化学基礎工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学基礎工学
科目番号 0076 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 各教員より指示
担当教員 物質工学科 全教員

到達目標

(科目コード:41620、英語名:Chemical Fundamentals)この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。
この科目の到達目標と、長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。
① 化学基礎および化学、分析化学、物理化学、有機化学、無機化学、生化学、物質工学実験とレポート作成法、物理学実験、情報処理の内容を理解する。100%(d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 物質工学の基本となる科目の基礎と応用を詳細に理解する。 物質工学の基本となる科目の基礎を理解する。 物質工学の基本となる科目の基礎を概ね理解する。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
4年次編入生用の選択科目である。物質工学の基本となる「化学基礎」、「化学」、「分析化学」、「有機化学」、「物理化学」、「無機化学」、「生化学」、「物質工学実験」、「レポート作成法」、「物理学実験」、「情報処理」などについて、例題や演習を中心に基礎学力の向上を図る。
〇関連する科目:物質工学実験(1年)、基礎情報処理、基礎化学演習Ⅰ、レポート作成法、物質工学実験(2年)、情報処理Ⅰ、基礎化学演習Ⅱ、分析化学、基礎生物工学、物質工学実験(3年)、物理学実験、有機化学Ⅰ、物理化学Ⅰ、無機化学Ⅰ、物理化学演習、生物化学Ⅰ
授業の進め方・方法:
編入生用の科目である。各担当教員とディスカッションを行い、それぞれの分野、科目の理解度を確認しながら進める。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
シラバス、科目概要についての説明(教務委員)
2週 基礎化学演習Ⅰ(宮田)
3週 物質工学実験(1年)、レポート作成法(河本) 実験の基本操作を理解して遂行できる。
フローチャートおよびレポートを適切に書くことができる。
4週 基礎情報処理(田﨑) Windowsの基本操作、ネットワークの使用におけるエチケット及びアプリ(マイクロソフト)の使い方を身に付ける。
5週 情報処理Ⅰ(細貝)
6週 基礎化学演習Ⅱ、有機化学Ⅰ、物質工学実験(3年)(鈴木) 主に、有機化学の構造と反応性の関係を理解する。
7週 分析化学(奥村)
溶液モル濃度とpHの計算
モル濃度の計算ができる。
滴定曲線のグラフを作成できる。
8週 前半のまとめ
レポート、課題等の作成(オンデマンド実施)
2ndQ
9週 無機化学Ⅰ、物質工学実験(3年)(小出)
10週 基礎生物工学、物質工学実験(3年)(赤澤) 遺伝子工学の基礎を理解する。
11週 物理学実験(荒木)
12週 物理化学Ⅰ(熱海)
13週 物理化学演習(村上) 溶液の伝導率について説明できる。
電気分解、電池反応の仕組みがわかる。
14週 生物化学Ⅰ(菅原)
15週 後半のまとめ
レポート、課題等の作成
16週 17週:試験解説と発展授業

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。4
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。4
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前6
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4前6
σ結合とπ結合について説明できる。4前6
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4前6
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前6
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4前6
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4前6
共鳴構造について説明できる。4前6
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前6
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前6
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4前6
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前6
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前6
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4
配位結合の形成について説明できる。4
水素結合について説明できる。4
分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4前13
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4前7,前13
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4前7
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4
混合気体の分圧の計算ができる。4
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
束一的性質を説明できる。4
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4
平衡定数の温度依存性を計算できる。4
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4前13

評価割合

課題、レポート(100%)合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050
分野横断的能力00