計算機システム

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 計算機システム
科目番号 0097 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 岡田正,高橋参吉,藤原正敏編著 , ネットワーク社会における情報の活用と技術・三訂版,同学習ノート
担当教員 高橋 章

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連の順で次に示す。
1.コンピュータやネットワークの利用者として必要な知識を身につける。25%(c2,d1)
2.情報化社会の一員となるために必要な知識を身につける。25%(a2,a3,g1)
3.コンピュータやネットワークに関する技術的な知識を身につける。50%(d2,e2,g2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンピュータやネットワークの利用者として必要な知識を身につけ、積極的に活用することができる。コンピュータやネットワークの利用者として必要な知識を身につけ、適切に活用することができる。コンピュータやネットワークの利用者として必要な知識を習得できず、活用することができない。
評価項目2情報化社会の一員となるために必要な知識を身につけ、積極的に活用することができる。情報化社会の一員となるために必要な知識を身につけ、適切に活用することができる。情報化社会の一員となるために必要な知識を習得できず、活用することができない。
評価項目3コンピュータやネットワークに関する技術的な知識を身につけ、積極的に活用することができる。コンピュータやネットワークに関する技術的な知識を身につけ、適切に活用することができる。コンピュータやネットワークに関する技術的な知識を習得できず、活用することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (a2) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (a3) 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
情報通信技術が発達した今日、電子計算機(コンピュータ)および情報通信ネットワークは知的活動の補助手段として重要な役割を果たしている。この授業では、ユーザとして、エンジニアとして、社会の構成員としての3視点から身につけるべき知識・マナーについて学習する。
授業の進め方・方法:
基礎情報処理、情報処理I、ディジタル工学基礎で学習した事項をもとに授業を進める。関連するビデオ教材の視聴や、グループワーク、コンピュータを用いた演習を適宜実施する。
注意点:
授業中に学生への質問をできるだけ多く行うので、これまでに他の科目で学習した事柄や、自分の体験・興味などと結び付けて答えられるようコミュニケーション能力を磨いてほしい。表面的な丸暗記をするのではなく、基本原理や考え方を理解することを心がけてほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 情報の概念 狭義の情報とデータの違い、広義の情報の特徴などを説明できる。
2週 情報の収集・整理 1次情報と2次情報の違い、情報源の選択、信頼性と信ぴょう性の違い、情報整理の方法を理解する。
3週 情報の加工・表現 情報発信の目的・手段に応じた加工方法と表現方法を理解する。
4週 情報の発信・交換と評価 情報発信前に確認すべき事項や、情報交換で配慮すべき事項を理解する。
5週 情報の管理とセキュリティ(1) ユーザの視点で必要とされる情報モラルやネチケットを理解する。
6週 情報の管理とセキュリティ(2) ユーザの視点で必要とされる情報の管理方法を理解し、マルウェアを分類して必要なセキュリティ対策を挙げることができる。
7週 前期中間試験 50分間の筆記試験で学習事項の理解度を確認する。
8週 試験解説と講評 前期中間試験の出題範囲について、理解度を自己評価し、補足説明や発展的な内容を知る。
2ndQ
9週 情報伝達の多様性と社会の変化 先史から現代にかけての情報の記録・伝達手段の変遷を知り、代表的な技術・発明を挙げることができる。
10週 情報社会の進展 情報システムやインターネットとは何かを説明し、その発展の経緯を説明できる。
11週 情報社会のもたらす影響と課題(1) 有害情報や違法情報、テクノストレスなどについて理解し、説明することができる。
12週 情報社会のもたらす影響と課題(2) 情報格差や統計調査の特徴を理解し、データ分析を行うことができる。
13週 情報社会における個人の役割と責任(1) 著作権について理解し、どのような行為が権利侵害にあたるかを適切に判断することができる。
14週 情報社会における個人の役割と責任(2) サイバー犯罪について理解し、その分類や違法行為を説明することができる。
15週 前期末試験 50分間の筆記試験で学習事項の理解度を確認する。
16週 試験解説と発展授業 前期末試験の出題範囲について、理解度を自己評価し、補足説明や発展的な内容を知る。
後期
3rdQ
1週 コンピュータの仕組み(1) 五大要素を挙げ、入力装置、出力装置、記憶装置の代表例や特徴、発展について説明できる。
2週 コンピュータの仕組み(2) 制御装置、演算装置の動作を理解し、簡単な機械語プログラムを作成できる。
3週 問題解決の方法論 シミュレーション、データモデルについて分類し、説明することができる。
4週 情報通信ネットワーク インターネットの階層構造、代表的なプロトコルを挙げることができる。
5週 情報のディジタル表現(1) 進数変換、負数の2進表現、浮動小数点数の正規化表現などを行うことができる。
6週 情報のディジタル表現(2) A/D変換に必要な手順を理解する。ディジタル情報の大きさを見積もることができる。
7週 後期中間試験 50分間の筆記試験で学習事項の理解度を確認する。
8週 試験解説と講評 後期中間試験の出題範囲について、理解度を自己評価し、補足説明や発展的な内容を知る。
4thQ
9週 コンピュータ上の問題解決(1) データ構造やアルゴリズムの概念を理解し、代表的なものを説明することができる。
10週 コンピュータ上の問題解決(2) 離散数学の概念を知る。
11週 情報量とエントロピー(1) 情報の符号化の概念を理解し、情報量を計算することができる。
12週 情報量とエントロピー(2) エントロピーの概念を理解し、具体的な計算を行うことができる。
13週 セキュリティを守る技術(1) 暗号化の概念を理解し、公開鍵暗号や電子署名の仕組みや手順を説明できる。
14週 セキュリティを守る技術(2) パケット通信の危険性やファイアウォールの概念を理解し、代表的なセキュリティ対策を説明することができる。
15週 学年末試験 50分間の筆記試験で学習事項の理解度を確認する。
16週 試験解説と発展授業 学年末試験の出題範囲について、理解度を自己評価し、補足説明や発展的な内容を知る。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。2
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。2
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。2
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。4
定数と変数を説明できる。4
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。4
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。4
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。4
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。4
条件判断プログラムを作成できる。4
繰り返し処理プログラムを作成できる。4
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。4
情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。2
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。3
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。2
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。2
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。3
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。2
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。2
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。3
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。3
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。3
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。3
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。3
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。3
コンパイラの役割と仕組みについて説明できる。3
情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。4
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。4
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。4
インターネットの概念を説明できる。4
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。4
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。3
基本的なフィルタリング技術について説明できる。3
情報数学・情報理論ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。2
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。3
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。4
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。3
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。2
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。3
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。3
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。3
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4
データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。3
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80150005100
基礎的能力405000045
専門的能力4010000555
分野横断的能力0000000