概要:
この科目では、物理学を学習するうえで大切な事がらのいくつかを、実験を通じて理解し、身に付ける。この科目での学習は、物理学講義(座学)での成果と相まって、物理学という科学の本質を理解する機会となり、技術者としての活動に必要な基礎となる。
実験の計画は受講者自身の判断で決める部分が多く、課題解決の基礎を身につける機会とすることができる。
実験は以下の 5 つのテーマについて行う:1)重力加速度の測定、2)空気抵抗係数の測定、3)熱の仕事当量の測定、4)振動数の測定、5)その他(ヤング率の測定、水の表面張力の測定、レンズの焦点距離の測定、屈折率の測定、プランク定数の測定、電子の比電荷の測定の中から 1 項目を選択)。行った実験について、実験方法の立案から実施、評価までを含めたプレゼンテーションを行う。
○関連する科目:「物理」(2 年次履修,3 年次履修)、「物理演習」(3 年次履修)、「物理学ⅠA」(次年度履修)
授業の進め方・方法:
4、5名のグループに分かれて、以下の 5 つのテーマについて、実験計画をグループ毎に計画し、計画に従って1回目の実験を行い、更なる改善計画を練り、2回目の実験を行う。得られた結果はレポートにまとめるとともに、最後に全員の前でグループ毎にプレゼンテーションを行う。実感テーマは、1)重力加速度の測定、2)空気抵抗係数の測定、3)熱の仕事当量の測定、4)振動数の測定、ヤング率の測定、水の表面張力の測定、レンズの焦点距離の測定、屈折率の測定、プランク定数の測定、電子の比電荷の測定の中から 1 項目を選択。
注意点:
1.実験指導書(新しい課題が始まる直前の授業で配布する)の内容は、実験の当日までに理解しておくこと.問題点があれば、新しい課題での実験が始まる前に解決しておくこと。
2.実験グループを 4~5 名の受講者で構成する。メンバーが協力して実験に当たること。
3.実験を安全に行うために、実験中の行動には十分に注意すること。
4.装置類の取り扱いは、方法を十分に理解したうえで、丁寧におこなうこと。装置類の破損が明らかに受講者の過失によるものであると判断されるときは、その責任を問うことがある。
5.正当な理由なしに授業を欠席した受講者のレポートは受け付けない。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業の概説と注意事項(レポートの作成と提出の方法および基本的な実験技術に関する説明を含む) |
グループでの実験計画、実験の遂行等の取組み方を理解する
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2週 |
重力加速度の測定(1:理論の確認と実験計画の作成) |
落体による重力加速度の測定方法を理解し、1回目の実験計画を立案する
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3週 |
重力加速度の測定(2:1 回目の実験) |
実験計画に従って1回目の実験を遂行する。単振動を理解し、改良実験として2回目の実験を立案する
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4週 |
重力加速度の測定(3:2 回目の実験) |
計画に従って、改良実験を遂行し、結果をまとめる
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5週 |
レポートの作成に関する注意の確認 |
報告書の作成方法や結果のまとめ方について理解する
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6週 |
空気抵抗の測定(1:理論の確認と実験計画の作成) |
基礎的な流体の抵抗力を理解し、1回目の実験計画を立案する
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7週 |
空気抵抗の測定(2:1 回目の実験) |
実験計画に従って1回目の実験を遂行する。改良実験として2回目の実験を立案する
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8週 |
空気抵抗の測定(3:2 回目の実験) |
計画に従って、改良実験を遂行し、結果をまとめる
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2ndQ |
9週 |
熱の仕事当量の測定(1:理論の確認と実験計画の作成) |
基礎的な熱容量、ジュール熱、仕事、エネルギーの変換を理解し、1回目の実験計画を立案する
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10週 |
熱の仕事当量の測定(2:1 回目の実験) |
実験計画に従って1回目の実験を遂行する。改良実験として2回目の実験を立案する
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11週 |
熱の仕事当量の測定(3:2 回目の実験) |
計画に従って、改良実験を遂行し、結果をまとめる
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12週 |
振動数の測定を含む選択実験(方法の説明と実験) |
グループ毎に実験を選択し、テキストに従って実験を行うとともに、選択した実験に関する物理現象を知る
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13週 |
グループ発表の発表資料準備 |
グループで協力しながらプレゼンテーションを作り上げる
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14週 |
グループ発表会 |
スライドによる口頭発表と相互評価
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15週 |
まとめ |
一般的な物理学実験の計画からの一連のプロセスを理解する
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 前2 |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 前2 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 前2 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 前2 |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前2 |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前2 |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | 前6 |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | 前2,前6,前8 |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | 前12 |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | 前6 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | 前2 |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | 前3 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | 前3 |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 前9,前10,前11 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 前9,前10,前11 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11 |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | 前12 |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | 前12 |
波の独立性について説明できる。 | 3 | 前12 |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | 前12 |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | 前12 |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | 前12 |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | 前12 |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | 前12 |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | 前12 |
電気 | ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | 前9,前10,前11 |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | 前3,前4,前7,前8,前10,前11,前12 |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | 前3,前4,前7,前8,前10,前11,前12 |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | 前4,前5,前8,前11,前12 |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | 前3,前4,前5,前7,前8,前10,前11,前12 |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前6,前7,前8 |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11 |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前12 |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11 |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前12 |