II(前年度履修)、数値解析
授業の進め方・方法:
数学、基礎情報処理、情報処理I、情報処理II、ディジタル工学基礎、計算機システムなどで学習した事項をもとに授業を進め、毎回の授業で基本事項の解説後に問題演習をできるだけ多く行う。題意を理解して解決方法を工夫する実践的な問題への取り組み方を、演習を通じて身につけてほしい。この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポート課題などを実施する。
注意点:
低学年で学んだ数学(特に集合、順列、組合せ、ベクトル、行列、確率など)の基礎知識が必要であり、事前に復習しておくことが望ましい。授業中にできるだけ学生に質問をするので、的確に答えられるようなコミュニケーション能力を身につけてほしい。公式や手順を丸暗記するのではなく、基本原理や考え方を身につけるよう心がけてほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 集合論(1) 集合の概念を理解し、関連する数学の専門用語について説明できる。
課題:集合論(1)
2週 集合論(2) 集合の包含関係を理解し、基本的な集合演算を行うことができる。
課題:集合論(2)
3週 関係 順序対や2項関係を理解し、基本的な問題が解ける。
課題:関係
4週 関数 関係および関数の性質、命題論理を理解し、基本的な問題が解ける。
課題:関数
5週 ベクトルと行列(1) ベクトルの基本事項を理解し、直線や平面をベクトル表現することができる。
課題:ベクトルと行列(1)
6週 ベクトルと行列(2) 行列を用いてアフィン変換を記述する方法を理解し、計算幾何学の基本事項を理解する。
課題:ベクトルと行列(2)
7週 組合せ解析 順列、組合せの基本事項を理解し、様々な問題を解くことができる。
課題:組合せ解析
8週 確率と情報量 確率と情報量の定義を理解し、様々な問題を解くことができる。
課題:確率と情報量
2ndQ
9週 データ・資料の整理 統計データの分類法を挙げることができる。量的データの分析法を理解する。
課題:データ・資料の整理
10週 確率分布 離散的/連続的な確率分布を理解し、正規分布を用いた様々な問題を解くことができる。
課題:確率分布
11週 グラフ理論(1) グラフ理論の基本事項を理解し、その専門用語を説明できる。
課題:グラフ理論(1)
12週 グラフ理論(2) 様々なグラフの特徴を理解し、周遊可能性を判定することができる。
課題:グラフ理論(2)
13週 グラフ理論(3) 平面グラフの性質やオイラーの公式を理解する。
課題:グラフ理論(3)
14週 グラフ理論(4) グラフの彩色アルゴリズムについて理解する。
課題:グラフ理論(4)
15週 グラフ理論(5) 有限オートマトンやPERTの基本事項を理解する。
課題:グラフ理論(5)
16週 前期末試験
17週:試験解説・発展授業
試験時間:80分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学角を弧度法で表現することができる。3前5,前16
2点間の距離を求めることができる。3前5,前6,前16
内分点の座標を求めることができる。3前5,前6,前16
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3前5,前6,前16
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3前7,前16
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3前7,前16
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前5,前6,前16
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前5,前6,前16
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前5,前6,前16
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前5,前6,前16
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前5,前6,前16
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3前6,前16
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3前6,前16
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3前6,前16
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3前6,前16
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3前6,前16
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前8,前9,前10,前16
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前8,前9,前10,前16
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前8,前9,前10,前16
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4前1,前2,前16
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4前3,前4,前16
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4前3,前4,前16
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4前4,前16
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4前11,前12,前13,前14,前15,前16
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。4前8,前16

評価割合

試験(期末)レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合9550000100
基礎的能力450000045
専門的能力405000045
分野横断的能力100000010