データ通信工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 データ通信工学
科目番号 0121 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 汐崎陽,情報・符号理論の基礎 第2版,オーム社,2019年
担当教員 酒井 一樹

到達目標

(科目コード:31470、英語名:Data Communication Engineering)(授業計画の週は回と読替えること)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
科目の到達目標 評価の重み 学習・教育到達目標との関連
①情報量とエントロピーについて理解する。 40% (c1)、(c2)、(d1)、
②情報源符号化と最短符号化の基礎を理解する。 30% (c1)、(c2)、(d1)、
③通信路符号化と誤り訂正符号の基礎を理解する。 30% (c1)、(c2)、(d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1情報量とエントロピーについて詳細に理解する。情報量とエントロピーについて理解する。情報量とエントロピーについて概ね理解する。左記に達していない。
評価項目2情報源符号化と最短符号化の基礎を詳細に理解する。情報源符号化と最短符号化の基礎を理解する。情報源符号化と最短符号化の基礎を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目3通信路符号化と誤り訂正符号の基礎を詳細に理解する。通信路符号化と誤り訂正符号の基礎を理解する。通信路符号化と誤り訂正符号の基礎を概ね理解する。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報理論について講述する。まず、情報の定量化、情報量、エントロピー、そして条件付エントロピー、相互情報量等へと展開していく。次に情報源符号化と最短符号化法の基礎について述べる。さらに、通信路符号化と誤り訂正符号の基礎について述べる。
 ○関連する科目:情報処理I(2年次履修)、信号理論(次年度履修)
授業の進め方・方法:
主にテキストに沿った内容を配布資料を使いながら学習していく。式の導出や例題などを受講生自ら行い、前に出て説明する機会を多く設ける。この科目は学修単位科目のため、毎週課題を出す。
注意点:
確率、微積分、行列といった手法を用いる、数学的、理論的な内容の科目である。この分野の入門的な科目であり、情報を数量的に扱い、伝送するための重要な基礎科目となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 符号化の目的、情報の定量化、エントロピー 符号化の目的、情報の定量化、エントロピーについて理解する。
[課題]エントロピーの性質に関する課題
2週 結合エントロピーと条件付エントロピー 結合エントロピーと条件付エントロピーについて理解する。
[課題]条件付エントロピーの性質に関する課題
3週 相互情報量、情報源の統計的表現 相互情報量、情報源の統計的表現について理解する。
[課題]相互情報量の性質に関する課題
4週 独立生起情報源とエントロピー、マルコフ情報源の遷移確率、状態遷移図 独立生起情報源とエントロピー、マルコフ情報源の遷移確率、状態遷移図について理解する。
[課題]独立正規情報源に関する課題
5週 マルコフ情報源の定常確率、エントロピー マルコフ情報源の定常確率、エントロピーについて理解する。
[課題]マルコフ情報源に関する課題
6週 情報源符号化、符号の条件、平均符号長 情報源符号化、符号の条件、平均符号長について理解する。
[課題]クラフトの不等式に関する課題
7週 情報源符号化定理 情報源符号化定理について理解する。
[課題]情報源符号化定理に関する課題
8週 誤りのない通信路の通信路容量 誤りのない通信路の通信路容量について理解する。
[課題]誤りのない通信路の通信路容量に関する課題
2ndQ
9週 ハフマンの最短符号化 ハフマンの最短符号化について理解する。
[課題]ハフマンの最短符号化に関する課題
10週 通信路符号化と通信路容量 通信路符号化と通信路容量について理解する。
[課題]通信路符号化と通信路容量に関する課題
11週 誤り訂正符号、誤り検出・訂正 誤り訂正符号、誤り検出・訂正について理解する。
[課題]誤り訂正符号、誤り検出・訂正に関する課題
12週 2元線形符号、ハミング符号 2元線形符号、ハミング符号について理解する。
[課題]ハミング符号に関する課題
13週 一般の線形符号 一般の線形符号の基礎について理解する。
[課題]一般の線形符号の基礎に関する課題
14週 一般の線形符号と特性 一般の線形符号の特性、設計法について理解する。
[課題]一般の線形符号の設計法に関する課題
15週 一般の線形符号の拡張、符号語数の限界式 一般の線形符号の拡張、符号語数の限界式について理解する。
[課題]符号語数の限界式に関する課題
16週 期末試験
17週:試験返却・発展授業
試験時間:80分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。3前1,前2,前3,前16
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前16
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16

評価割合

期末試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力20020
専門的能力503080
分野横断的能力000