構造解析学Ⅰ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 構造解析学Ⅰ
科目番号 0111 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎からわかる機器分析,加藤正直他,森北出版,穴埋めテキスト配付
担当教員 鈴木 秋弘

到達目標

(科目コード:41640,英語名:Structural Analysis in Organic Chemistry I )
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。
この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を以下に示す。
①構造解析に利用される分析機器類の原理を理解する10%(d1)、②UV-VIS、IR、NMR、MS の各スペクトルの解析演習を通して、構造解析の手法を理解する80%(d1)、③各分析機器の相補的関係を理解する10%(d1)。
授業計画の週は、回と読み替えること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1構造解析に利用される分析機器類の原理を詳細に理解している。構造解析に利用される分析機器類の原理を理解している。構造解析に利用される分析機器類の原理を概ね理解している。左記に達していない。
評価項目2UV-VIS、IR、NMR、MS の各スペクトルの解析演習を通して、構造解析の手法を詳細に理解している。UV-VIS、IR、NMR、MS の各スペクトルの解析演習を通して、構造解析の手法を理解している。UV-VIS、IR、NMR、MS の各スペクトルの解析演習を通して、構造解析の手法を概ね理解している。左記に達していない。
評価項目3各分析機器の相補的関係を詳細に理解している。各分析機器の相補的関係を理解している。各分析機器の相補的関係を概ね理解している。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
有機化合物の構造と性質の関係を理解するには、まずその構造を知ることが必要である。構造決定は、各種の物理的方法(赤外吸収、紫外可視吸収、核磁気共鳴、質量分析法など)を駆使して行われる。構造決定に利用される分析機器類の原理と測定手法を学ぶとともに、スペクトル解析の演習を通して構造決定の手法を学ぶ。
〇関連する科目:材料化学実験(4 学年前期)、機器分析(4 学年前期)、構造解析学 II(5 学年 後期)
授業の進め方・方法:
主に有機化合物の構造決定に使用するUV-vis, IR, NMR, MSを各3回で学。1回目で解説し、2回目は演習を行う。そして、最後の3回目は、確認テストを行い学習成果を確認する。
週ごとの到達目標は、記入欄にある課題を事前・事後学習として実施することで達成する。
注意点:
4年次の「機器分析」及び各コース実験で使用した分析機器類を復習し、学内にある測定機器にも関心をもつこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 校内分析機器の紹介、機器分析概要 実験、研究で利用できる分析機器を知る。
課題:1章、Q1.1-1.3
2週 紫外可視吸収スペクトル(UV-VIS)装置と原理 UV-VISの原理を理解する。
課題:2章、Q2.1-2.2
3週 紫外可視吸収スペクトルの測定法と解析法(演習) UV-VIS測定データを用いた解析手法を理解する。
配付演習課題
4週 紫外可視吸収スペクトルの確認テスト、解説 解析手法の習熟度を確認する。
5週 赤外吸収スペクトル(IR)装置と原理 IRの原理を理解する。
課題:5章、Q5.1-5.5
6週 赤外吸収スペクトルの測定法と解析法(演習) IR測定データを用いた解析手法を理解する。
配付演習課題
7週 赤外吸収スペクトルの確認テスト、解説 解析手法の習熟度を確認する。
8週 核磁気共鳴吸収スペクトル(NMR)装置と原理 NMRの原理を理解する。
課題:6章、Q6.1-6.9
2ndQ
9週 核磁気共鳴吸収スペクトルの測定法と解析法(演習) NMR測定データを用いた解析手法を理解する。
配付演習課題
10週 核磁気共鳴吸収スペクトルの確認テスト、解説 解析手法の習熟度を確認する。
11週 質量スペクトル(MS)装置と原理 MSの原理を理解する。
課題:7章、Q7.1-7.5
12週 質量スペクトル原理と解析(演習) MS測定データを用いた解析手法を理解する。
配付演習課題
13週 質量スペクトルの確認テスト、解説 解析手法の習熟度を確認する。
14週 最近のトピックス 1(各種分析機器の歴史・進歩) 最新の分析機器の動向を理解する。
15週 最近のトピックス 2(各種分析機器の組合せ) 最新の分析機器の動向を理解する。
16週 前期末試験、試験解説および発展授業
17週:試験解説・発展授業
試験時間:50分、
試験解説と発展授業

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4前2,前3,前4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前2,前5,前8,前11
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4前14,前15
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前12,前13
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前12,前13
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前1,前2,前3,前5,前8,前9,前11,前12,前14,前15

評価割合

試験確認テスト合計
総合評価割合6040100
基礎的能力202040
専門的能力402060
分野横断的能力000