到達目標
(科目コード:A1210,英語名:Engineering Materials)(本科目は第3学期に実施する。週に2回行うので十分注意すること。授業計画の週は回と読替えること)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる.この科目の到達目標と,各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を,到達目標,評価の重み,学習・教育目標との関連の順で次に示す.
①材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方を養う.50% (D1)
②材料分野の科学と理論が、実際にはどのように展開されているのかケーススタディをみながら学習し理解する.50% (D1)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方が説明できる。 | 材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方が自身で的確に詳細に説明できる。 | 材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方を理解できる。 | 材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方が概ね説明できる。 | 左記に達していない。 |
数式表現の物理的意味を理解し、計算課題を解いて、その考え方を説明できる。 | 数式表現の物理的意味を理解し、計算課題を解いて、その考え方を自身で的確に詳細に説明できる。 | 数式表現の物理的意味を理解し、計算課題を解いて、その考え方を理解できる。 | 数式表現の物理的意味を理解し、計算課題を解いて、その考え方を概ね説明できる。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
材料設計と選択に関する基本的な考え方と計算方法を学ぶ.材料の微視的構造から、材料選択のための計算手法を学ぶ.たとえばヤング率あるいは降伏応力を基準にした場合の材料の選択はどのように行われるかを理解する.
〇関連する科目:固体力学概論(前年度履修)
授業の進め方・方法:
演習内容を対話形式で説明し議論し、解を導いていく。その議論の中で内容を理解する。毎回、演習課題の聞かれている内容、着眼点、考え方、解への導き方等を議論する。
この授業は学修単位科目のため、事前・事後学習として「週ごとの到達目標」欄に示す課題などを実施する。
注意点:
電卓を持参すること
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業概要の説明 SI単位に関する問題 原子間結合・ヤング率の物理的基礎 |
フックの法則、弾性力について説明できる。工学単位について説明できる。 フックの法則、弾性力に関する課題1 金属材料の性質を原子間結合から説明できる。 金属材料の性質に関する課題2
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2週 |
ヤング率によって決まる設計のケーススタディ ヤング率によって決まる設計のケーススタディ |
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。ヤング率と設計指針の関係を説明できる。 応力-ひずみ曲線に関する課題3 金属材料の機械的性質を説明できる。 金属材料の機械的性質に関する課題4
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3週 |
結晶における転位と降伏 連続体としてみた塑性変形 |
加工硬化を例に転位と降伏現象を説明できる。 加工硬化を例に転位と降伏現象に関する課題5 硬さの表し方および硬さ試験を例とした塑性変形を説明できる。 硬さと塑性変形に関する課題6
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4週 |
降伏によって決まる設計のケーススタディなど 急速破壊、靭性および疲労 |
塑性変形の起り方を説明でき、降伏が基準となる設計指針を説明できる。 塑性変形と降伏応力に関する課題7 許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中に関する課題8
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5週 |
急速破壊の微視的機構など クリープ変形と破壊 |
脆性および靱性の意味を理解し、急速破壊のメカニズムとその数式の物理的意味を説明できる。 急速破壊のメカニズムとその計算に関する課題9 機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。 クリープ現象の課題10
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6週 |
拡散の速度論 タービンブレードにおける耐クリープ設計のケーススタディ |
温度と時間による元素拡散の現象を説明できる。 元素の拡散に関する課題11 実材料のクリープ現象を説明できる。 クリープの計算の課題12
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7週 |
摩擦と摩耗(摩耗と摩擦のケーススタディ等) 総合演習1 |
摩耗と摩擦の起り方を説明できる。 摩耗に関する課題13 金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。プレゼンテーションによりひとりで現象を説明できる。 材料の組織と特性に関する課題14
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8週 |
総合演習2 期末試験 9週:試験解説・発展授業 |
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。プレゼンテーションによりひとりで現象を説明できる。 材料の組織と特性およびそのプロセスに関する課題15 試験時間:50分
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 4 | 前1 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 | 5 | 前2,前15,前16 |
材料 | 機械材料に求められる性質を説明できる。 | 5 | 前2 |
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。 | 5 | 前4,前15,前16 |
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。 | 5 | 前2,前3 |
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。 | 5 | 前4,前6 |
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。 | 5 | 前9 |
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。 | 5 | 前8 |
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。 | 5 | 前10,前11,前12 |
塑性変形の起り方を説明できる。 | 5 | 前7,前13 |
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。 | 5 | 前5,前7 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |