物質工学特別実験

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物質工学特別実験
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 各担当教員指定
担当教員 物質工学科 全教員,酒井 一樹,宮田 真理

到達目標

(科目コード:A2020、英語名:Advanced Experiments)
この科目は長岡高専の教育目標の(E)、(G)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①デザイン手法を理解する。(E1、E3、G2、G3)25%
②グループで計画的に仕事を進める方法について理解する。(E3)12.5%
③主体的、継続的に学習する習慣を身に付ける。(E2、G3)12.5%
④異分野における実験課題と実験方法を理解し、実験計画をたてる。(E1、E2、E3)30%
⑤異分野におけるデータ解析方法を理解する。(E1、E2、E3)20%

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
①デザイン手法を理解する左記の①について80%以上習得している左記の①について70%以上習得している左記の①について60%以上習得している左記の①について60%以上習得していない
②グループで計画的に仕事を進める方法について理解する左記の②について80%以上習得している左記の②について70%以上習得している左記の②について60%以上習得している左記の②について60%以上習得していない
③主体的、継続的に学習する習慣を身に付ける左記の③について80%以上習得している左記の③について70%以上習得している左記の③について60%以上習得している左記の③について60%以上習得していない
④異分野における実験課題と実験方法を理解し、実験計画をたてる左記の④について80%以上習得している左記の④について70%以上習得している左記の④について60%以上習得している左記の④について60%以上習得していない
⑤異分野におけるデータ解析方法を理解する左記の⑤について80%以上習得している左記の⑤について70%以上習得している左記の⑤について60%以上習得している左記の⑤について60%以上習得していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は「エンジニアリングデザインに関する演習」と「実験実習」のオムニバス方式で1~2学期に渡り実施する。
●授業計画に掲げる「前期」部分は、エンジニアリングデザインに関する演習を行う。製品開発、システム開発の一連のプロセスに必要な会議法、発想法を学び、企画立案の進め方、グループで計画的に仕事を進める方法を身に付ける。【担当教員:複数教員】
●授業計画に掲げる「後期」部分は、専攻分野における基礎的な実験(反応設計・装置設計・実験等)や問題演習を通じて、目的達成に必要な計画・作業手順・分析及び結果のまとめ方を学ぶ。また、幅広い視野を養成するため、材料コースの学生は生物系の実験、生物コースの学生は材料系の実験も経験する。【担当教員:物質工学専攻全教員 ※各教員が2回担当、取りまとめ担当教員:宮田真理】
〇関連する科目:卒業研究(学科5年次履修)、物質工学特別研究Ⅰ(専攻科1年次履修)、物質工学特別研究Ⅱ(専攻科2年次履修)
授業の進め方・方法:
●エンジニアリングデザインに関する演習はグループワークが中心となる。エンジニアリングデザインではPDCAサイクルに基づく施行を行うこととなる。
●実験実習は専攻分野の実験を2週ずつ行い、異分野における実験課題・データ解析方法等について個別指導を受ける。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 全体ガイダンス、ファシリテーションWS① エンジニアリングデザインの概要とエンジニアリングファシリテーション(チームビルディング)について理解する。
2週 ファシリテーションWS② エンジニアリングファシリテーション(会議法、合意形成、問題解決)について理解する。
3週 ファシリテーションWS③、課題説明 エンジニアリングファシリテーション(製品開発プロセス)について理解する。課題について理解し、説明できる。
4週 ファシリテーションWS④(PDCA) エンジニアリングファシリテーション(製品開発プロセス)について理解する。課題について理解し、説明できる。
5週 企画立案①、企画発表会に向けた工程表の作成 企画立案,工程表の作成ができる。
6週 企画立案② 企画立案,デザインレビューの準備ができる。
7週 企画立案③、デザインレビュー デザインをレビューレビューすることができる
8週 企画立案④、プロトタイピングに向けた工程表の作成 デザインレビューの結果に基づく企画立案,工程表の作成ができる。
2ndQ
9週 企画立案⑤ デザインレビューの結果に基づく企画立案ができる。
10週 企画立案⑥ デザインレビューの結果に基づく企画立案ができる。
11週 発表準備 デザインレビューの結果に基づく企画立案、企画発表会の準備ができる。
12週 発表準備 デザインレビューの結果に基づく企画立案、企画発表会の準備ができる。
13週 企画発表会 企画を発表することができる。
14週 プロトタイピングの振り返り プロトタイピングの結果に基づき、改善案を立案する。
15週 まとめ 一連の演習における取り組みを説明できる。
16週 予備日
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 物質工学特別実験の概要を理解する。
2週 物質工学実験A 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
3週 物質工学実験A 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
4週 物質工学実験B 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
5週 物質工学実験B 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
6週 物質工学実験C 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
7週 物質工学実験C 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
8週 実験実習内容の確認 個々の実験実習内容について理解し、状況に応じて改善策を立案する。
4thQ
9週 物質工学実験D 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
10週 物質工学実験D 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
11週 物質工学実験E 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
12週 物質工学実験E 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
13週 物質工学実験F 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
14週 物質工学実験F 実験課題・データ解析方法等について理解し、まとめることができる。
15週 まとめ 一連の実験実習における取り組みを説明できる。
16週 予備日

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。4
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。4
社会における技術者の役割と責任を説明できる。4
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。4
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。4
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。4
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。4
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。4
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。5
蒸留による精製ができる。5
吸引ろ過ができる。5
再結晶による精製ができる。5
分液漏斗による抽出ができる。5
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。5
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。5
収率の計算ができる。5
分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。5
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。5
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。5
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。5
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。5
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。5
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。5
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。5
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。5
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。5
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。5
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。5
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。5
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。5
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。5
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。5
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。5
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。5
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。5
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。5
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。5
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。5
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。5
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。4
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。4
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。4
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。4
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。4
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。4
他者の意見を聞き合意形成することができる。4
合意形成のために会話を成立させることができる。4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。4
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4
複数の情報を整理・構造化できる。4
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。4
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。4
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4
目標の実現に向けて計画ができる。4
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。4
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。4
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。4
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている4
法令やルールを遵守した行動をとれる。4
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。4
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。4
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。4
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。4
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。4
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。4
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。4
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。4
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。4
企業には社会的責任があることを認識している。4
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。4
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。4
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。4
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。4
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。4
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。4
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。4
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。4
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。4
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。4
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。4
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。4

評価割合

レポート(前期)プレゼンテーション(前期)取り組み態度(前期)レポート(後期)合計
総合評価割合20151550100
基礎的能力5552540
専門的能力5552540
分野横断的能力1055020