この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①波動関数の意味を理解し、原子軌道、分子軌道の形と化学結合の関連について理解する。 50% (d1)
②分子軌道をもとに、共役分子、錯体、固体等の電子構造を理解する。 50% (d1)
概要:
物理化学は、すべての化学分野における基礎概念と理論体系を与える。3年次では物理化学Ⅰで熱力学、電気化学、反応速度論の基礎を学んだ。物理化学Ⅱでは量子論の基礎と応用について学ぶ。
○関連する科目: 物理化学Ⅰ(本科3年次履修),材料物理化学(本科4年次、本科5年次履修)
授業の進め方・方法:
次に示す項目・割合で達成目標に対する理解の程度を評価する。60点以上を合格とする。
● 定期試験(85%)(内訳:後期中間 40、後期末 45)
● その他の試験(0%)
● 小テスト、レポート(15%)
● その他(0%)
注意点:
微分、積分等の数学の基礎が重要である。行列式、微分方程式を解くことも要求される。本科目は化学結合を理解するための基礎理論であり、物理化学のみならず、無機化学、有機化学で議論される化学結合形成の理解にも役に立つ。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | |
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。 | 4 | |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。 | 3 | 後1 |
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 後1 |
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。 | 3 | |
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 4 | |
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。 | 3 | |
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。 | 3 | |
合成関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。 | 3 | |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | 後2,後5 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | 後2,後5 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 後5,後6 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | 後6 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | 後6 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 後9 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | 後9,後10 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | 後11,後12 |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 4 | 後13 |
配位数と構造について説明できる。 | 4 | 後13 |
分析化学 | 光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 4 | 後11,後13 |