この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を以下の表に示す。①生化学実験に必要な機器の操作法と試薬の調製法を習得する。10% (d1)、②微生物を取扱うのに必要な滅菌、無菌操作等の基本的操作ができる。15% (d1)、③微生物の顕微鏡観察と簡易同定ができる。 10% (d1)、④発酵食品試作の中で微生物の機能を理解する。 15% (d1)、⑤タンパク質・DNAを取り扱う際の注意を理解する。 17% (d1)、⑥タンパク質の性質を理解、それを応用した適切な分離・分析ができる。 17% (d1)、⑦遺伝子工学・バイオインフォマティクスの基礎を理解する。 16% (d1)。
概要:
生物機能を応用し物質生産を目指す分野において、微生物、細胞の取扱やタンパク質などの生体成分の取り扱いは、根幹的基礎技術である。物質工学科の生物応用コースを志望し、将来生物工学分野の仕事、研究に従事したいと考える学生にとって、この基本的技術修得は重要である。このような独特の取り扱い手技を理解し、適切に行うことができるようになることを本実験の目的とする。
○関連する科目:卒業研究(5年次履修)、物質工学実験(化工)(5年次履修)
授業の進め方・方法:
前期は微生物関係、後期は酵素関係の実験を行う。微生物や生体物質取扱法の修得は、今後の実験や卒業研究、卒業後においても重要な基礎技術であるので正しい方法・技術を身につけること。
注意点:
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 前8,前10,後2,後3 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | 前13,前14,前15,後9 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | 前13,前14,前15,後9 |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 4 | 後9 |
生物化学 | タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | 後2 |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 4 | 前7,後8 |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 4 | 前5,前6,前8,前9,前10,後11 |
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 4 | 前11,前12 |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 4 | 前5,前6,前9,後8,後11 |
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 4 | 前5,前6,前9,後12,後13 |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前9,前10,後12,後13 |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 4 | 前4 |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | 前1,前2,前3,前11,前12,前13,前14,前15,後8 |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | 前12,後3,後4 |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | 後1,後3,後4,後9 |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | 後5,後6,後7,後10 |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 4 | 後3,後4 |