食品製造工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 食品製造工学
科目番号 0116 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 菅原 正義,小林 篤

到達目標

(科目コード41660、英語名:Food manufacturing engineering) 
この科目は長岡高専の学習・教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育目標との関連を以下の表に示す。①食品成分の物性的・化学的特徴を理解する。 25%(d1)、②食品加工に用いられる単位操作とその特徴を理解する 。25%(d1)、③穀類の加工過程を理解する 。25%(d1)、④近年、開発された新しい食品加工技術とその特徴を理解する 。25%(d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種穀物の性質と一次加工を理解する。各種穀物の性質と一次加工を概ね理解する。各種穀物の性質と一次加工を最低限理解する。左記には達していない。
評価項目2各種穀物の二次加工について理解する。各種穀物の二次加工を概ね理解する。各種穀物の二次加工を最低限理解する。左記には達していない。
評価項目3各種穀物の三次加工を理解する。各種穀物の三次加工を概ね理解する。各種穀物の三次加工を最低限理解する。左記には達していない。
評価項目4高圧処理等新しい食品加工技術を理解する。高圧処理等新しい食品加工技術を概ね理解する。高圧処理等新しい食品加工技術を最低限理解する。左記には達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 米を中心とした穀類の特徴と加工特性を解説し、実際の加工工程を紹介する(菅原)。
「食」の根本的役割を考え、「健康」「長寿」「文化」「生理」「人類保存」などの立場から、真の食品加工とは如何にあるべきか、また、製品開発を行う視点や最近の先端加工技術の一部を紹介し、学生の「食」への認識の意義と今後の研究動向を示唆する(小林)。
この科目は企業で機能性食品素材開発を行っていた菅原と現在も企業で研究開発に従事している小林が、その経験を活かし、食品製造プロセスについて講義形式で授業を行うものである。
○関連する科目:食品化学(5学年前期履修),食品栄養学(専1学年前期・選択)
授業の進め方・方法:
一般的講義形式
注意点:
飽食の時代を迎え、とかく嗜好にのみ流されやすい「食」の本質を見直し、その重要性を認識していただくとともに、次世代の代表として人類を支えていくための「食文化の創造」に取り組んでいただきたい。研究者を志望する諸君は、現在注目されている食品の研究課題を概観しながら工業化されている具体例を通して研究・開発の実態を学んでほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、食品とは 食品プロセスの特殊性を理解する。
2週 穀物の一次加工(米) 米の性質と一次加工を理解する。
3週 穀物の一次加工(小麦・大麦) 小麦・大麦の性質と一次加工を理解する。
4週 穀物の二次加工(米) 米の二次加工を理解する。
5週 穀物の二次加工(小麦) 小麦の二次加工を理解する。
6週 トウモロコシの一,二次加工 トウモロコシの一,二次加工を理解する。
7週 大豆の一,二次加工 大豆の性質と一,二次加工を理解する。
8週 醸造(清酒・種類) 醸造における微生物の働きについて理解する。
4thQ
9週 醸造(醤油・味噌) 醸造における微生物の働きについて理解する。
10週 食品保蔵
食品の保蔵に付いて理解する。
11週 期末試験(菅原分)
12週 「食」の根本的役割について、「健康」 「長寿」 食と健康について理解する。
13週 食品加工の意義 食品加工の異議を理解する。
14週 新しい食品加工技術 高圧利用など新しい食品加工技術について理解する。
15週
16週 食品加工の先端技術例として、低アレルゲン化技術
の実際について研究所・工場の見学を通じて学習
越後製菓工場見学

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。2前1,前15
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。2前1,前13,前15
生物化学単糖と多糖の生物機能を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6
グリコシド結合を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6
多糖の例を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6
脂質の機能を複数あげることができる。4後6,後7
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4後6,後7
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4後7
タンパク質の高次構造について説明できる。4後7
生物工学アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4前10,前11,前15,後8,後9
食品加工と微生物の関係について説明できる。4前10,前11,前13,前15,後8,後9,後10,後14

評価割合

試験ポートフォリオ合計
総合評価割合6040100
基礎的能力252045
専門的能力251035
分野横断的能力101020