計測システム工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 計測システム工学
科目番号 0159 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 中村邦雄編著、計測工学入門 第3版 、森北出版、2015年
担当教員 永井 睦

到達目標

(科目コード:31322,英語名:Engineering in Measurement System)                                         この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。
この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を以下に示す。
①計測における単位系、標準の意義と維持体系および誤差の取り扱いを理解する。 20% (d1) ②直接測定、間接測定等の測定方法と関連した計測系の構成の特徴を理解する。 20% (d1) ③機械計測、電気電子計測における各種測定法の原理と特徴を理解し、用途に応じて適切な測定法、測定器を選択できる知識を習得する。 60% (d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測における単位系、標準の意義と維持体系および誤差の取り扱いをと詳細に理解している。計測における単位系、標準の意義と維持体系および誤差の取り扱いを理解している。計測における単位系、標準の意義と維持体系および誤差の取り扱いを概ね理解している。左記に達していない。
評価項目2直接測定、間接測定等の測定方法と関連した計測系の構成の特徴を詳細に理解している。直接測定、間接測定等の測定方法と関連した計測系の構成の特徴を理解している。直接測定、間接測定等の測定方法と関連した計測系の構成の特徴を概ね理解している。左記に達していない。
評価項目3機械計測、電気電子計測における各種測定法の原理と特徴を理解し、用途に応じて適切な測定法、測定器を選択できる知識を詳細に習得している。機械計測、電気電子計測における各種測定法の原理と特徴を理解し、用途に応じて適切な測定法、測定器を選択できる知識を習得している。機械計測、電気電子計測における各種測定法の原理と特徴を理解し、用途に応じて適切な測定法、測定器を選択できる知識を概ね習得している。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
専門科目は基礎科目の応用としての面とともに、他の専門科目を別の方向から捉える新しい視点という面を持っている。特に計測工学は応用面が強く、関連する分野は多岐にわたる。本講義では前半で計測に関する基礎知識を系統的に解説し、後半では、それを実際に機械計測、電気計測に適用する際の技術について学習する。    ○関連する科目: 電気回路ⅡA、ⅡB(前年度履修)、計測システム(次々年度履修)
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、適宜レポート課題等を実施する。
注意点:
本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウィルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計測の意味、単位系、標準およびトレーサビリティ 工業用語としての計測およびその関連用語、単位系、標準およびトレーサビリティについて理解する。
2週 誤差とその取り扱い(1) 系統的誤差と偶然誤差 系統的誤差と偶然誤差の意味およびその取り扱いについて理解する。
3週 誤差とその取り扱い(2) 間接測定と誤差伝播 間接測定における誤差伝播の表現と取り扱いについて理解する。
4週 計測系の構成(1) 偏位法、零位法と計測系の構成 偏位法、零位法の例および各々の計測系の構成の違いについて理解する。
5週 計測系の構成(2) 信号の伝送と増幅 計測系における信号の伝送と増幅の概念と方法について理解する。
6週 長さ、角度の測定(1) 標準と系統的誤差要因 長さの標準と系統的誤差要因について理解する。
7週 長さ、角度の測定(2) 各種拡大方式 長さ、角度に用いる各種拡大方式とその特徴について理解する。
8週 計測系の基礎事項のまとめ 計測における誤差のあつかいと計測系の構成について理解する。
2ndQ
9週 形状測定(1)  幾何学的形状の測定  各種幾何学的形状の定義と測定方法について理解する。 
10週 形状測定(2)  不規則形状の測定 表面粗さなどの不規則形状の定義と測定方法について理解する。
11週 電気・電子計測(1) 測定の標準 電気測定における標準、単位系について理解する。
12週 電気・電子計測(2) 電子計測回路の基礎 各種電子計測の回路の基礎について理解する。
13週 電気・電子計測(3) 電子計測回路の応用 各種電子計測回路の応用について理解する。
14週 電気・電子計測(4) 各種物理量(力、加速度、温度)の測定 電気・電子計測の応用としての各種物理量(力、加速度、温度)の測定方法について理解する。
15週 電気・電子計測(5)  A-D/D-A変換 各種 A-D/D-A変換の原理について理解する。
16週    

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3前5
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3前5
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。1前1
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。1前2
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。1前1,前2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。1前14
電気・電子系分野電気回路ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4前12
電子回路演算増幅器の特性を説明できる。4前5,前13
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4前5,前13,前14
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前4,前5
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前2,前3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3前1
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3前1
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3前12
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3前12
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。3前15
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4前12
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4前12
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3前12
電力量の測定原理を説明できる。3前12
オシロスコープの動作原理を説明できる。3前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000