無機材料工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 無機材料工学
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:田中勝久・固体化学(東京化学同人)、村石治人・基礎固体化学(三共出版)、千原秀昭・稲葉章・アトキンス物理化学要論(東京化学同人)
担当教員 小出 学

到達目標

(科目コード:41510、英語名:Inorganic Materials Engineering)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順に示す。①無機材料の結晶構造について論じることができる。25%(d1)、②無機材料の固体状態と熱力学について論じることができる。25%(d1)、③無機材料の熱的・弾性的性質について論じることができる。25%(d1)、④無機材料の電子構造と電気的特性について論じることができる。25%(d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1種々の無機材料の結晶構造の基礎と応用を理解する。種々の無機材料の結晶構造の基礎を理解する。種々の無機材料の結晶構造の基礎を概ね理解する。左記に達していない
評価項目2無機材料の固体状態と熱力学の基礎と応用を理解する。無機材料の固体状態と熱力学の基礎を理解する。無機材料の固体状態と熱力学の基礎を概ね理解する。左記に達していない
評価項目3無機材料の熱的・弾性的特性の基礎と応用を理解する。無機材料の熱的・弾性的特性の基礎を理解する。無機材料の熱的・弾性的特性の基礎を概ね理解する。左記に達していない
評価項目4無機材料の電子構造と電気的特性の基礎と応用を理解する。無機材料の電子構造と電気的特性の基礎を理解する。無機材料の電子構造と電気的特性の基礎を概ね理解する。左記に達していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
産業上重要な材料である鉄鋼材料および種々の無機材料の特性について、結晶構造・電子構造の観点から総合的に学習する。
○ 関連する科目:無機化学I(3学年履修) 無機化学II(同時期履修) 材料物理化学(5学年前期履修)
授業の進め方・方法:
固体材料の結晶構造・電子構造、および諸性質について、教科書を用いて講義していく。鉄鋼材料について、授業中に資料を配布する。また、授業で取り扱った無機材料に関してレポート作成課題を課す。レポートは、計算演習問題、材料の一般的な諸性質の記述問題、材料特性の起源となる結晶構造・電子構造の記述問題で構成する。
注意点:
無機材料は近年格段に進歩しており、様々なエネルギーデバイス、センサー等に応用されている。授業では実際の材料の活用について講義するが、全ての応用について扱えないので、適宜各自で調べること。また、材料の諸特性は、それを構成する結晶の幾何学的性質や電子構造を起源とするため、必ずその観点で材料の特性を論じるように心がけること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 固体化学概論 固体化学の学問体系について俯瞰する。
2週 結晶構造(1) 化学結合と結晶構造(1)結晶構造と対称性について理解する。
3週 結晶構造(2) 化学結合と結晶構造(2)イオン結合とイオン結晶の特徴について理解する。
4週 固体状態の熱力学(1) 相図と相転移について理解する。
5週 固体状態の熱力学(2) 2成分系状態図と欠陥について理解する。
6週 固相反応と合成 原子の拡散と固体の反応と合成について理解する。
7週 固体の構造解析とキャラクタリゼーション 構造解析における解析法と分光法について理解する。
8週 固体の熱的性質(1) 格子振動と熱容量について理解する。
4thQ
9週 固体の熱的性質(2) 熱膨張と熱伝導について理解する。
10週 固体の弾性的性質 弾性率について理解する。
11週 波数空間と統計力学 波数空間と統計力学について理解する。
12週 電子構造と電気伝導(1) 電子構造と電気伝導率について理解する。
13週 電子構造と電気伝導(2) バンド理論について理解する。
14週 電子構造と電気伝導(3) pn接合とダイオードについて理解する。
15週 結晶構造と熱的・電気的性質の総合的関係性 無機材料の結晶と熱的・電気的物性の関連性を理解する。
16週 第17週:発展授業 先端材料の特性について、結晶構造の観点から解説する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)純物質と混合物の区別が説明できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4

評価割合

レポート試験合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力302050