コンピュータビジョン

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 コンピュータビジョン
科目番号 0006 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 3rd-Q 週時間数 4
教科書/教材 配布プリント
担当教員 高橋 章,上村 健二

到達目標

(科目コード:A1311、英語名:Computer Vision)(本科目は2時限/回の授業を週に2回行う形式で進めるので十分注意すること)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
1.ベクトル演算・行列演算を理解する。(C1),(C2),(E1),60%
2.射影幾何学について基本概念を理解する。(D1),40%

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル演算・行列演算を用いて三次元空間における線形変換を取り扱うことができる。ベクトル演算・行列演算を用いて三次元空間における線形変換に関する問題を70%以上解くことができる。ベクトル演算・行列演算を用いて三次元空間における線形変換に関する問題を60%以上解くことができる。左記に達していない。
評価項目2射影変換の基本概念を理解し複比を用いた実践的な問題を解くことができる。射影変換の基本概念を理解し複比を用いた基本的な問題を解くことができる。射影変換の基本概念をある程度理解し,複比を用いた基本的な問題を半数以上解くことができる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ディジタルカメラで撮影された2次元の画像には、3次元世界の情報が縮退され写し込まれている。コンピュータビジョンとは、2次元の画像から元の3次元世界の情報を取り出すこと、人の視覚認識をコンピュータに代替させることを目標とする研究分野である。この講義では、画像や撮像系、表色系の数学的モデル、射影幾何学、ステレオカメラによる3次元計測などの基本的な理論を紹介する。
この講義は複数教員担当方式で実施する。
〇関連する科目:計算機システム(EE5年次履修),信号理論(前期履修)
授業の進め方・方法:
講義時間の1/3程度は演習を行い、ベクトル演算や行列演算を実用的な側面から理解することを目指す。この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポート課題などを実施する。
注意点:
基本原理の習得を目的に、多くの演習を行うのでできるだけ欠席しないこと。数学で学んだ平面幾何、立体幾何、ベクトル、行列について十分復習しておくことが望ましい。表面的な丸暗記をするのではなく、基本原理や考え方を身につけるよう心がけてほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 第1回:ガイダンス、コンピュータビジョンの概説
第2回:ベクトル・行列(1)
第1回:コンピュータビジョンや関連する用語について理解する。課題:ディジタル画像表現法の調査,画像機器の調査など
第2回:線形代数におけるベクトル演算、行列演算を復習し、その基本事項を理解する。課題:ベクトル演算,行列演算
2週 第3回:ベクトル・行列(2)
第4回:幾何学(1)
第3回:線形代数におけるベクトル演算、行列演算を復習し、その基本事項を理解する。課題:ベクトル演算,行列演算
第4回:平面や空間中での直線の表現方法を理解する。課題:幾何学の演習問題
3週 第5回:幾何学(2)
第6回:座標変換,自由度
第5回:平面や空間中での平面の表現方法を理解する。課題:幾何学の演習問題
第6回:平面や空間中での座標変換を同次座標変換行列で表現できることを理解する。平面や空間中の自由度について理解する。課題:座標変換の演習、自由度の演習
4週 第7回:人間の視覚特性・表色系
第8回:カメラの数学的モデル
第7回:人間の視覚特性について理解し、色を数値表現するための表色系について基本事項を理解する。課題:視覚特性・表色系の調査・演習
第8回:カメラの数学的モデルについて理解する。課題:カメラの数学モデルの演習
5週 第9回:共線条件・共面条件
第10回:平行投影モデル
第9回:共線条件・共面条件について理解する。課題:共線条件・共面条件の演習
第10回:平行投影モデルを用いた平行2直線や直交2直線などの姿勢推定について基本事項を理解する。課題:平行投影モデルの演習
6週 第11回:射影幾何学(1)
第12回:射影幾何学(2)
第11回:透視投影モデルを用いた平行2直線や直交2直線などの姿勢推定について基本事項を理解する。課題:透視投影モデルの演習
第12回:射影幾何学における複比について基本事項を理解する。課題:透視投影モデルの演習
7週 第13回:ステレオカメラ(1)
第14回:ステレオカメラ(2)
第13回:三角測量の原理と平行ステレオカメラによる三次元計測について基本事項を理解する。課題:ステレオカメラの演習
第14回:ステレオカメラによる三次元計測における誤差の異方性について理解する。課題:ステレオカメラの誤差推定の演習
8週 第15回:総合演習
第16回:総合演習の講評,実画像からの計測について
第15回:総合的な問題演習を行う。
第16回:実画像からの三次元計測について概要を理解する。課題:実画像計測に関する調査

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。5後2
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。5後2
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。5後4
簡単な連立方程式を解くことができる。5後4
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。5後4
角を弧度法で表現することができる。5後2
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。5後2
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。5後6
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。5後6
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。5後6
2点間の距離を求めることができる。5後2,後3
内分点の座標を求めることができる。5後2,後3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。5後4,後5
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。5後2,後3,後4,後5
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。5後4,後5
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。5後4,後5
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。5後4,後5
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。5後4,後5
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。5後3,後6
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。5後6
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。5後6
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。5後6
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。5後6
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。5後6
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。5後4
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。5後4
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。5後5
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。5後5

評価割合

レポート総合演習授業内での演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合306010000100
基礎的能力1550400069
専門的能力105400019
分野横断的能力55200012