到達目標
(科目コード:A1260、英語名:Linear Control System) (本科目は2 時限/回の授業を週に2回行う形式で進めるので十分注意すること)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①システムを状態方程式で記述できる。20% (B2), (D1)、
②システムの固有値と時間応答の関係を説明できる。20% (B2), (C1), (D1)、
③システムの構造と正準形式を説明できる。20% (B2), (D1)、
④安定性の解析・判別ができる。20% (B2), (C2), (D1)、
⑤状態フィードバック制御系が設計できる。20% (B2), (D1)。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
①状態方程式 | 2階以上の微分方程式を状態空間表現で表現できる。 | 2階までの微分方程式を状態空間表現で表現できる。 | 2階までの微分方程式を状態空間表現で表現する方法を説明できる。 | 左記に達していない。 |
②固有値と時間応答の関係 | 状態空間表現から単位ステップ応答までの時間応答が計算できる。 | 状態空間表現から自由応答の時間応答が計算できる。 | 状態空間表現から応答の時間応答の計算方法を説明できる。 | 左記に達していない。 |
③システムの構造と正準形式 | 正準形式への変換が自由にできる。 | ある正準形式の変換ができる。 | 正準形式への変換方法を説明できる。 | 左記に達していない。 |
④安定性の解析
| システムの漸近安定性、入出力安定性を理解し、安定判別できる。
| システムの漸近安定性の判別ができる。
| システムの漸近安定性の説明ができる。
| 左記に達していない。 |
⑤状態フィードバック制御系
| 状態フィードバックによる、速応性の改善を狙った制御系設計ができる。
| 状態フィードバック制御系を構成できる。
| 状態フィードバック制御系について説明できる。
| 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
状態方程式を用いて時間領域で解析・設計が可能な現代制御理論の基礎を学ぶ。主に、システムの内部の状態や構造に立ち入った安定性の解析手法について学ぶ。
○関連する科目:制御工学B(M4年次履修),メカトロニクス(M前年度履修),システム制御工学B(EE前年度履修),線形制御(EC前年度履修),ロボット工学(EC前年度履修)
分担:オムニバス方式(担当教員が隔年で実施)
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として課題レポートを課す。また自主学習を促し、授業内容の理解度合いを測るため授業内容に沿った小テストを適宜実施する。
注意点:
講義で学ぶ抽象的な理論を、各自の様々な経験や身近な体験を通して説明できるように理解を深めることが重要である。
本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
第1回:現代制御とは(状態空間表現の基礎) 第2回:状態空間表現 |
第1回:古典制御と現代制御の差異を理解し、行列、ベクトルによる表現に慣れる。 【課題】古典制御に関する課題 第2回:2階以上の微分方程式を状態空間表現で表現できる。 【課題】状態空間表現に関する課題
|
2週 |
第3回:行列論(行列、行列式) 第4回:行列論(固有値、固有ベクトル) |
第3回:行列および行列式の計算ができる。 【課題】線形代数・行列に関する課題 第4回:行列の固有値・固有ベクトル、対角化が計算できる。 【課題】行列の固有値・固有ベクトルに関する課題
|
3週 |
第5回:伝達関数から状態空間表現への変換 第6回:状態空間表現から伝達関数への変換 |
第5回:伝達関数表現から状態空間表現への変換が計算できる。 【課題】システム表現の変換に関する課題1 第6回:状態空間表現から伝達関数表現への変換が計算できる。 【課題】システム表現の変換に関する課題2
|
4週 |
第7回:状態変数線図と状態変数変換 第8回:状態方程式の自由応答 |
第7回:状態空間表現の図的表現ができる。 【課題】状態空間表現の図的表現に関する課題 第8回:状態遷移行列を理解し、システムの自由応答が計算できる。 【課題】システムの自由応答に関する課題
|
5週 |
第9回:入力のあるシステムの応答 1 第10回:入力のあるシステムの応答 2 |
第9回:積分計算による状態方程式の単位ステップ応答が計算できる。 【課題】状態方程式の単位ステップ応答に関する課題1 第10回:ラプラス変換による状態方程式の単位ステップ応答が計算できる。 【課題】状態方程式の単位ステップ応答に関する課題2
|
6週 |
第11回:システムの応答と安定性 第12回:状態フィードバック制御 |
第11回:システムの漸近安定性、入出力安定性を判別できる。 【課題】システムの安定性に関する課題 第12回:状態フィードバックによる速応性の改善を狙った設計ができる。 【課題】状態フィードバック制御に関する課題
|
7週 |
第13回:システムの可制御性と可観測性 第14回:オブザーバの設計 |
第13回:システムの可制御性、可観測性を判別できる。 【課題】システムの可制御性・可観測性に関する課題 第14回:オブザーバの構成方法を理解し、オブザーバを設計できる。 【課題】オブザーバに関する課題
|
8週 |
第15回:併合システムの設計 第16回:学習内容のまとめ |
第15回:状態フィードバックとオブザーバの併合システムを設計できる。 【課題】併合システムに関する課題 第16回:課題についての講評と発展授業 【課題】総合問題
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 4 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7 |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 4 | 前2,前4,前8 |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 4 | 前2,前5 |
自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 4 | 前2 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 自動制御の定義と種類を説明できる。 | 5 | 前1 |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 5 | 前1 |
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。 | 5 | 前1,前5,前6 |
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。 | 5 | 前1,前5,前6 |
伝達関数を説明できる。 | 5 | 前1,前5,前6 |
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。 | 5 | 前1,前5,前6,前7,前8 |
制御系の過渡特性について説明できる。 | 5 | 前1,前7,前8 |
制御系の定常特性について説明できる。 | 5 | 前1 |
制御系の周波数特性について説明できる。 | 5 | 前1 |
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。 | 5 | 前1 |
電気・電子系分野 | 制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 5 | 前1,前7 |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 5 | 前1,前7 |
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。 | 5 | 前1 |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 5 | 前1 |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 5 | 前1 |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 5 | 前1 |
評価割合
| 試験(中間) | 試験(期末) | 小テスト | 課題 | 態度 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 15 | 70 | 15 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 0 | 0 | 15 | 70 | 15 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |