物理化学演習

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理化学演習
科目番号 0046 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント/ 島原健三著,化学計算,三共出版,2001年/鈴木長寿他、物理化学の計算法、東京電機大学出版会、1997
担当教員 村上 能規

到達目標

(科目コード:41770、英語名:Exercise in Physical Chemistry)(授業計画の週は回と読替えること)
この科目は長岡高専の教育目標(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。この科目では「授業計画・内容」に示した各項目の到達目標を目指し、化学現象の定量的な取り扱いと数値計算能力を学習し、化学分野の基礎を修得する。100%(d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱力学、熱化学ヘスの法則を用いて反応エンタルピーを計算できる。キルヒホフの法則から反応エンタルピーの温度変化を計算できる。ヘスの法則を用いて反応エンタルピーを計算できる。ヘスの法則を用いて反応エンタルピーを概ね計算できる。左記に達していない
化学平衡、相平衡平衡定数を求められる。諸条件の変化に伴う平衡の移動を説明できる。化学反応における自由エネルギー変化から、平衡定数・組成を計算できる。平衡定数を求められる。諸条件の変化に伴う平衡の移動を説明できる。平衡定数を求められる。諸条件の変化に伴う平衡の移動を概ね説明できる。左記に達していない
電気化学電極における酸化還元反応理解し、化学電池、電気分解について説明できる。ネルンストの式を用いて、起電力、自由エネルギー、平衡定数の関係が説明できる。電極における酸化還元反応理解し、化学電池、電気分解について説明できる。電極における酸化還元反応理解し、化学電池、電気分解について概ね説明できる。左記に達していない
反応速度反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。反応次数の概念を理解して、計算により概ね求めることができる。左記に達していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理化学Ⅰで習った内容(熱力学、熱化学、反応速度、電気化学等)について、演習を通して理解を深める。演習問題を解くことで、物理化学Ⅰで学習した用語、公式への理解を深める。
○関連する科目:物理化学Ⅰ(3学年前期・後期履修)、物理化学Ⅱ(4学年後期履修)
授業の進め方・方法:
演習問題のプリントは事前に配布する。授業時間内で開設される問題を解くヒントを参考に、各自が物理化学Ⅰで学習した内容に関する演習問題を解く演習科目である
注意点:
対数、指数、微分、積分等の数学の基礎知識が必要となる。演習問題は計算問題が主となるので、関数電卓を持参すること。物理化学Ⅰの演習であることから、物理化学Ⅰのテキスト、プリント等を活用すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 本授業の概要についての説明と有効数字、単位に関する復習 物理量と単位について説明できる。有効数字を理解して解答できる。
2週 気体運動論 気体の分子運動について説明できる。
3週 熱化学-エンタルピーと熱容量 エンタルピーと熱容量に関する計算ができる。
4週 熱化学-ヘスの法則 ヘスの法則を用いて反応エンタルピーを計算できる。キルヒホフの法則から反応エンタルピーの温度変化を計算できる。
5週 熱力学-エントロピー 化学変化や状態変化に伴うエントロピー変化を計算できる。
6週 熱力学-ギプスエネルギー 化学変化や状態変化に伴う自由エネルギー変化を計算できる。
7週 溶液の束一的性質―沸点上昇、凝固点降下、浸透圧 蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧から、溶質の分子量を計算できる。
8週 後期中間試験 試験時間:50分
4thQ
9週 試験解説と発展授業 中間試験までの内容の理解を深める
10週 化学平衡―平衡定数 平衡定数を求められる。諸条件の変化に伴う平衡の移動を説明できる。
11週 化学平衡-平衡定数とギプスエネルギー 化学反応における自由エネルギー変化から、平衡定数・組成を計算できる。
12週 化学電池―標準電極電位、ネルンストの式 電極における酸化還元反応理解し、化学電池、電気分解について説明できる。ネルンストの式を用いて、起電力、自由エネルギー、平衡定数の関係が説明できる。
13週 反応速度―反応次数、反応速度の温度依存性 反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。
14週 反応機構ーいろいろな反応、定常状態近似、酵素反応 反応機構と反応速度の関係について理解できる。定常状態近似等の近似解法を説明できる。
15週 核化学 放射線の種類、放射線が人体に及ぼす影響、原子力発電所の原理、質量欠損とエネルギーについて説明できる
16週 前期末試験
17週:試験解説と発展授業
試験時間:50分
本授業の内容を総括する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4後15
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4後15
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4後15
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4後15
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4後2
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4後2
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4後2
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4後2
混合気体の分圧の計算ができる。4後2
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4後7
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4後7
束一的性質を説明できる。4後7
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4後7
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4後7
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4後7
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4後3
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4後3
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4後3
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4後3
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4後3
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4後10
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4後10
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4後10
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4後4,後6
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4後6
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4後6
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4後6
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4後6
平衡定数の温度依存性を計算できる。4後6
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4後6
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4後13
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4後13
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4後13
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4後13
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4後13
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4後12

評価割合

試験課題練習問題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000