レオロジー

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 レオロジー
科目番号 0008 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント
担当教員 永井 睦

到達目標

(科目コード:A1231,英語名:Rheology ) この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる.
この科目の到達目標と,成績評価上の重み付け,各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を次に示す.
①典型的な物体の変形と流動の形態について理解する.20%(D1)
②材料特性を応力とひずみの関係として理解する.30%(D1)
③一般的な流体(非ニュートン流体)の粘度データの取り扱い方を理解する.25%(D1)
④線形粘弾性における過渡特性と周波数特性を理解する.25%(D1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1典型的な物体の変形と流動の形態について詳細に理解する.典型的な物体の変形と流動の形態について理解する.典型的な物体の変形と流動の形態について概ね理解する.左記に達していない.
評価項目2材料特性を応力,ひずみの関係として詳細に理解する.材料特性を応力とひずみの関係として理解する.材料特性を応力とひずみの関係として概ね理解する.左記に達していない.
評価項目3一般的な流体(非ニュートン流体)の粘度データの取り扱い方を詳細に理解する.一般的な流体(非ニュートン流体)の粘度データの取り扱い方を理解する.一般的な流体(非ニュートン流体)の粘度データの取り扱い方を概ね理解する.左記に達していない.
評価項目4線形粘弾性における過渡特性と周波数特性を詳細に理解する.線形粘弾性における過渡特性と周波数特性を理解する.線形粘弾性における過渡特性と周波数特性を概ね理解する.左記に達していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
レオロジーとは物質の変形と流動を取りあつかう科学と広範に定義されている. プラスチック成形法の発達の過程で,樹脂材料の成形性評価を通して長足の進歩を遂げた高分子レオロジーは,工学的な応用において成功を納めた最も顕著な例である.
本講義では,粘弾性に代表される工学的に重要性の高い物質のレオロジー的性質を定量的に数式モデルで表現する手法を理解し,各種測定法の基礎理論を習得することを目的とする.
〇関連する科目:材料力学Ⅱ(電子制御工学科,前年度履修)
授業の進め方・方法:
授業内容に沿った演習を適宜行い,レポートを課す.この授業は学修単位科目のため,事前・事後学習として「週ごとの到達目標」欄にある課題等を予習・復習することが必要である.
注意点:
材料の特性を扱う講義内容であるため,直接には材料力学,流体力学との関連が深い.一方で線形粘弾性理論を理解する上では,電気回路の交流理論および制御工学の線形システムの考え方が役立つ.本科で履修した者は,一通り復習しておくことを勧める.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 レオロジーの概念 物質の変形と流動に関する学問であるレオロジーの概念と,取り扱う対象となる物質の力学的性質の概要について理解する。  レオロジー的性質の分類に関する課題
2週 粘度測定法概説 流体の主な粘度測定方法の概要として測定範囲,利点,問題点などについて理解する.                  各種粘度測定法に関する課題
3週 ニュートン流体の粘度測定 細管粘度計を題材に,ニュートン流体の粘度測定法の原理を理解する.             2次元流動を利用したニュートン流体の粘度決定法に関する課題
4週 非ニュートン流体の粘度測定(1) 細管粘度計を題材に,非ニュートン流体の基礎となる,べき乗則流体の粘度測定法の原理を理解する.                     2次元流動を利用したべき乗則流体の粘度決定法に関する課題
5週 非ニュートン流体の粘度測定(2) 細管粘度計を題材に,一般的な非ニュートン流体の粘度測定法の原理を理解する.              2次元流動を利用した一般非ニュートン流体の粘度決定法に関する課題
6週 非ニュートン流体の粘度測定(3) 回転粘度計を題材に,ニュートン流から非ニュートン流体までの粘度測定法の原理を理解する.                回転流動を用いたべき乗則流体の粘度決定法に関する課題
7週 中間試験 レオロジーであつかう物質の力学的性質と粘度測定法についての理解度の確認を行う.試験時間:80分
8週 線形粘弾性理論(1) 基本的な線形粘弾性モデルとしてMaxwellモデルとVoigtモデルの特徴を理解する. 線形粘弾性モデルに関する課題
4thQ
9週 線形粘弾性理論(2) MaxwellモデルとVoigtモデルを基礎にした,多要素モデル,一般化モデルの構成方程式を理解する.                多要素モデルの構成方程式に関する課題
10週 線形粘弾性理論(3) MaxwellモデルとVoigtモデル,一般化モデルの過渡応答の求め方を理解する.         多要素モデルの過渡応答に関する課題
11週 線形粘弾性理論(4) MaxwellモデルとVoigtモデル,一般化モデルの周波数応答の求め方を理解する.             一般化モデルの周波数応答に関する課題
12週 線形粘弾性理論(5) MaxwellモデルとVoigtモデル,一般化モデルについて,過渡応答と周波数応答の関係と一般的な応答の求め方を理解する.     過渡応答と周波数応答の関係に関する課題
13週 線形粘弾性理論(6) 溶融樹脂を題材に,粘弾性の温度依存性および圧力依存性について理解する.     粘弾性の温度依存性,圧力依存性に関する課題
14週 線形粘弾性理論(7) 工学に現れる粘弾性に関係する諸現象について理解する.                     粘弾性に関係する現象に関する課題
15週 線形粘弾性理論(8) 線形粘弾性モデルの各種力学的応答のまとめを行う.                    粘弾性応答に関する課題
16週 期末試験                    17週:試験解説・発展授業 試験時間:80分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。4
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。4
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。4
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。4
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。4
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。5
応力とひずみを説明できる。5
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。5
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。5
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。5
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000