概要:
ベクトルと行列という2つの分野を学ぶ。ベクトルとは大きさと向きを持った量であり、行列は数字を縦横に並べただけのものであるが、ともに加法、減法、乗法(ベクトルは内積)、定数倍が定義され、様々な分野で道具として利用されている。本授業では直線や平面などの図形をベクトルで表すことや連立1次方程式を行列を使って解くことを学習する。
〇関連する科目:基礎数学A・B、課題数学(前年度履修)、微分積分II、確率(次年度履修)
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。適宜課題を課す。
注意点:
ここで学習する内容は、工学系の学生は避けて通ることのできない微分方程式、数値計算等にも応用される。自分自身で図を書き、計算をし、具体的なイメージをしっかりと身につけてほしい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ベクトルの代数的定義とベクトルの和、実数倍、内積 |
ベクトルの成分表示、演算ができ、演算の性質を知る。
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2週 |
平面ベクトルの幾何的意味(和、実数倍、内積) |
ベクトルの和、実数倍、大きさ、内積の幾何的な意味がわかり、ベクトルの式変形や計算ができるようになる。
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3週 |
ベクトルの平行と垂直 |
ベクトルの平行・垂直条件がわかる。
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4週 |
平面ベクトルの図形への応用 |
位置ベクトルと内分点について理解して、応用問題が解けるようになる。
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5週 |
平面上の直線のベクトル方程式 |
ベクトル方程式で直線を表せる。
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6週 |
平面上の円のベクトル方程式 |
ベクトル方程式で円を表せる。
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7週 |
空間座標 空間ベクトルの内積 |
空間座標がわかる。ベクトルの成分表示と内積がわかる。
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8週 |
前期中間試験、 |
試験時間:
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2ndQ |
9週 |
空間ベクトルの演算と内積の演習 |
空間ベクトルの計算できる。
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10週 |
直線の方程式 |
直線を方程式で表せる。
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11週 |
平面の方程式 |
平面を方程式で表せる。2つの平面のなす角を求められる。
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12週 |
平面の方程式 |
点と平面との距離を求められる。
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13週 |
球の方程式 |
球を方程式で表せる。
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14週 |
ベクトルの線形独立・線形従属 |
ベクトルの線形独立がわかる。
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15週 |
演習 |
1~14週の内容を理解できる。
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16週 |
前期末試験 17週:試験解説・発展授業 |
試験時間:50分 試験の確認をする。ベクトルの外積や高次元ベクトルに関して考察する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
行列の定義、行列の和・差、数との積 行列の階数 |
行列の基礎計算ができる。行列の積が非可換であることを理解する。行列の階数が計算できる。
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2週 |
転置行列、逆行列 |
転置行列と逆行列が説明できる。逆行列が存在しない行列があることを理解する。
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3週 |
連立1次方程式(消去法) |
消去法で連立1次方程式を解ける。
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4週 |
逆行列の求め方(掃き出し法) |
掃き出し法で逆行列を求められる。
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5週 |
行列の階数と正則性 |
行列の階数が計算できる。行列の階数と正則性の関係について理解する。
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6週 |
行列式の定義(2) 演習 |
行列式の定義を理解する。 1~5週の内容を理解できる。
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7週 |
後期中間試験 |
試験時間:50分
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8週 |
試験解説、 |
試験の確認をする。
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4thQ |
9週 |
行列式の定義(1)、行列式の性質 |
行列式の定義に従って計算できる。
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10週 |
行列の積の行列式 |
行列式の性質を使って計算できる。
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11週 |
行列式の展開 |
行・列による行列式の展開が理解できる。
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12週 |
行列式の展開 |
行・列による行列式の展開ができる。
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13週 |
行列式と逆行列 |
余因子行列を用いて逆行列を求められる 。
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14週 |
連立1次方程式と行列式 |
クラメルの公式を用いて連立1次方程式を解ける。
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15週 |
行列式の図形的意味 |
平行四辺形の面積と平行六面体の体積を求められる。
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16週 |
学年末試験 17週 : 試験解説・発展授業 |
試験時間:50分 試験の確認をする。行列・行列式に関する発展的内容を理解する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 3 | 前1,前2,前8,前9,前15 |
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。 | 3 | 前2,前9,前15 |
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。 | 3 | 前3,前4,前9,前10,前11,前12,前13,前15 |
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。 | 3 | 前4,前11,前12,前13,前15 |
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。 | 3 | 前5,前11,前12,前13,前15 |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | 後1,後2 |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 3 | 後3,後5,後13 |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 3 | 後8,後9,後10,後11,後12,後13,後15 |