卒業研究

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 卒業研究
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 10
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 10
教科書/教材 各研究室指定
担当教員 奥村 寿子,物質工学科 全教員

到達目標

(科目コード:41090、英語名:Graduation Research)
この科目は長岡高専の教育目標の(B,D,E,F,G)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。①卒業研究を通して、研究テーマに対する研究手法を習得する。15%(f1-2,g1-2)、②研究遂行に必要な実験方法、機器分析手法、解析手法を理解する。15%(e1-2,d2)、③研究結果のまとめ方を理解する。30%(b1-3)、④分析結果の解析法を理解する。30%(b1-3)、⑤実験結果のまとめ方を理解する。10%(g1-2)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1卒業研究を通して、研究テーマに対する研究手法の詳細を習得する。卒業研究を通して、研究テーマに対する研究手法を習得する。卒業研究を通して、研究テーマに対する研究手法を概ね習得する。左記に達していない。
評価項目2研究遂行に必要な実験方法、機器分析手法、解析手法の詳細を理解する。研究遂行に必要な実験方法、機器分析手法、解析手法を理解する。研究遂行に必要な実験方法、機器分析手法、解析手法を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目3研究結果のまとめ方の詳細を理解する。研究結果のまとめ方を理解する。研究結果のまとめ方を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目4分析結果の解析法の詳細を理解する。分析結果の解析法を理解する。分析結果の解析法を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目5実験結果のまとめ方の詳細を理解する。実験結果のまとめ方を理解する。実験結果のまとめ方を概ね理解する。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ひとつの研究課題について、指導教員の指導の下で1年間にわたり文献検索から、実験の進め方、実験結果の解析、そして最終的な研究のとりまとめと発表方法に至るまでの研究活動の全般を学ぶ。単なる追試的実験ではなく、新しい実験方法の開拓、新しい現象の発見さらには新しい材料やプロセスの開発を目指して実験・研究を行うものである。
○関連する科目:創造実験(4学年後期履修)、論文輪講(5学年履修)、企業実習I,II(4学年前期履修)、物質工学特別研究(専攻科1、2学年履修)、その他1学年から履修した各専門科目および物質工学実験ならびに各コース実験全般
授業の進め方・方法:
ひとつの研究課題について、指導教員の指導の下で1年間にわたり文献検索から、実験の進め方、実験結果の解析、そして最終的な研究のとりまとめと発表方法に至るまでの研究活動の全般を学ぶ。理解度・習得の程度は,卒業論文(50%)、中間発表(20%)、卒研発表(30%)で評価し、レポートと中間発表についての評価は個々の指導教員が行い、卒表研究発表の評価は物質工学科全教職員で行う。
注意点:
高専5年間の総まとめとして、新しい「何か」を求め、自らのテーマに積極的に取り組むことが重要である。そして、得られた研究成果は積極的に外部へアピール・発表することが必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 各研究室において卒業研究に取り組み、10月に中間発表、1月末から2月初旬に卒業研究発表を行い、卒業論文をまとめる。 以下の各研究室における研究活動を通じて、実験・計測・分析方法、考察・レポート作成、 技術者としての倫理、国際貢献・地域貢献、知的財産、法令順守、持続可能性、技術史、コミュニケーションスキル、合意形成、情報収集・活用・発信力、課題発見、論理的思考力、主体性、自己管理力、責任感、チームワーク、リーダーシップ、未来志向性・キャリアデザイン、学習と企業活動の関連、総合的な学習と創造的思考力、に関する知識や能力を身に付ける。
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前1
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前1
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3前1
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前1
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3前1
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3前1
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3前1
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3前1
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3前1
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前1
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前1
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3前1
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3前1
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3前1
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3前1
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3前1
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前1
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前1
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3前1
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3前1
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前1
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前1
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前1
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前1
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前1
合意形成のために会話を成立させることができる。3前1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前1
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前1
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前1
複数の情報を整理・構造化できる。3前1
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前1
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前1
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前1
目標の実現に向けて計画ができる。3前1
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前1
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前1
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前1
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前1
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前1
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前1
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前1
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前1
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前1
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前1
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前1
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3前1
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3前1
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3前1
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3前1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前1
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前1
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前1
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3前1
企業には社会的責任があることを認識している。3前1
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3前1
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3前1
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3前1
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前1
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前1
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前1
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前1
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前1
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前1
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前1
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前1
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前1

評価割合

中間発表卒業研究発表卒業論文合計
総合評価割合203050100
基礎的能力5101025
専門的能力10102040
分野横断的能力5102035