食品化学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 食品化学
科目番号 0121 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 エッセンシャル食品化学(中村宜督・榊原啓之・室田佳恵子、講談社)
担当教員 菅原 正義

到達目標

(科目コード:41440、英語名:Food chemistry)
この科目は長岡高専の学習・教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育目標との関連を次に示す。①糖質、タンパク質、脂質の構造と化学的性質がわかる 。40%(d19)、②デンプンの糊化・老化現象と多糖類のゲル化機構がわかる 。20%(d1)、③褐変・油脂の過酸化などの成分間反応がわかる 。20%(d1)、④成分間反応を制御することができる 。20%(d1)。本科目は、SDGsの目標の2(飢餓をゼロに)、3(すべての人に健康と福祉を)達成を目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1食品成分の化学的性質を理解する。食品成分の化学的性質を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目2デンプンの糊化老化等、食品中の高分子物質の性質を理解する。デンプンの糊化老化等、食品中の高分子物質の性質を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目3褐変などの成分間反応を理解する。褐変などの成分間反応を概ね理解する。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
食品を構成する成分(炭水化物、脂質、タンパク質)の化学的性質と、保蔵時や加工時における成分間反応を理解し、さらに最近注目されている食品の生理的機能性について解説する。この科目は、企業で機能性食品の生理機能研究を担当していた教員が、その経験を活かし、食品成分の化学について講義形式で授業を行うものである。
○関連する科目:生物化学Ⅰ(3学年通年履修)、 生物化学Ⅱ(4学年前期履修)、食品製造工学(5学年後期・選択)
授業の進め方・方法:
一般的な講義形式。
注意点:
3年次生物化学Ⅰと同様の内容が含まれるが、復習の意味でもしっかり理解し修得して欲しい。基本的に覚えるべき知識量が多いため、自学自習が必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 概論,なぜ食品化学を勉強するのか 食品化学の内容と全体の目標を理解する。
2週 栄養学概論

栄養素について理解し消化吸収、代謝について理解する。
3週 栄養学概論
栄養素について理解し消化吸収、代謝について理解する。
4週 食品機能 食品の一~三次機能について理解する。
5週 炭水化物(単糖) 炭水化物(単糖)の化学的性質を理解する。
6週 炭水化物(少糖類) 炭水化物(少糖類)の化学的性質を理解する。
7週 炭水化物(多糖類) 炭水化物(多糖類)の化学的性質を理解する。
8週 アミノ酸・タンパク質 アミノ酸・タンパク質の化学的性質を理解する。
4thQ
9週 脂質 脂質の化学的性質を理解する。
10週 無機質・ビタミン 無機質・ビタミンの化学的性質を理解する。
11週 デンプン・ペクチン 植物性食品の物性の理解に重要なデンプンとペクチンの化学的性質を理解する。
12週 脂質の酸化 脂質の熱酸化、自動酸化、酵素酸化を理解する。
13週 成分間反応 褐変現象などの成分間反応を理解する。
14週 酵素利用と酵素的品質医劣化 食品産業における酵素利用と酵素的品質低下について理解する。
15週 全体の復習とまとめ
16週 期末試験 17週 解答及び発展的学修

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4後1
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4後5,後8
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4後5,後7,後11
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4後5,後6
グリコシド結合を説明できる。4後6
多糖の例を説明できる。4後7,後11
脂質の機能を複数あげることができる。4後9,後12
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4後9
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4後8
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4後8
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4後8
タンパク質の高次構造について説明できる。4後8
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後10,後14
解糖系の概要を説明できる。4
クエン酸回路の概要を説明できる。4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4
炭酸固定の過程を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4後13

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力4040
専門的能力4040
分野横断的能力2020