到達目標
(科目コード:A1165、 英語名:Semiconductor Devices)(本科目は2時限/回の授業を週に2回行う形式で進めるので十分に注意すること)
この科目は長岡高専の教育目標の(B)、(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①pn接合の物理と物性を理解する。30% (B2)、(D1)
②金属—半導体接触の物理と物性を理解する。30% (B2)、((D1)
③バイポーラトランジスタの特徴を理解する。20% (B2)、(D1)
④電界効果トランジスタの特徴を理解する。20% (B2)、(D1)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
①pn接合の物理と物性を理解する。 | pn接合の物理と物性に関する課題に正しく解答できる。 | pn接合の物理と物性を正しく説明できる。 | pn接合の物理と物性を概ね正しく説明できる。 | 左記に達していない。 |
②金属—半導体接触の物理と物性を理解する。 | 金属—半導体接触の物理と物性に関する課題に正しく解答できる。 | 金属—半導体接触の物理と物性を正しく説明できる。 | 金属—半導体接触の物理と物性を概ね正しく説明できる。 | 左記に達していない。 |
③バイポーラトランジスタの特徴を理解する。 | バイポーラトランジスタに関する課題に正しく解答できる。 | バイポーラトランジスタの特徴を正しく説明できる。 | バイポーラトランジスタの特徴を概ね正しく説明できる。 | 左記に達していない。 |
④電界効果トランジスタの特徴を理解する。 | 電界効果トランジスタに関する課題に正しく解答できる。 | 電界効果トランジスタの特徴を正しく説明できる。 | 電界効果トランジスタの特徴を概ね正しく説明できる。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
この科目は、企業で高信頼性車載用計器の研究・開発および設計を担当していた教員が、その経験を活かし、半導体デバイス開発に必要なデバイス特性・物理等の基本的事項から最先端まで幅広く講義形式で授業を行うものである。
各種の電子デバイスの動作原理を理解することを目標とする。基本となるpn接合の物性を学習した後、バイポーラトランジスタ、ユニポーラトランジスタの動作を理解する。
○関連する科目:電子物性工学(前年度履修)
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として毎回演習またはレポート課題などを実施します。
教科書の内容に沿って、スライドを使用して解説を進める。資料は授業開始時に配布する。
毎回授業終盤に演習を用意しているので、その演習を通して授業内容の理解を深めてほしい。
遠隔授業も部分的に取り入れながら進める予定ですが、与えられた課題を期限通りに提出こと。
注意点:
※本科目は、「物性科学」、「電子物性工学」の継続した内容のため、「物性科学」、「電子物性工学」の両方を履修した学生向けに講義を行う。
両科目を履修していない学生は、理解を深めるために上記2科目の授業内容の理解に努めること。
数学、物理、化学の基礎知識は最低限必要とされる。理解度を自己確認できるように、演習を取り入れて行く予定である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
pn接合1(エネルギー準位図、ポテンシャル分布) pn接合2(理想的I-V特性) |
【pn接合1】真性半導体と不純物半導体を説明できる。半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 【課題】連続の式、およびpn積に関する演習問題。 【pn接合2】pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 【課題】理想的なpn接合ダイオードの電流電圧特性に関する演習問題。
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2週 |
pn接合3(実際のI-V特性、逆方向降伏特性) pn接合4(接合容量) |
【pn接合3】pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 【課題】pn接合ダイオードのn値に関する演習問題。 【pn接合4】pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 【課題】pn接合の接合容量に関する演習問題。
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3週 |
金属-半導体接触1(エネルギー準位図、オーミック接触と整流性) 金属-半導体接触2(エミッション電流) |
【金属-半導体接触1】半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 【課題】ショットキー接触とオーミック接触に関する演習問題。 【金属-半導体接触2】半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 【課題】エミッション電流を表す式導出に関する演習問題。
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4週 |
金属-半導体接触3(理想状態からのずれ) 金属-半導体接触4(総復習) |
【金属-半導体接触3】半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 【課題】傾斜形不純物濃度分布の接合容量に関する問題。 【金属-半導体接触4】半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 【課題】pn接合の空乏層幅に関する演習問題。
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5週 |
バイポーラトランジスタ1(発明と増幅作用、エミッタ注入効率) バイポーラトランジスタ2(ベース輸送効率) |
【バイポーラトランジスタ1】バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 【課題】微小信号電流増幅率に関する演習問題。 【バイポーラトランジスタ2】バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 【課題】ベース輸送効率に関する演習問題。
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6週 |
バイポーラトランジスタ3(アーリー効果、周波数特性) 電界効果トランジスタ1(接合型FET)課題レポート |
【バイポーラトランジスタ3】バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 【課題】バイポーラトランジスタのエネルギー構造に関する演習問題。 【電界効果トランジスタ1】アーリー効果、接合型FETについて自身で理解を深める。 【課題】レポートの提出。
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7週 |
電界効果トランジスタ2(MOS型FET) 電界効果トランジスタ3(FETの電気特性) |
【電界効果トランジスタ2】電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 【課題】半導体層内にできる空乏層幅の導出に関する演習問題。 【電界効果トランジスタ3】電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 【課題】エンハンスメント型とデプレッション型の違いに関する演習問題。
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8週 |
有機半導体の電気伝導 期末試験 17週:(試験解説・発展授業) |
【有機半導体の電気伝導】有機半導体における電導機構を説明できる。上記項目を正しく理解する。 【課題】有機半導体の特長に関する演習問題。 【期末試験】授業内で実施 【試験解説・発展授業】期末試験の内容を正しく理解する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | 前3,前4,前5,前8 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 5 | 前1,前8 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | 前1,前2,前3,前8 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 5 | 前1,前2,前3,前4,前8 |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 | 5 | 前5,前6,前8 |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 | 5 | 前6,前7,前8 |
評価割合
| 期末試験 | 演習・課題の提出状況 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |