材料設計工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 材料設計工学
科目番号 0033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜自作のプリントを配布する
担当教員 青柳 成俊

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる.この科目の到達目標と,各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を,到達目標,評価の重み,学習・教育目標との関連の順で次に示す.
①材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方を養う.50% (D1)
②材料分野の科学と理論が、実際にはどのように展開されているのかケーススタディをみながら学習し理解する.50% (D1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方が説明できる。材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方が自身で的確に説明できる。材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方を理解できる。材料設計で問題となる強度・靭性・延性・疲労・クリープ・腐食・摩耗などに対して、基本的な考え方が説明できない。
数式表現の物理的意味を理解し、計算課題を解いて、その考え方を説明できる。数式表現の物理的意味を理解し、計算課題を解いて、その考え方を自身で的確に説明できる。数式表現の物理的意味を理解し、計算課題を解いて、その考え方を理解できる。数式表現の物理的意味を理解し、計算課題を解いて、その考え方を説明できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料設計と選択に関する基本的な考え方と計算方法を学ぶ.材料の微視的構造から、材料選択のための計算手法を学ぶ.たとえばヤング率あるいは降伏応力を基準にした場合の材料の選択はどのように行われるかを理解する.
〇関連する科目:固体力学概論(前年度履修)
授業の進め方・方法:
演習内容を対話形式で説明し議論し、解を導いていく。その議論の中で内容を理解する。毎回、演習課題の聞かれている内容、着眼点、考え方、解への導き方等を議論する。
注意点:
電卓を持参すること

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要の説明 SI単位に関する問題 フックの法則、弾性力について説明できる。工学単位について説明できる。
2週 原子間結合・ヤング率の物理的基礎 金属材料の性質を原子間結合から説明できる。
3週 ヤング率によって決まる設計のケーススタディ 引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。ヤング率と設計指針の関係を説明できる。
4週 降伏強さ・引張強さ・硬さおよび延性 金属材料の機械的性質を説明できる。
5週 結晶における転位と降伏 加工硬化を例に転位と降伏現象を説明できる。
6週 連続体としてみた塑性変形 硬さの表し方および硬さ試験を例とした塑性変形を説明できる。
7週 降伏によって決まる設計のケーススタディなど 塑性変形の起り方を説明でき、降伏が基準となる設計指針を説明できる。
8週 急速破壊、靭性および疲労 許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。
2ndQ
9週 急速破壊の微視的機構など 脆性および靱性の意味を理解し、急速破壊のメカニズムとその数式の物理的意味を説明できる。
10週 クリープ変形と破壊 機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。
11週 拡散の速度論 温度と時間による元素拡散の現象を説明できる。
12週 タービンブレードにおける耐クリープ設計のケーススタディ 実材料のクリープ現象を説明できる。
13週 摩擦と摩耗(摩耗と摩擦のケーススタディ等) 摩耗と摩擦の起り方を説明できる。
14週 総合演習 金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。プレゼンテーションによりひとりで現象を説明できる。
15週 前(後)期末試験 試験時間:50分
16週 試験解説と発展授業 自己評価と試験結果から、理解不足の点を認識し理解を補うことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。5前1
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。5前2,前15,前16
材料機械材料に求められる性質を説明できる。5前2
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。5前4,前15,前16
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。5前2,前3
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。5前4,前6
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。5前9
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。5前8
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。5前10,前11,前12
塑性変形の起り方を説明できる。5前7,前13
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。5前5,前7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力0000000
専門的能力60000040100
分野横断的能力0000000