材料力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料力学Ⅱ
科目番号 0130 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 JSMEテキストシリーズ 材料力学、丸善、2007
担当教員 永井 睦

到達目標

(科目コード:31570,英語名:Strength of Materials Ⅱ)この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。
この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を以下の表に示す。
①応力とひずみの概念を理解し、材料に作用する力と変形の関係を理解する 30%(d1) ②基本的な負荷状態(引張り、圧縮、せん断、曲げ等)において、材料に生じる応力およびひずみの状態を理解し、その計算方法を習得する 60%(d1) ③実用・設計における材料力学の適用、安全について理解する 10%(d2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1応力とひずみの概念を理解し、材料に作用する力と変形の関係を詳細に理解している。応力とひずみの概念を理解し、材料に作用する力と変形の関係を理解している。応力とひずみの概念を理解し、材料に作用する力と変形の関係を概ね理解している。左記に達していない。
評価項目2基本的な負荷状態(引張り、圧縮、せん断、曲げ等)において、材料に生じる応力およびひずみの状態を詳細に理解し、その計算方法を詳細に習得している基本的な負荷状態(引張り、圧縮、せん断、曲げ等)において、材料に生じる応力およびひずみの状態を理解し、その計算方法を習得している基本的な負荷状態(引張り、圧縮、せん断、曲げ等)において、材料に生じる応力およびひずみの状態を概ね理解し、その計算方法を概ね習得している左記に達していない。
評価項目3実用・設計における材料力学の適用、安全について詳細に理解している実用・設計における材料力学の適用、安全について理解している実用・設計における材料力学の適用、安全について概ね理解している左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料力学は、外力が与えられたときに材料内部に生じる応力と変形(ひずみ)を扱う学問であり、機器・構造物の強度的な安全性を確保し、合理的な機械設計を行うために不可欠である。本講義では、構造解析のモデリングや機械設計における基本的な問題について、応力やひずみを求める方法を学び、強度設計を行うことができる能力を修得することを目標とする。 ○関連する科目:材料力学Ⅰ(前年度履修)、固体力学概論(次年度履修)
授業の進め方・方法:
授業と並行して課されるプリント等の演習課題をレポートとして提出する。
注意点:
力学の基礎(力やモーメントのつりあい)および基本的な微分方程式の解法が基礎となる。また前年度履修の材料力学Ⅰで学んだ内容を前提として授業が進められるため、これらを履修前に復習しておくことが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 断面二次モーメントと断面係数 各種断面形状の断面二次モーメントと断面係数の計算方法を理解する。
2週 静定はりの応力とたわみ 静定はりの応力とたわみの応用問題を解くことができる。
3週 はりの複雑な問題(1) 不静定はりの重ね合せ法および重複積分法による解法を理解する。
4週 はりの複雑な問題(2) 不静定はりの基本的な問題を重ね合わせ法および重複積分法によって解くことができる。
5週 はりの複雑な問題(3) クラペイロンの3モーメントの式による連続はりのSFD、BMDの解法を理解する。
6週 はりの複雑な問題(4) クラペイロンの3モーメントの式による連続はりの基本的な問題についてSFD、BMDを導くことができる。
7週 複雑な応力(1) 1軸応力から平面応力までの応力状態について主応力、主せん断応力の意味と導き方を理解する。
8週 複雑な応力(2) 与えられた条件における平面応力状態における主応力、主せん断応力を計算できる。
2ndQ
9週 複雑な応力(3) 2軸引っ張り応力および引っ張り、曲げ、ねじりによる組み合わせ応力を計算できる。
10週 はりの不静定問題および平面応力のまとめ 第9週までのまとめを行う。
11週 エネルギー法 ひずみエネルギーの意味と、カスティリアノの定理、相反定理を理解できる。
12週 エネルギー法 カスティリアノの定理、相反定理によってひずみエネルギーから変形を計算できる。
13週 座屈 柱の座屈を理解し、座屈荷重や応力を計算できる。
14週 座屈 柱の座屈を理解し、座屈荷重や応力を計算できる。
15週 全体のまとめ 材料力学の知識と強度設計への適用について理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前2,前3,前4
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前2,前3,前4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3前2,前3,前4
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前2,前3,前4
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力のモーメントの意味を理解し、計算できる。1前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前13,前14
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。1
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。1前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。1前11,前12
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。1前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前11,前12,前13,前14
応力とひずみを説明できる。1前2
許容応力と安全率を説明できる。1前15
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。1前3,前4,前5,前6
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。1前2,前3,前4,前5,前6
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。1前2,前3,前4,前5,前6
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。1前2,前3,前4,前5,前6
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。1前2
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。1前1
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。1前2,前3,前4,前5
多軸応力の意味を説明できる。1前7,前8,前9
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。1前7,前8,前9
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。1前11,前12
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。1前11,前12
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。1前11,前12
材料機械材料に求められる性質を説明できる。1前15
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。1前15
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。1前15
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。1前15
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。1前15
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。1前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000