到達目標
この科目は長岡高専の教育目標の(B),(D)と主体的に関わる.この科目の到達目標と,各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を,到達目標,評価の重み,学習・教育目標との関連の順で次に示す.
①pn接合の物理と物性を理解する.30% (B2),(D1),②金属—半導体接触の物理と物性を理解する.30% (B2),((D1),③バイポーラトランジスタの特徴を理解する.20% (B2),(D1),④電界効果トランジスタの特徴を理解する.20% (B2),(D1)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
①pn接合の物理と物性を理解する. | pn接合の物理と物性に関する課題に正しく解答できる. | pn接合の物理と物性を正しく説明できる. | pn接合の物理と物性を正しく説明できない. |
②金属—半導体接触の物理と物性を理解する. | 金属—半導体接触の物理と物性に関する課題に正しく解答できる. | 金属—半導体接触の物理と物性を正しく説明できる. | 金属—半導体接触の物理と物性を正しく説明できない. |
③バイポーラトランジスタの特徴を理解する. | バイポーラトランジスタに関する課題に正しく解答できる. | バイポーラトランジスタの特徴を正しく説明できる. | バイポーラトランジスタの特徴を正しく説明できない. |
④電界効果トランジスタの特徴を理解する. | 電界効果トランジスタに関する課題に正しく解答できる. | 電界効果トランジスタの特徴を正しく説明できる. | 電界効果トランジスタの特徴を正しく説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
この科目では,各種の電子デバイスの動作原理を理解することを目標とする。基本となるpn接合の物性を学習した後,バイポーラトランジスタ,ユニポーラトランジスタの動作を理解する。
○関連する科目:物性科学(前年度履修),電子物性工学(前年度履修)
授業の進め方・方法:
教科書の内容に沿って,スライドを使用して解説を進める。資料は授業開始時に配布する。
毎回授業終盤に演習を用意しているので,その演習を通して授業内容の理解を深めてほしい。
注意点:
※「物性科学」,「電子物性工学」の継続した内容のため,「物性科学」,「電子物性工学」の両方を履修した学生のみ履修可能。
数学,物理,化学の基礎知識は最低限必要とされる。定量的なセンスを身につけるために,演習を取り入れて行く予定である。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
pn接合1(エネルギー準位図,ポテンシャル分布) |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
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2週 |
pn接合2(理想的I-V特性) |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
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3週 |
pn接合3(,実際のI-V特性,逆方向降伏特性) |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
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4週 |
pn接合4(接合容量) |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
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5週 |
金属-半導体接触1(エネルギー準位図,オーミック接触と整流性) |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
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6週 |
金属-半導体接触2(エミッション電流) |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
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7週 |
金属-半導体接触3(理想状態からのずれ) |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
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8週 |
総合演習(金属-半導体接触) 課題レポート |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
バイポーラトランジスタ1(発明と増幅作用,エミッタ注入効率) |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
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10週 |
バイポーラトランジスタ2(ベース輸送効率) |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
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11週 |
バイポーラトランジスタ3(アーリー効果,周波数特性) |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
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12週 |
電界効果トランジスタ(接合型FET) |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
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13週 |
電界効果トランジスタ(MOS型FET) |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
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14週 |
電界効果トランジスタ(FETの電気特性) |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
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15週 |
試験 |
上記項目に関する課題に正しく解答できる。 試験時間:50分
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16週 |
試験解説・発展授業 |
上記項目を正しく理解する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | 前5,前6,前7,前8 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 5 | 前1 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | 前1,前8 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 5 | 前3,前4 |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 | 5 | 前9,前10,前11 |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 | 5 | 前14 |
評価割合
| 試験 | レポート・課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |