材料物理化学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料物理化学
科目番号 0165 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 村上 能規

到達目標

この科目は長岡高専の学習・教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順に示す。①固体化学の反応について学ぶ。25%(d1)、②触媒の構造および反応に関して基本的水準での理解を得る。25%(d1)、③光化学および光が関わる電気化学について基本的水準での理解を得る。50%(d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
固体化学の反応に関する事項について説明し応用することができる固体化学の反応に関する事項について理解している 固体化学の反応に関する事項についての基本的な理解に達しない
表面の化学反応(触媒)に関し説明し応用することができる表面の化学反応(触媒)に関し基本的水準での理解を得る表面の化学反応(触媒)に関し基本的水準の理解に達しない
材料の光化学について説明し応用することができる材料の光化学について基本的水準での理解を得る材料の光化学について基本的水準の理解に達しない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
無機材料の合成や工業的製法に関係する各種プロセスの物理化学的基礎を学ぶ。
○関連する科目:「物理化学Ⅰ」(本科3年次)、「物理化学Ⅱ」(本科4年次履修)、「物性化学」(専攻科1年次履修)
授業の進め方・方法:
通常の授業形式で進める.資料配布、スライド使用
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要 この授業を通じて学ぶこと
2週 結晶化反応、相平衡と相転移 核生成、不均一核生成、相律、再編型相転移、変位型相転移
3週 拡散過程と焼結、固相の反応 格子間機構、空孔機構、リング機構、加成反応、交換反応
4週 固体触媒の表面構造と電子状態 表面構造モデル、ミラー指数、表面欠陥、表面バンド構造と吸着
5週 固体触媒反応の素過程と速度論 物理吸着、化学吸着、ランミュアー吸着、構造敏感反応
6週 触媒の作製法、評価法 共沈法、含浸法、ゾル・ゲル法、回分式、流通式、パルス法
7週 環境エネルギー関連触媒 自動車触媒、脱硫触媒、水素製造触媒、光触媒
8週 光反応の特徴 熱反応と光反応の違い、電子励起状態、選択則
2ndQ
9週 分子と光の相互作用 ジャブロンスキー図、一重項、三重項
10週 光反応の実験法、解析法 量子収率、消光、Stern-Volmer式
11週 光誘起電子移動反応 エキシマ―、エキサイプレックス、電荷移動錯体、マーカス理論
12週 光増感反応 三重項増感、アルケンのE-Z異性化、色素増感作用
13週 自然界における光化学、発光現象 光合成、視覚の光化学、大気における光化学、化学発光
14週 光が関わる電気化学反応、光触媒作用 酸化還元電位、フェルミ準位、電気二重層、バンド曲がり
15週 期末試験
16週 試験解説と発展授業 試験内容の理解と全般的なまとめを行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3

評価割合

試験その他合計
総合評価割合6040100
基礎的能力402060
専門的能力202040
分野横断的能力000