半導体デバイス

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 半導体デバイス
科目番号 0032 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 小長井 誠:半導体物性(培風館)
担当教員 皆川 正寛

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(B),(D)と主体的に関わる.この科目の到達目標と,各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を,到達目標,評価の重み,学習・教育目標との関連の順で次に示す.
①pn接合の物理と物性を理解する.30% (B2),(D1),②金属—半導体接触の物理と物性を理解する.30% (B2),((D1),③バイポーラトランジスタの特徴を理解する.20% (B2),(D1),④電界効果トランジスタの特徴を理解する.20% (B2),(D1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①pn接合の物理と物性を理解する.pn接合の物理と物性に関する課題に正しく解答できる.pn接合の物理と物性を正しく説明できる.pn接合の物理と物性を正しく説明できない.
②金属—半導体接触の物理と物性を理解する.金属—半導体接触の物理と物性に関する課題に正しく解答できる.金属—半導体接触の物理と物性を正しく説明できる.金属—半導体接触の物理と物性を正しく説明できない.
③バイポーラトランジスタの特徴を理解する.バイポーラトランジスタに関する課題に正しく解答できる.バイポーラトランジスタの特徴を正しく説明できる.バイポーラトランジスタの特徴を正しく説明できない.
④電界効果トランジスタの特徴を理解する.電界効果トランジスタに関する課題に正しく解答できる.電界効果トランジスタの特徴を正しく説明できる.電界効果トランジスタの特徴を正しく説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 この科目では,各種の電子デバイスの動作原理を理解することを目標とする。基本となるpn接合の物性を学習した後,バイポーラトランジスタ,ユニポーラトランジスタの動作を理解する。
○関連する科目:物性科学(前年度履修),電子物性工学(前年度履修)
授業の進め方・方法:
教科書の内容に沿って,スライドを使用して解説を進める。資料は授業開始時に配布する。
毎回授業終盤に演習を用意しているので,その演習を通して授業内容の理解を深めてほしい。
注意点:
※「物性科学」,「電子物性工学」の継続した内容のため,「物性科学」,「電子物性工学」の両方を履修した学生のみ履修可能。
数学,物理,化学の基礎知識は最低限必要とされる。定量的なセンスを身につけるために,演習を取り入れて行く予定である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 pn接合1(エネルギー準位図,ポテンシャル分布) 真性半導体と不純物半導体を説明できる。
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
2週 pn接合2(理想的I-V特性) pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
3週 pn接合3(,実際のI-V特性,逆方向降伏特性) pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
4週 pn接合4(接合容量) pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
5週 金属-半導体接触1(エネルギー準位図,オーミック接触と整流性) 半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
6週 金属-半導体接触2(エミッション電流) 半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
7週 金属-半導体接触3(理想状態からのずれ) 半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
8週 総合演習(金属-半導体接触)
課題レポート
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
2ndQ
9週 バイポーラトランジスタ1(発明と増幅作用,エミッタ注入効率) バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
10週 バイポーラトランジスタ2(ベース輸送効率) バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
11週 バイポーラトランジスタ3(アーリー効果,周波数特性) バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
12週 電界効果トランジスタ(接合型FET) 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
13週 電界効果トランジスタ(MOS型FET) 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
14週 電界効果トランジスタ(FETの電気特性) 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
15週 試験 上記項目に関する課題に正しく解答できる。
試験時間:50分
16週 試験解説・発展授業 上記項目を正しく理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。5前5,前6,前7,前8
真性半導体と不純物半導体を説明できる。5前1
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。5前1,前8
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。5前3,前4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。5前9,前10,前11
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。5前14

評価割合

試験レポート・課題合計
総合評価割合8020100
専門的能力8020100