到達目標
(科目コード:A2150、英語名:Chemical Reaction Principls)(本科目は第4学期に実施する。週に2回行うので十分注意すること。授業計画の週は回と読み替えること)
この科目は長岡高専の教育目標(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。①化学反応における速度論的な見方の基礎を身につける。30%(D1)、②基礎的な反応速度式の運用能力を身につける。40%(D1)、③反応解析における反応速度論の重要性を理解する。30%(D1)。
○関連する科目:「物理化学Ⅰ」(本科4年次)、「物理化学Ⅱ」(本科4年次)、材料物理化学(本科4年次)、物性化学 (専攻科1年次)、化学反応論(専攻科2年次)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
反応速度の表し方と反応次数 | 積分速度式を用いて反応速度定数、反応次数を計算できる。 | 反応速度式、反応次数について説明できる。 | 反応速度式、反応次数について概ね説明できる。 | 左記に達していない |
反応速度と分子の衝突 | 衝突頻度、活性化エネルギーと反応速度の関係を説明でき、実験結果から反応の活性化エネルギーを計算できる。 | 反応速度と分子の衝突の関係について説明できる。 | 反応速度と分子の衝突の関係について概ね説明できる。 | 左記に達していない |
触媒反応 | 均一触媒、不均一触媒反応について説明でき、触媒反応と活性化エネルギーの関係を説明できる。 | 触媒反応と活性化エネルギーの関係について説明できる。 | 触媒反応と活性化エネルギーの関係について概ね説明できる。 | 左記に達していない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
化学反応には平衡論的な見方と速度論的な見方がある。ある反応が起こる可能性があるかどうか、どこまで進むかは化学平衡の問題であり、これらは化学熱力学によって理論的に推定することが可能である。一方、化学反応が平衡に達するまでの速度を取り扱う領域は反応速度論と呼ばれる。反応速度論は反応解析において重要な情報を我々に提供し、化学反応の機構を明らかにするための手段として極めて重要である。化学反応の速度論的な知識は学問的な見地のみならず、化学反応を実際に行わせる反応器の設計や、操作の最適化のために欠くことが出来ない。さらに、化学反応の本質的な理解は新しい反応プロセスの開発や新しい材料の創造のために貴重な示唆を与えてくれる。また、動植物の生命活動は生体内で起こる複雑で巧妙な化学変化によって支えられており、反応速度論は生命活動の根本を理解するための手段としても重要である。本授業では化学反応の速度論的な見方、考え方の基本について解説する。
〇物性化学(前年度履修)
授業の進め方・方法:
教科書に沿った授業を行う。受講者が事前に教科書を読み、理解したうえで、授業します。事前学習課題を出し、授業後に理解度を確認するためのレポート課題などを実施します。
注意点:
反応速度の解析には数学的取り扱いが必要となる。微分、積分等の基礎を復習し、さらに、物理化学1の内容を十分復習したうえで授業に臨むべきである。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
本授業で学ぶ化学反応論の内容について |
自然科学における化学反応論の意義を理解する
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2週 |
反応速度と速度式(1次反応、2次反応、擬1次反応、半減期) |
反応速度と速度式(1次反応、2次反応、擬1次反応、半減期)を理解する
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3週 |
素反応と複合反応(可逆反応、並列反応、逐次反応) |
素反応と複合反応(可逆反応、並列反応、逐次反応)について説明できる
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4週 |
定常状態近似と触媒反応、酵素反応 |
定常状態近似と触媒反応、酵素反応について説明できる
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5週 |
反応速度の解析法(積分法、微分法、初速度法) |
反応速度の解析法(積分法、微分法、初速度法)について説明できる
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6週 |
衝突と反応(相対速度、衝突断面積、反応断面積)
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衝突と反応(相対速度、衝突断面積、反応断面積)について説明できる
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7週 |
溶液の反応、光化学反応 |
溶液の反応、光化学反応について説明できる
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8週 |
分配関数と平衡定数、遷移状態理論 |
分配関数と平衡定数、遷移状態理論について基礎的な計算などができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 5 | 後1,後3,後7 |
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。 | 5 | 後3,後5,後7 |
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。 | 5 | 後2,後4,後5 |
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。 | 5 | 後3,後5 |
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。 | 5 | 後4,後5 |
評価割合
| レポート | 試験 | | 合計 |
総合評価割合 | 20 | 80 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 80 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |