到達目標
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。原子の電子配置等の性質を理解する。25%(d1)、 分子の結合状態と構造について理解する。25%(d1)、 イオン性固体、金属等の結晶構造を性質を理解する。25%(d1), 無機反応(酸化・還元)を考え方を理解する。25%(d1)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 原子の電子配置等の性質の基礎と応用を理解する。 | 原子の電子配置等の性質の基礎を理解する。 | 左記に達していない。 |
評価項目2 | 分子の結合状態と構造についての基礎と応用を理解する。 | 分子の結合状態と構造についての基礎を理解する。 | 左記に達していない。 |
評価項目3 | イオン性固体、金属等の結晶構造を性質の基礎と応用を理解する。 | イオン性固体、金属等の結晶構造を性質の基礎を理解する。 | 左記に達していない。 |
評価項目4 | 無機反応(酸化・還元)を考え方の基礎と応用を理解する。 | 無機反応(酸化・還元)を考え方の基礎を理解する。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
物質とは、原子またはイオンで構成されている。そのため、物質の性質は、原子とその電子配置、さらには、原子間、イオン間の結合の特徴と関連付けることができる。無機化学Iでは、原子から分子、固体に至る基礎的知識を習得することを目的としている。
○関連する科目:無機化学演習(3学年前期履修)、無機化学Ⅱ(4学年前期履修)
授業の進め方・方法:
演習を行ないながら、理解度を深めていく。
注意点:
1,2年で習った基本的な化学物質の名称や化学式が書け、化学反応等における化学量論的な考察を心がけること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
原子の構造 |
原子の構造の基礎を理解する。(1)
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2週 |
原子の軌道と量子数 |
原子の構造の基礎を理解する。(2)
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3週 |
周期表と電子配置 |
原子の構造の基礎を理解する。(3)
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4週 |
同位体と原子量 |
原子の構造の基礎を理解する。(4)
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5週 |
原子の性質と周期表 |
元素の周期律の基礎を理解する。(1)
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6週 |
原子の大きさ |
元素の周期律の基礎を理解する。(2)
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7週 |
イオン化エネルギー |
元素の周期律の基礎を理解する。(3)
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8週 |
電子親和力 |
元素の周期律の基礎を理解する。(4)
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2ndQ |
9週 |
電気陰性度 |
元素の周期律の基礎を理解する。(5)
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10週 |
まとめ |
原子、電子の基礎的性質をまとめて理解する。
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11週 |
共有結合と軌道 |
共有結合の基礎を理解する。(1)
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12週 |
分子軌道法 |
共有結合と分子軌道の形成を理解する。
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13週 |
原子化結合法 |
共有結合と原子化結合法を理解する。
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14週 |
分子の立体構造と極性 |
分子構造を組み立てる。
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15週 |
分子の対称性 |
分子の対称性の基礎を理解する。
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16週 |
試験 |
試験
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後期 |
3rdQ |
1週 |
結晶構造(金属) |
1種類の球の充填を理解する。
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2週 |
結晶構造(イオン性固体) |
数種類の球で構成される充填を理解する。
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3週 |
結晶構造に影響を与える因子 |
結晶構造の組み立てを理解する。
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4週 |
イオン性固体と格子エネルギー |
格子間エネルギーと熱力学を理解する。
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5週 |
金属と類金属の定義 |
金属結合と性質を理解する。
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6週 |
金属結合とエネルギーバンド理論 |
エネルギーバンド理論を理解する。
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7週 |
酸と塩基(HSAB概念) |
硬い、軟らかい酸塩基の概念を理解する。
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8週 |
酸と塩基(オキソ酸) |
ポーリングのオキソ酸に関する考えを理解する。
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4thQ |
9週 |
酸化と還元(標準酸化還元電位) |
起電力の基礎を理解する。
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10週 |
酸化と還元(自由エネルギー変化との関係) |
熱力学と酸化還元を理解する。
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11週 |
酸化と還元(電池) |
電池の基礎を理解する。
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12週 |
s-ブロック元素(アルカリ金属) |
アルカリ金属の基礎を理解する。
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13週 |
s-ブロック元素(アルカリ土類金属) |
アルカリ土類金属の基礎を理解する。
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14週 |
p-ブロック元素(12、13、14族) |
12、13、14族の元素の基礎を理解する。
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15週 |
期末試験 |
期末試験
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16週 |
無機化学全般のまとめ |
無機化学の将来について
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 4 | 前1 |
原子のイオン化について説明できる。 | 4 | 前7,前8,前9 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 4 | 前7,前8,前9 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 4 | 前7,前8 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 4 | 前7,前8,前9 |
イオン結合について説明できる。 | 4 | 前7,前8,前9 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 4 | 前7,前8,前9 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 4 | 前7,前8,前9 |
共有結合について説明できる。 | 4 | 前11 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 4 | 前11 |
酸化還元反応について説明できる。 | 4 | 後9,後10,後11 |
イオン化傾向について説明できる。 | 4 | 前9 |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 4 | 後9,後10,後11 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前10 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前10 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前9,前10 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前9,前10 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前9,前10 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前9,前10 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 相互評価 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 10 | 50 |
専門的能力 | 40 | 10 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |