信号理論

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 信号理論
科目番号 0023 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし/プリント
担当教員 太刀川 信一

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
科目の到達目標 評価の重み 学習・教育到達目標との関連
①フーリエ変換、標本化定理、電力密度スペクトルを理解する。 30% (C1)、(D1)、
②マッチドフィルタとビット誤り率を理解する。 20% (C1)、(D1)、
③FFTとOFDMを理解する。 15% (C2)、(D1)、
④スペクトル拡散技術、CDMAを理解する。 35% (C2)、(D1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フーリエ変換,標本化定理,電力密度スペクトルを理解する.フーリエ変換,標本化定理,電力密度スペクトルを概ね理解する.左記に達していない。
評価項目2マッチドフィルタとビット誤り率を理解する.マッチドフィルタとビット誤り率を概ね理解する.左記に達していない。
評価項目3FFTとOFDMを理解する.FFTとOFDMを概ね理解する.左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報信号の理論について講述する。まず、フーリエ変換、電力密度スペクトル、マッチドフィルタ等の信号解析、理論について述べる。次に、直交周波数分割多重(OFDM)変調方式について高速フーリエ変換(FFT)と関連させて述べる。さらに、スペクトル拡散技術、符号分割多元接続(CDMA)といったワイドバンド通信システムについてその概要と重要な技術について述べる。
 ○関連する科目:通信工学B(電気電子システム工学科、前年度履修)、データ通信工学(電子制御工学科、前年度履修)、ネットワークプログラミング(電子制御工学科、前年度履修)、情報通信工学(次年度履修)、コンピュータビジョン(後期履修)
授業の進め方・方法:
主に、配布するプリントに沿って学習し、適宜、補足説明を加えていく。また、毎週、課題を出し、それを解くことで、内容を深く習得していく。
注意点:
フーリエ変換、スペクトル解析、ビット誤り率、FFT、LMSアルゴリズムといった信号解析、信号処理技術を講述するが、これらはそのままパソコンによる解析、シミュレーション手法に有効に利用できる。これらを意識して履修すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 フーリエ変換1 フーリエ級数とフーリエ変換の基礎について理解する。
2週 フーリエ変換2 フーリエ変換の性質について理解する。
3週 たたみこみ定理 たたみこみ定理について理解する。
4週 標本化定理 標本化定理について理解する。
5週 線形システムと伝送路 線形システムと伝送路について理解する。
6週 電力密度スペクトルと自己相関関数 電力密度スペクトルと自己相関関数について理解する。
7週 マッチドフィルタ マッチドフィルタの導出とその性質について理解する。
8週 ビット誤り率 ビット誤り率の導出とその性質について理解する。
2ndQ
9週 FFTとOFDM変調方式 FFTとOFDM変調方式について理解する。
10週 スペクトル拡散(SS)通信方式 スペクトル拡散(SS)通信方式の基礎について理解する。
11週 他局間干渉の解析 SS通信方式の他局間干渉の解析について理解する。
12週 M-aryによるSS通信方式 M-aryによるSS通信方式について理解する。
13週 拡散系列 SS通信方式の拡散系列について理解する。
14週 LMSアルゴリズムと他局間干渉除去 LMSアルゴリズムと他局間干渉除去について理解する。
15週 試験解説と発展授業 試験の確認、解説、さらなる発展事項について理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。2
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。2
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
導関数の定義を理解している。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。2
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。2
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
微積分の基本定理を理解している。3
定積分の基本的な計算ができる。3
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。2
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
2重積分を累次積分になおして計算することができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。2
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。2
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3

評価割合

試験(期末)レポートその他合計
総合評価割合603010100
基礎的能力25101045
専門的能力3520055
分野横断的能力0000