無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 萩野博 他、「 基本無機化学」(東京化学同人)および配布プリント
担当教員 荒木 秀明

到達目標

(科目コード:41272,Inorganic Chemistry Ⅱ)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順に示す。①非金属元素および化合物の性質および反応について理解する。40%(d1)、②遷移金属元素および化合物の性質および反応について理解する。30%(d1)、③遷移金属錯体の構造と性質について理解する。30%(d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1非金属元素および化合物の性質および反応について詳細に理解する。非金属元素および化合物の性質および反応について理解する。非金属元素および化合物の性質および反応について概ね理解する。左記に達していない。
評価項目2遷移金属元素および化合物の性質および反応について詳細に理解する。遷移金属元素および化合物の性質および反応について理解する。遷移金属元素および化合物の性質および反応について概ね理解する。左記に達していない。
評価項目3遷移金属錯体の構造と性質について詳細に理解する。遷移金属錯体の構造と性質について理解する。遷移金属錯体の構造と性質について概ね理解する。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
無機化学Ⅱでは、3 年次無機化学Ⅰに引き続き、非金属元素とその化合物、遷移金属元素とその化合物および遷移金属錯体に関して学習する。非金属元素の化合物は、化学工業上の重要性のみならず地球環境の構成物質であり、これらの理解は本質的に重要である。遷移金属化合物ならびに遷移金属錯体は各種材料の構成物質としての重要性は言うまでもないが、その化学的性質も多様性に満ちている。無機化学IIにおいては、授業を通じそれらの基本的内容の一端を理解する。
○関連する科目:無機化学Ⅰ(3学年前後期履修)、無機材料工学(4学年前期履修)、機器分析(4学年前期履修)
授業の進め方・方法:
教科書に準拠しつつ、配布プリントとスライドを用いて進めてゆく。
この授業は学修単位科目のため、事前・事後学習として、「週ごとの到達目標」欄に示す課題などを実施する。
注意点:
無機化学Ⅰで理解した原子構造と電子配置の考え方や反応や結合などの原子間での現象をこの科目でさらに確認しながら進めていくことが重要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 非金属元素の化学1(水素) 非金属元素全般と水素の化学について理解する。
非金属元素の化学(水素)に関する課題
2週 非金属元素の化学2(ホウ素) ホウ素の化学について理解する。
非金属元素の化学(ホウ素)に関する課題
3週 非金属元素の化学2(炭素,ケイ素,ゲルマニウム) 炭素の化学について理解する。
非金属元素の化学(炭素,ケイ素,ゲルマニウム)に関する課題
4週 非金属元素の化学3(窒素、リン、ヒ素、アンチモン) 窒素、リン、ヒ素、アンチモンの化学について理解する。
非金属元素の化学(窒素、リン、ヒ素、アンチモン)に関する課題
5週 非金属元素の化学4(酸素、硫黄、テルル、ポロニウム) 酸素、硫黄、テルル、ポロニウムの化学について理解する。
非金属元素の化学(酸素、硫黄、テルル、ポロニウム)に関する課題
6週 非金属元素の化学5(ハロゲン元素) ハロゲン元素の化学について理解する。
非金属元素の化学(ハロゲン元素)に関する課題
7週 非金属元素の化学6(貴ガス元素) 貴ガス元素の化学について理解する。
非金属元素の化学(貴ガス元素)に関する課題
8週 前半まとめ,前期中間試験 試験時間:50分
2ndQ
9週 遷移金属の化学1(第一遷移系列) 遷移金属の化学全般と第一遷移系列元素の化学について理解する。
遷移金属の化学に関する課題1
10週 遷移金属の化学2(第二、第三遷移系列) 遷移金属元素(第二、第三遷移系列)の化学について理解する。
遷移金属の化学に関する課題2
11週 遷移金属の化学3(ランタノイド、アクチノイド) ランタノイド、アクチノイドの化学について理解する。
遷移金属の化学に関する課題4
12週 遷移金属錯体の化学1(配位結合と錯体) 遷移金属錯体の化学全般、特に配位結合と錯体形成について理解する。
遷移金属錯体の化学に関する課題1
13週 遷移金属錯体の化学2(構造と命名法) 遷移金属錯体の構造と命名法について理解する。
遷移金属錯体の化学に関する課題2
14週 遷移金属錯体の化学3(結晶場理論) 遷移金属錯体の結晶場理論の概要について理解する。
遷移金属錯体の化学に関する課題3
15週 遷移金属、遷移金属錯体の化学についてのまとめ 遷移金属、遷移金属錯体の化学について理解する。
遷移金属・遷移金属錯体の化学に関する課題1
16週 期末試験
17週:試験解説・発展授業
試験時間:50分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学配位結合の形成について説明できる。4前12
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4前12
錯体の命名法の基本を説明できる。4前13
配位数と構造について説明できる。4前13
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4前12
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11

評価割合

中間・期末試験課題(小テスト・レポート)合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000